株は出来高とチャート分析で流れを読まないと退場するぞ

    

どうも、ひげづらです。

前回の記事で出来高の意味や本質について簡単に説明しました。今回はもう少し内容を踏み込んで値動きと出来高から全体的な流れを読んでみましょう。

今回もあくまで出来高についての私見ですのでご了承下さい。

<前回記事はこちら>

    

出来高と大口注文

まずは前回のおさらいですが、出来高とはその価格帯における需要を意味しており真の値動きと判断するためには出来高が伴っているかを見るのでしたね。

出来高とは買い注文と売り注文がぶつかった数だけ伸びていきます。

つまり「その価格帯で最大限需要が高まると出来高が膨れあがり、値動きとともにどんどん出来高が伸びていく」とこういうわけです。

では問題です。

一番買いや売りの注文を出すのは誰だと思いますか?

正解は機関投資家です。

え?機関投資家なんて知らない?

機関投資家とは投資ファンドや証券会社のことで膨大な資金を武器に個人投資家をケチョンケチョンにする存在です。

そして彼らが出す桁違いの注文のことを大口注文と呼びます。知らない人は絶対覚えてくださいね。

勘の良い方はもうお気づきでしょうが、真の値動きをするためには(出来高が伴うためには)彼ら機関投資家達の大口注文が欠かせない因子なんですねー。

ゆえに出来高の本質は「需要」ですが、出来高分析の本質は「機関投資家の需要」と言えるのではないかと私は思います。

株価は機関投資家の大口注文が動かす、よーーーく覚えておいて下さいね。

※ちなみに機関投資家の他にも外国人投資家の注文動向も重要な要素です。

出来高と値動きから流れを分析してみよう!

出来高の意味や本質が段々と伝わってきましたか?

今度は私が実際にトレードしたチャートを例にどのようにして出来高から流れを読んだか紹介します。その際のポイントは

  1. 大局的なトレンドは上昇か下降どっちなのか
  2. 大口注文が入ったときに株価はどう動いたのか
  3. 大口注文で動いた時に追随する動きはあるのか

です。実は株価の値動きには段階がありまして、そのフェーズが進んだのかは出来高を見ていればなんとなーく察知することができます。

最初は違和感から始まり少しずつ確信に変わっていく感じです。

あくまで流れの目安ですがこれが基本と考えると色々な値動きに対して理解が深まると思いますよ。

1)買い集め

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大口さん達はいきなりドーンと買って株価を上げていくわけではありません。

株価が安いうちにというか、つり上げる前の段階で少しずつ買っていって、それから決算内容やニュースをトリガーとして値段を上げていきます。

この最初の段階を「買い集め」と言います。アキュミレーションとか呼ぶ人もいますね。

買い集めでは基本的に買っていくので上昇のベクトルを持ちます。つまり株価が上がるときに需要が高まり(出来高が膨らみ)下がるときに需要が後退(出来高がしぼみ)します。

チャートを見て下さい。このAの部分では株価が上昇するときに出来高が多く、下降するときには劇的に出来高がしぼんでいます。

大口さんは買うけれども、買った分は意味もなく売ったりはしないのでこういった値動きと出来高の組み合わせになります。

すなわち

  1. 値動きはボックス状態(株価がある価格からは上がらず、一定の価格帯でもみ合う状態)
  2. 大局的なトレンドを上方向に持って行きたい
  3. 出来高は下降時には膨らまず、下降の値動きは真の値動きになりづらい

