株の板読みデイトレード術!基本的なテクニックから実例まで詳しく解説!

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

みなさんはトレードの際に板を気にしていますか?

板は現在の注文状況がひと目でわかるだけでなく、値動きの分岐点などが把握できる優れものです。

しかし、初心者さんでは板をどのように活用したら良いのかわからない方も多いことでしょう。

そこで今回は板についての基本的な説明や実際にどのように読んでいくのかを解説しました。

基本的なことですが非常に重要な要素ですのでしっかりと抑えてトレードの参考にしてみてくださいね。

    

株の板読み術とは

トレードをやる際には

  1. 対象銘柄がどのくらい市場に必要とされているのか
  2. 対象銘柄がどのくらい市場に出回っているのか
  3. どのくらいポジションを取ることが最適なのか
  4. 値動きの転換点となる価格を先読みする

といったことが必要です。しかし、上記のことはチャートだけ見ていても把握しきれないことが多いですよね。

そこで登場するのが「板」です。

板とは

直近価格にどの程度売りや買いの注文が入っているのか一覧表示した

というものです。こちらをご覧ください。

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板は横並び3列で構成されており左から

  1. 売り注文数
  2. 注文価格
  3. 買い注文数

という順番に表示されています。また、板は必ず現在値を真ん中に配置し、そこを中心に上下の価格を表示する決まりがあります。

価格の横に注文数が表示されている場合はその価格に売りもしくは買いの注文が入っていることを意味します。

例えば、上記の3400円の左側に54800と表示されていますよね。これは3400円の価格に54800株の売り注文が入っているということです。

全ての価格を見た中で、54800株は非常に多い数字。

このように3400円や3500円など区切りの良い価格、すなわち節目となる価格には注文数が多く入る傾向があります。

これは人間の心理として「節目まで下がったら買おう!」や「節目まで上がったら利確しよう!」と考えるからですね。

板の価格の刻み方は銘柄の価格やTOPIX100銘柄かどうかによって変わり、注文が入っていない価格は表示されません。

そのため板の注文状況(注文価格)のバラツキが大きい場合は価格がとびとびになり成り行き注文では思わぬ価格で約定してしまうこともあります。

このように板のバラツキが大きい状況を「板が薄い」、まんべんなく価格が埋まっている状況を「板が厚い」という言い方をします。

また、ある価格帯にまとまって注文が入っているときも「厚い価格がある」なんて言い回しをします。

価格別やTOPIX100銘柄別の呼び値一覧は以下。

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参照リンク:呼び値/呼値│初めてでもわかりやすい用語集│SMBC日興証券

話題となっている銘柄の板ではめまぐるしく注文状況が変わっていき人間の反応速度では追いつかないこともしばしばあります。

そういったときは成り行きではなく指値で対応してあげるようにしましょう。

後述するように板の状況を読むことは、チャートに影響を及ぼしそうな価格がわかるなど様々なメリットがあります。

株の世界では板を読むことを「板読み術」とか「板読みトレード」なんて言い方するので覚えておきましょう。

板読み術でわかる株価変化

では板読み術で何がわかるのでしょうか?

板読み術でわかる基本的な項目は

  1. 銘柄の需給状況
  2. ポジション規模
  3. 値動き転換点(レジスタンス・サポート)
  4. 値動きの方向性

です。

例えばこんな板はどうでしょう・・・

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この板は注文価格のバラツキが大きく「板が薄い」ですよね。また、どちらかというと買い板よりも売り板の方が注文数も多めで価格も詰まっています。

買おうとする人が少なく、売ろうとしている人が多いので買いづらく上値が重いと言えませんか?

特に3395円と3400円の注文は厚く、ここを突破しないことにはそれ以上の価格には行けません。

この板の状況が変わるには5000株ほどが買い上げられて、しかも3400円付近でまとまった買いが必要なんだなとわかります。

違う例も見てみましょう。こんな板ならどうでしょうか?

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先程とは打って変わってびっしりと注文が詰まっており「板が厚い」状況だと言えますね。

また各価格における注文数も売り買いともに厚く、割と自由にポジションすることができそうです。

1単元だろうが10単元だろうが分割して集めていけば必要数が買えるので資金管理しやすい板だとわかります。

このように板を見るとトレードの前段階である「ポジションイメージ」や「どこで上値を抑えられそうか」といったことがなんとなくわかりますよね。

闇雲に注文を出したり利確するのではなく板の状況、すなわち銘柄の需給状況を加味してトレードを行いましょう。

デイトレードで板の蓋を見たら

ここまでの解説の中でちょろっと出てきましたが板を観察しているとある価格に桁違いの注文数が入っていることがあります。

この状況を「板に蓋がされている」なんて言い方をします。

例えばこんな感じです。

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この銘柄は寄り付き後におよそ10万株を買われ急騰しました。

その後の板を確認すると高値よりも少し上の節目である4500円に13900株の売り注文が置かれています。

他の価格には多くても2000株や4000株なのにこの節目には3倍以上の注文が置かれているんです。

資金額で言えば6000万円以上の約定が必要。

これは注文がキャンセルされない限りそうそうぶち抜かれない数の売りですよね。

おそらく寄り付き後に怒涛の買いが入ったうちの一部分が置かれているのでしょう。

これが板に蓋がされているという状況です。

普通に考えたらこんな約定数が起きるわけないのになぜこんなことをするのだと思いますか?

