どうも、ひげづら(@higedura24)です。
皆さんは移動平均線をトレードに活用していますか?
もしかしてですが移動平均線をロクに勉強せずに他のいかにもかっこよさそうなテクニカル指標に走ったりしてませんか?
それは水泳で言えばクロールのやり方を知らずにいきなりバタフライを覚えようとしているものです。まずは基本があって、そのあとに色々な泳法を取得していくのが普通です。
この記事ではトレードをする人間なら絶対に知って置かなければならない移動平均線の設定や使い方について解説しました。
移動平均線を軽視しているあなた!
ぜひこの記事を読んで移動平均線の重要性に気づいてください。
単純移動平均線とは
単純移動平均線とは
各ローソク足の時点における任意の期間の約定値平均を計算して線としてつなげたもの
です。この記事では移動平均線と呼ぶことにします。
実際のチャートで見てみましょう。
これはある期間の日経平均チャートです。一番右側のローソク足に青丸をつけておきました。ここが一番新しいローソク足で、すぐ下に緑や赤、青色でラインが引かれているのがわかりますか?
これが単純移動平均線と呼ばれるもので、略してSMA(Simple Moving Average)とかMA(Moving Average)なんて呼ばれ方をします。色分けされて複数あるのはそれぞれ
- 緑:短期移動平均線(5日間の計算結果)
- 赤:中期移動平均線(25日間の計算結果)
- 青:長期移動平均線(75日間の計算結果)
と異なる期間での表示結果を示しています。難しく考えず、複数の線を表示することで色々な期間における値動きがわかるんだなとだけ覚えておいてください。
左下の赤枠で囲まれた部分にはそれぞれの期間の計算結果が載っています。例えば赤色のMA(25)は青丸のローソク足から25日間に遡って終値の平均を計算したら23116円になりましたよーという意味です。
だから何?と思いますよね。
この値を追っていくことが非常に重要かつトレードの基本になるんです。
移動平均線の基本的な使い方
移動平均線に関するおべんちゃらはこのくらいにして移動平均線をどうトレードに活用するかをお伝えします。移動平均線における最重要項目は
- 傾きがどうなっているか
- 並び順がどうなっているか
- 現在値との距離
の3つです。
移動平均線の傾きでトレンドがわかる
なぜ移動平均線の傾きに注目する必要があるかというと
その期間における約定値の推移がわかる
からです。
例えば、こんな感じで25日の設定で中期移動平均線を表示したとしましょう。
移動平均線の傾きを見る時は以下の3パターンのどれに相当するのかを確認します。
- 上向き
- 横ばい
- 下向き
図のチャートはほとんどの期間で移動平均線は上向きですね?
つまり、どのローソク足の時点においても直近25日間の約定平均値は前のローソク足の時点よりも上昇し続けているということです。
ピンときませんか?
これをものすごく簡潔に言い換えると
価格が上がっても上がってもみんなが欲しがるので価格の上昇が止まらない
ということです。
その証拠にローソク足の推移を見てみると、
- 移動平均線よりも上で推移し続けている
- 価格が下がってきても移動平均線に当たるとまた上昇する
という特徴があります。
価格が上がってもみんなが欲しがるので、直近の一定期間に買った人たちの平均取得価格よりも上で推移することが多く、めったに平均値まで落ちてこないけれども平均値に近づいたときはここぞとばかりに買われるという状況です。
少し大げさに言っていますが移動平均線が上向きで推移しているということはこういった意味合いが確かにあるんですよ!
では次のチャートはどうでしょうか?
このチャートの大まかな流れは
- 最初の部分では移動平均線がゆるやかな下向きから横ばい
- 横ばいからローソク足が大きくなりながら上に飛び出す
- 移動平均線がそれに反応して上向きに変化
- さらにローソク足が大きくなり陽線が増え、価格が大きく上昇
- 最後の部分で移動平均線を割り込む
というものです。
横ばいの時は移動平均線を上抜けたり下抜けたりしているのに、上向きになったら割り込みづらくなっていますね。
では移動平均線を割り込んだらどうなるか続きを見てみましょう。
割り込んだ瞬間から一気に価格が下がりました。途中、反発しているようにも見えますが下げの勢いが勝っています。
また、移動平均線も下向きに変化していますよね。
移動平均線の傾きからわかることは
- 横ばいでは上にも下にも行きやすい
- 上向きだと株価の反発が起きやすい
- 上向きを下抜けると価格が下がりやすい
- すぐに価格が戻れないと下向きになる
- 下向きになるともっと下がりやすい
ということですね。
興味深いのは上向きの移動平均線よりも高い位置で推移しているときは平均値(移動平均線にタッチする価格)が割安に考えられているのに、それを下抜けた瞬間に買い手が減るということです。
普通の感覚だったら平均値よりも低い位置なのだから割安!と考えるじゃないですか?