と解釈できます(私は!)。ボックスを形成してこんな出来高と値動きの組み合わせであれば「むむむ、なんだか怪しいっすねぇ・・」と思って監視すると良いですよ。

2)上昇フェーズ

買い集めが終わるといよいよボックスの上値をぶち抜いて上昇が始まります。このときに重要なポイントがありまして、それは

  1. 明確に上抜いたかどうか
  2. 爆発的な出来高を伴ったかどうか

です。チャートのBの部分では爆発的な出来高を伴って明確にローソク足がボックスの上に飛び出ています。

今までボックスを形成していた出来高よりも相対的に多い出来高です。エントリーするならここです。

また、Bでぶち抜いたあとにすぐに狭い値幅の陰の十字線を2回引いて、かつ出来高は明らかにしぼんでいます。

これは株価が上にぶち抜いたあと「売りたいなー」と思っていた投資家達を売らせているのだと思います。

同じような価格で陰線を引くけども出来高が減っていくということはその価格帯で「売りたい」という需要が減ったという解釈になります。ここでさらに追撃買い。

ちなみに以前出来高が減るということは「需要が減る」ということだと言いました。この「需要が減る」の主語は流れの中で変わります。

例えば、上昇に上昇を重ねた中でどんどん出来高が減っていくのであればそれは買いの需要が減ったと解釈できます。

また今回の例のようにボックスをぶち抜いてから価格を維持すると同時に出来高が減っている場合は売り圧力の需要が減ったと解釈できます。

このへんは経験ですね。話を戻します。

ボックスをぶち抜いて、陰線で売り圧力を消化したあと、Cの部分でやっぱり、案の定、なるべくして大陽線を爆発的な出来高を伴いながら引いています。

しかし注目すべきはここからです。その後Dの部分でさらに大きな出来高を伴って長い上ひげと下ひげを伴う十字線でわずかーに株価を下げています。

実はこれ、危険信号です!

だって今は上昇トレンドという大局的な流れのはずじゃないですか?

なのに今までで一番多い出来高で売りと買いが大きな値幅で拮抗して、最終的に売りがわずかに勝ってるんですよ?これは危ない。

・・・危ないけどすぐにはトレンドは変わらないはずなので私は様子を見ました。ただシグナルは点灯しているので次に大きく上げたら手仕舞いしようとも考えていました。

そして様子を見たところEの部分で出来高が大幅にしぼみ、その後再び爆発的な出来高とともに大陽線を引きました。

出来高を伴った大陽線なのでトレンドは継続のようですが私はここで持ち株のほとんどを手仕舞い

大きな上げで手仕舞いすると気持ちが良いですしなにより大きく上げたあとは株価が下がることも多いのでこのタイミングでほとんどを手仕舞いするのはメンタル的にも効果的なのです。

もう大きな下げがきても心にはそよ風しか吹きません。

3)下降フェーズ

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大きな上げのあと案の定Fの部分で下げました。手仕舞いしておいて良かったですね。

でもここで特筆すべきはそんなことではありません。

Fの冒頭で出来高を増やしながら下げた」これが第2の危険シグナルです。

あきらかにAからEまでと出来高と値動きの組み合わせが違ってきてませんか?

すなわち真の値動きではなくなってきています。ここで全てを手仕舞いましょう。下げたところでの手仕舞いですが買値よりは高く損は出ていません。

私はいくら株価が上昇していたとしても真の値動きでなくなってきている段階で「下降フェーズが始まってるかもしれんなぁ・・・」とビビりだします。

実際にGの部分でさらに株価は上昇していますが最終的には再び出来高を伴って今までで一番大きな大陰線を引く結果となりました。

翌日より大きな出来高を持ってしても再度上昇はできていません。これは明らかに売り圧力が強まっている状況だと解釈できます。売りがどんどん降ってくるので株価が上がれないんだとも想像できますね。

出来高分析が最も効率的に行えるのは楽天証券

ここまで出来高分析でチャートの流れを読む例をご紹介してきましたが、実際にはこういった考え方を基盤にしながら色々なものを併せて分析する必要がありますよね。

それは同業他社の比較であったり、その他のテクニカル指標であったり、全体指数や業種別指数、ザラ場の同時監視などなど・・・。

これらを効率良く行うためにはスマホだけでなくPCツールや、日経テレコンなどの情報源も活用するべきです。

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ぜひご自身でも詳細を確認してみてくださいね。

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まとめ

いかがでしたか?私は基本的にこんなことを考えながらトレードをしています。

私の投資スタイルはデイトレードやスイングトレードといった保有時間軸が短いものですので判断は早めに、少しでもおかしいなという値動きを感じたら手仕舞いしています。

出来高を注意深く観察していれば流れが見えてきますので、ぜひみなさんも出来高に注目してみてはいかがでしょうか。

次の出来高分析記事は「出来高分析でよくある例を超具体的にチャートで解説してみた!」です。それではまた!