それはそれ以上の価格に行かせないことで、それ以下の価格で売りを出し切らせるためです。

4500円に厚い注文を置いた上で、

  1. わざと残りの保有株を成り売りする
  2. 空売りを仕掛けて出た売りごと買い戻す

といったことを行えば下落を引き起こすことができ、それを見た他の投資家達に売らせることができます。

反対に、下げた張本人はそれを買ってあげることでより多くの株を集められ価格が反発(戻る)というわけです。

そういった「価格を上下に大きく振るトレード」を行うことで需給が引き締まり、蓋を取った(注文をキャンセルした)あとの上値が軽くなる作用があります。

実際にこの銘柄は寄り付き後に上下に大きく振られていますが、安値は切り上がって高値まで戻っていますよね。

板の蓋は売り板だけでなく買い板にもされることがあります。

その場合は逆の目的、すなわち上値で買わせてから落とすことで損切りを連鎖させる狙いに変わるので注意。

このように板に不自然な注文がある場合はなにかしらの意図が隠れていることが多く、

最終的な値動きの方向性は蓋と同じ方向になる

と言われています。蓋の意図を読んで、利益が出る方向にポジションするように心がけてください。

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板読みデイトレードの実例

では実際のトレードで板読み術を解説します。こちらをご覧ください。

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このチャートは寄り付きから急騰し、 押し目を形成している状況です。急騰後の押し目と判断してここでポジションしたとします。

するとポジション後に反発してこんなチャートに変わりました。

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寄り付き後の高値である2200円にかなり近づく価格まできましたね。このときの板はこんな感じ。

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2200円の節目の前後には6000株ほどの売り注文がまとまっています。この板を見る限り

  1. 2200円前後で上値が抑えられる展開
  2. 1000株程度のポジションであれば比較的簡単に売り抜けられそう

といった印象がありますね。なのでここは一旦の利確ポイントになりそうだなと推測できます。

ではチャートを少し進めましょう。

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やはり2200円付近で上値が重くなり、陰線が連続し始めました。このときの歩み値は・・・

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歩み値を見ても売り(緑)から連続して約定が進んでおり、2200円手前で個人が利確売りをし始めていることがわかりますね。

そしてチャートはこう変化します。

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青枠内が先程から進んだ部分です。

先程の歩み値のあと、まとまった売りが出たので一度大きめの陰線が発生。しかしすぐ反発。でもまた下げる、また上げるを繰り返していきます。

上下に振られることで、やがて青枠内の出来高が全体的に減少して売買が過疎り始めていることがわかりますね。

このときの板は

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どうでしょう?先程よりも蓋が薄くなっていませんか?

今までの流れを追っていくと

  1. 2200円の蓋があったので一旦の利確
  2. 蓋を利用して上下に振る値動きが入った(ふるい落とし)
  3. ふるい落としが進んで売買が過疎っている
  4. つまり売りが減ってきた
  5. 2200円の蓋が取れ始めた?
  6. ブレイクが近い可能性がある
  7. ブレイク後に違う展開になれば値幅取りチャンス

という考察が組み立てられませんか?

ではこの直後の歩み値とチャートを見てみましょう。

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2198円、2199円、2200円の約定数を足し算してみてください。合計は先程の板に表示されていた注文数と同じになります。

すなわち2200円を超えるところまで一気に買い上げられている状況と言えますよね。

チャートでも前場から超えられなかった2200円の壁をブレイクする陽線が確認できます。

あとは考察通り新たな展開になっていくかを観察して、同じように値幅取りをしていく流れになるというわけです。

こんな風にチャートと板、歩み値を見比べながら板読みを進めていくとうまく利確できたりエントリーのタイミングがなんとなくわかったりします。

株の板読み術はチャートも大事

板読み術の流れはわかっていただけたかと思いますが、ひとつ意識していただきたいことがあります。

それは、チャートがメイン観察対象であるということです。

板や歩み値を定期的にチェックすることは重要なのですが、あくまでチャートの流れを見ながらというのが大前提にあります。

特に出来高水準や値動きのスピードなどチャートを見ればわかることも多いです。

先程の例でも蓋が食われてブレイクしたもののチャートを見る限りブレイクの出来高水準はそこまで大きくないということが確認できますよね。

実際にこのチャートは上昇力不足でうまく上がっていくことはできませんでした。

板だけ見ていると蓋が無くなったことで強気になりがちですが、相対的な出来高水準もしっかり気にするようにして下さいね。

まとめ

いかがでしたか?今回は板読み術デイトレードの基本テクニックを解説しました。

板もチャートも歩み値もしっかり観察してエントリーや利確をいいタイミングで行えるように訓練していきましょう。

まだ歩み値について知らない方は「歩み値の見方や読み方のテンプレ!チャートで実例解説もしていますよ!」をご参考ください。

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があります。歩み値と併せて知っておくべきでしょう。それではまた!