トレードにおける難しいところはこういった矛盾にあるのです。この理不尽をまず飲み込んでおかないと移動平均線を割ったら期待値が下がっているということは理解できません。
移動平均線の並び順で値動きの強弱がわかる
移動平均線は複数表示させることが一般的です。多くの場合はこんな感じで短期・中期・長期の設定で3つ表示させます。
上昇トレンドという価格の上昇力が強い状態では表示させた移動平均線が上向きの状態であることが多いです。
それに加えて上から短・中・長期の順に移動平均線が並ぶと非常に強い値動きと考えられ、パーフェクトオーダーなんて呼ばれ方をします。
移動平均線の並びが中期・短期・長期の順番であっても現在値次第では上昇トレンドに変わりありませんが、パーフェクトオーダーに比べると値動きは弱いと考えられるんですね。
移動平均線の並び順で値動きの強弱がわかることは覚えておきましょう。
仮に長・中・短の順だった銘柄が短・中・長の順に変化したのであれば値動きの状況は良い方向に大きく変化したということになります。
移動平均線と現在値との距離で買い時がわかる
では次のチャートをご覧ください。
これは何を表しているかというと、
- 赤丸:移動平均線から大きく離れたところ
- 青丸:移動平均線に大きく近づいたところ
の一例を示しています。結論から言うと
移動平均線から大きく乖離したり近づいたときは値動きの転換が起こりやすい
という性質があります。そのため移動平均線乖離率といったテクニカル指標があるほどで、大きく乖離したときに逆張りするといった手法をする人もいるようです。
逆に大きく近づいたとき(接触したとき)は移動平均線が上向きであれば反発する、すなわち順張りエントリーポイントとして活用できます。
個人的には大きく乖離したときに逆張りするよりも移動平均線が上向きに推移しているのを確認したうえで、順張りポイントとして活用したほうが良いと思います。
図の例でも大きく乖離したらまた近づいて、近づいたらまた上に跳ねて、離れたらまた近づいて・・・と繰り返しながら少しずつ価格が上がっているのがわかりますよね?
移動平均線にはこのように価格を収縮させる作用があります。
収縮させた結果の最終的なベクトルは移動平均線の向きに左右されるので買いたければ上向きの移動平均線でエントリーする必要があるのです。
移動平均線の乖離率については
で詳しく解説しています。
移動平均線の使い方まとめ
ここまでの内容をまとめると、
- 移動平均線の傾き・並び順・現在値との距離を確認すること
- 移動平均線が上向きだと良い状態
- 上から短期・中期・長期だと強い値動き
- 上向きでも割り込むと価格が下がりやすい
- 上向きの移動平均線に触るか近づいたタイミングで買う
- 割り込んだらロスカット
- 乖離が大きいと逆張りに活用できるがやらなくてよい
- 地合いも個別も移動平均線が上向きだと利益が出やすい
移動平均線における基本はこんな感じです。知らなかった人は必ず覚えてください。
極端な話、
- 日経平均やマザーズが上昇トレンドの時に、上昇トレンドの個別銘柄をリストアップ
- 中期や長期移動平均線まで落ちてきたら買う
- 少しでも移動平均線を割り込んだらロスカット
とやっているだけでも利益は出ます。
少なくとも地合いも気にしないし、移動平均線の向きも見ない状態でやみくもにトレードするよりは確実に勝率は高いでしょう。
地合いだってテクニカルが通用するかを測るための重要な指標です。
それに加えて移動平均線など基本的な指標の見方もわからないのであれば結果は明白ですよね。
移動平均線の設定例
もう何度聞かれたことかわからないのが「移動平均線の設定はいくつですか?」という質問です。
結論から言いますと
- 分足:5/25/75
- 日足:5/25/75
- 週足:13/26/52
- 月足:12/24/36
です。これに加えて例えば暴落チャートになったときは100日移動平均線や200日移動平均線を表示してみたりしています。
<関連記事>
でも正直なんでもいいです。好きなの使ってください。
説明した移動平均線の本質は変わりませんし、大きく設定が違わなければ大丈夫です。こだわりがなければ同じ設定で良いですよ。
ただし、移動平均線の設定で知っておかなければならないことがあります。
それは「設定期間が短いほど値動きに対する反応が早くなる」ということですね。
例えば日足でよく使われている設定は25日や20日というもの。
このふたつの設定を比較した場合に、20日のほうが値動きに対して敏感に反応するというわけです。
同様に、20日よりも10日のほうが敏感ですし5日線はもっと敏感。
設定を短くすれば動きが早くなり、ゴールデンクロスなどの売買シグナルが早く点灯するメリットがありますが逆にダマシに合うことも増えます。
ゆえに短すぎてもダマシに遭いやすくなりますし、長すぎてもうまく状況がつかみづらいわけですね。
だから移動平均線の設定は大体みなさん同じようなとこで落ち着いて、前述のような設定値になりやすいです。
ちなみに設定期間による性質変化やゴールデンクロスとダマシについては
で解説しています。
まとめ
いかがでしたか?今回は移動平均線の基本をお伝えしました。
上昇トレンドの銘柄でトレードするのは基本中の基本です。
よーく移動平均線の変化を見て株価が反発しそうなところでエントリーするようにしてくださいね。
関連記事には
がありますのでご参考ください。それではまた!