どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式投資の世界では景気に連動して動くものとそうでないものがあります。
それらを「景気敏感株」や「ディフェンシブ株」と言います。
特にディフェンシブ株は初心者さんにもおすすめ!なんて言われますが、知っておかなければならない注意点もあります。
この記事ではそういった銘柄の解説と考え方について書きました。ぜひ参考にしてみて下さいね。
景気敏感株とディフェンシブ株とは
まず景気敏感株とディフェンシブ株の一般的な定義というか特徴を見てみましょう。
- 景気敏感株:国内の景気によって業績が大きく変化する銘柄、業種。別名「シクリカル株」
- ディフェンシブ株:国内の景気によって業績があまり変化しない銘柄、業種。別名「内需株」。
簡単に言えば「景気に左右されるかされないか」ということですね。
一般的に景気敏感株とディフェンシブ株の特徴は
と考えられており、
- リスクオン相場:ボラが大きい景気敏感株
- リスクオフ相場:ボラが小さく安定したディフェンシブ株
に市場の注目が移っていくとされています。
景気を左右するかも?というイベントがあった場合に、ディフェンシブ株の値下がりが少ないのは
業績が景気に左右されづらい企業に資金を移しておこう
という市場心理が働くからです。
景気敏感株やディフェンシブ株においても「株価の値動きの背景には業績に対する思惑がある」というのは重要なポイントなんですね。
こういった背景から、よくディフェンシブ株は
- 世界情勢は関係ないよ!
- 景気関係ないから初心者でも安心!
- 景気が悪くなっても日用品は必要!
なんて言われます・・・が!実は完全にそういうわけでもないです。
景気に関するイベントが起きたときに株価が動きづらいというのは確かですが、実際に業績に響かないかと言えばそれはわかりません。
普通に考えたらわかりますが、
- 景気が本当に悪化すれば日用品でも節約して買い控えられる
- 景気に関係しない部分で業績が悪化する可能性もある
- 国内経済は結局のところつながっている
という背景があるからですね。
したがって、ディフェンシブ株は
- 景気関連の出来事で株価は動意づきづらい
- 本当に業績が変化しないかは別の話
- 決算発表次第で大きく株価は動く
ということが言えるでしょう。
また、資金流入も実際にはそのときのテーマ株にも観測されるでしょうし、景気敏感株の中でも変わらず強いものはあり得るはず。
効率よく資金を増やしていくために大事なことは
どんな相場であろうと資金流入が見込める銘柄に乗っていく
ということに変わりありません。
景気敏感株とディフェンシブ株の業種
景気敏感株やディフェンシブ株に該当する業種はどんなものがあるでしょうか?
一般的に、
- 景気敏感株:紙パルプ、化学、鉄鋼、非鉄、ガラス土石、線維、石油石炭、ゴム、半導体、機械・建設機械、商社(卸売り)、海運、自動車、銀行など
- ディフェンシブ株:電力、ガス、食品、医薬品、鉄道、情報通信など
がそれぞれ挙げられます。
景気敏感株と呼べるものは正直言ってかなり広い範囲になるのですが、代表的なものとしては
- 鉄鋼
- 非鉄
- 化学
- 卸売り
- 半導体
と考えます。
海運は景気敏感株とは言え、長い間景気に関係なく低迷し続けている業種で少し毛色が違う印象です。
対してディフェンシブ株は国内市場を主な利益源としている業種達で、そこまでの数はありません。
ただし、デフェンシブ株でも医薬品のような業種的に値動きが大きくなるものもあります。
さらに言えば、景気敏感株だろうとディフェンシブ株だろうと時価総額によって値動きの軽さは大きく影響します。
ここまで書いてきたことをまとめると、
- 個別の業績
- 時価総額
- 業種の事情
といった株式投資において基本とも言える要素が大前提にあった上で、景気敏感株やディフェンシブ株を分別するべきだと認識しておきましょう。
極論を言えば東証一部の中・大型株の範囲内で景気敏感株とディフェンシブ株は分けられるのかもしれません。
医薬品であっても大企業であれば業績は黒字で安定しますし、時価総額や発行済み株式数につけ込まれて大きく動かされることもありません。
個別銘柄に材料が出ない限りはそれぞれの特徴を持った値動きになりやすいと考えられます。
景気敏感株とディフェンシブ株の活用方法
色々と書いてきましたが、最終的には景気敏感株やディフェンシブ株をどのように活用して利益を上げれば良いのかが重要ですよね。
具体的なそれぞれの活用方法として
- 景気敏感株:キャピタルゲイン
- ディフェンシブ株:インカムゲイン
が挙げられます。
景気敏感株はキャピタルゲインを狙う
まずこちらをご覧下さい。
これはある時期の日経平均と、景気敏感株である化学セクターから昭和電工の日足チャートを比較したものです。
こうして並べてみると似たような形のチャートだなとしか感じないかもしれません。
しかし、両者の底打ちからの上昇率を計算すると・・・
こうなります。
景気敏感株である昭和電工の上昇率はなんと日経平均の倍以上。
昭和電工は時価総額が決して小さな銘柄ではありませんが、底値からこれほどの反発を見せてくれました。
景気敏感株はこのような地合いよりもはるかに大きな値上がり率が大きなメリットと言えます。
したがって、このメリットを活かしたキャピタルゲインを狙うことが活用方法だと考えられますね。
ただし、これはボラが大きいということなので反対に大きな値下がり率を被る可能性もあります。
底値から全ての値幅を取ろうとするのではなく、底打ち確認後に資金を投入することが好ましいと覚えておきましょう。
ディフェンシブ株はインカムゲインを狙う
ディフェンシブ株は地合いに対して値動きが小さいという特徴があります。
この特徴を利用してインカムゲインを狙うのが主な活用方法です。
例えばこちらをご覧下さい。
これはある時期の日経平均と日本たばこ産業のチャートを比較したものです。
先ほどと同様に、日経平均と値下がり率を比較してみると・・・
日本たばこ産業の値下がり率が少ないことがわかりますね。
これは「長期保有したときに地合いの影響を受けづらい」と言い換えられるので、
- ディフェンシブ株
- 高配当
- 大型株
- 好業績
といった要素を組み合わせていくことでインカムゲイン銘柄群を作ることも可能です。
なぜ銘柄「群」なのかと言うと、
- 資金の分散
- 悪材料リスクの分散
- 減配リスクの分散
- 業種の分散
といった分散投資によるリスク低減が見込めるからですね。
ちなみに株探のテーマ検索を活用して、ディフェンシブ株を高配当利回り順に並べ替えたところ2019年4月の執筆時点では
- JT
- NTTドコモ
- KDDI
- 武田薬品工業
- 田辺三菱
が上位5銘柄でした。業績や先行きに不安があるものは除きつつ、色々と組み合わせてみるのも面白そうですね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は景気敏感株とディフェンシブ株の特徴や活用方法について解説しました。
株式投資の前提を踏まえた上で、それぞれの特徴を活かした投資を行っていきたいですね。
関連記事には
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