どうも、ひげづら(@higedura24)です。
みなさんは株式市場に「アノマリー」という考え方があるのをご存じですか?
アノマリーとは株価の値動きに
- 季節性
- 周期性
- 規則性
があるのではないかという考え方のことです。
例えば株式市場の年間を通した推移を歴史的に振り返ってみると確かに一定の流れがあって、これはある程度の相場経験を積んだ方であれば知っているアノマリーと言えます。
この理由は「各月におけるイベントによって市場参加者の心理が左右され、年間アノマリーという規則性につながるのではないか」というものが一般的です。
そこで今回は、
- 株式市場のアノマリーに対する考え方
- 月別アノマリーの紹介
をまとめてみました。
アノマリーには明確な根拠があるものとそうでないものがあり、信ぴょう性の度合いも変わってきます。
必ずそうなるわけではありませんが、知っておいて損はないのでぜひご参考ください。
- 1 株におけるアノマリーとは
- 2 月別アノマリーを見てみよう!
- 2.1 1月相場は上昇しやすい
- 2.2 2月相場は上昇続くが節分天井に警戒
- 2.3 3月相場は本決算月で権利取りが意識される
- 2.4 4月相場はゴールデンウィークを意識した調整売りが出る
- 2.5 5月相場は連休の影響で閑散期となり調整ムードが意識される
- 2.6 6月相場は1年で最も上昇しやすく開放的になる
- 2.7 7月相場は6月からの上昇を引き継ぐが次第に夏枯れ意識に
- 2.8 8月相場は本格的な夏枯れで閑散
- 2.9 9月相場は四季報発売あるも秋に向けた株安
- 2.10 10月相場は中間決算発表やノーベル賞を意識しつつ安値で仕込む
- 2.11 11月相場は年末に向けた好転し始め
- 2.12 12月相場はクリスマス商戦や大発会などが意識され上昇基調に
- 3 月別アノマリーで重要なものとは
- 4 まとめ
株におけるアノマリーとは
株式投資におけるアノマリーの特徴は「理論的な説明はしづらいものの、確かに存在する規則性」です。
冒頭でお伝えした通り、中にはあまりに理論的でなくアノマリーとして使うには曖昧すぎるものもあります。
しかし、例えば
- 季節性に関するアノマリー
- 年間を通した月別アノマリー
などはそれなりに信ぴょう性が高く、売買方針に少なからず影響することがあるでしょう。
季節性に関する株アノマリーには「天気」が関係していて、
- 暑い夏には飲料水やビールがよく売れる
- 寒い冬には暖房器具や燃料がよく売れる
といったことは人間の生活を考えれば想像に容易いですよね。
理論を述べてほしいと言われても「たくさん水分を取りたくなるだろうから」といった抽象的なものではありますが、確かにあり得る話なわけです。
また、実際にそうなることで株式会社の企業業績に影響を及ぼし、これは株価変動要因として具体的なものと言えます。
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月別アノマリーも同じような感じで「完全なる理論ではないがなんとなくそうなりやすい」という流れがあり、キャッシュ比率を変化させる上で参考となりやすいです。
ただし、本当に気にするべき月別アノマリーはそこまで多くないので、そういったことも後述していきます。
月別アノマリーを見てみよう!
では年間を通して月別アノマリーを見ていきましょう。
こうして見ると色々なものがあり、非常に興味深いですね!
1月相場は上昇しやすい
年末に売られた株が買い戻されやすいのが1月です。
「1月効果」と呼ばれ、1月の収益率が他の月よりも高くなりやすい現象があると言われるほどです。
これは年末に税金対策で調整売りされた資金が新年相場により戻ってくるためだと考えられます。
また、年が変わったことで投資家の心理としても買いに向かいやすく、特に大発会(年始最初の営業日)にはご祝儀相場となりやすいです。
一般的には大型株より小型が上がりやすいと言われていますが、これはあまり実感できないことも多いですね。
年末の節税売りという観点では個人が小型を買い戻すのもわかりますが、海外勢が好むのは大型株なのでその辺が気になるところでしょう。
こういったアノマリーに反して1月の相場が下落基調であったり、ボラが大きくなる年は荒れるとも言われています。
これは12月に大きく上がった場合はその分を1月に下げることがあり、それに伴って2月以降のアノマリーも崩れやすいためだと考えられます。
また、IPOは閑散期ですのでセカンダリー資金は昨年末付近のものに向かいやすいです。
ちなみに、夏の猛暑関連銘柄をこの時期に買っておくと夏に向けて上昇してくれることも多いですよ。
2月相場は上昇続くが節分天井に警戒
2月は1月からの流れを引き継いで上昇しやすいと言われています。
ただし「節分天井」という言葉もあり、中旬に近づくにつれて急落が警戒される傾向です。
2月は閑散期と言われますが、第3四半期決算発表が出てくる時期でもあります。
閑散した時期に決算で材料が出てくると、資金が向かいやすいのでどんなテーマや銘柄に資金が向かうのか見ておきましょう。
2月の頭に上昇して中旬から下落することを「節分天井・彼岸底」と言いますが、前述のように前年の年末相場などの影響でアノマリーがずれ込んでくることも大いに考えられますね。
3月の配当取りに向けての買い資金流入は可能性が高いので、節分天井の格言よりかは第3四半期決算発表が落ち着いたら高配当株に意識を向けるのも良いでしょう。
中国は春節といって長期の休暇中ですので、こういった外部環境にも気を配る必要があります。
3月相場は本決算月で権利取りが意識される
3月は配当や優待の権利確定月となる銘柄が1年を通して最も多い時期です。
機関投資家の決算時期でもあるので利益確定による下げもありますが、高配当利回りな大型株を中心に底堅くなる時期でもあります。
高配当銘柄の場合は2月に仕込んでおき、3月の権利確定に向けた上昇を取っても良いでしょう。
そのあとは人気銘柄が権利落ちによる下落を見せるので、そこで買って戻りを取っても良いですね。
日経平均の権利落ちがいくらになるのかは毎年のように概算情報が出てくるので把握しておきましょう。
つなぎ売りを行う場合は逆日歩にならないように早めに一般信用短気売りを抑えておくなど工夫が必要です。
ちなみに機関投資家が運用成績を良く見せるために株を買い上げるドレッシング買いが意識される月とも言われています。
会社四季報の春号が出る時期なので、相場が落ち着いたときに物色する方も多いです。個人的には上昇したら4月には売った方が良いと考えます。
4月相場はゴールデンウィークを意識した調整売りが出る
4月は上旬にかけて天井をつけやすいと言われ、そのあとは後半に向けて決算発表とゴールデンウィークを意識した売りが出やすいとされます。
実際に長期連休や本決算は投資家が意識しやすいイベントなので売りが出やすいです。
この4月の売りもセルインメイ(5月売)に関連している値動きだと考えられるでしょう。
4月上旬に買われるのは新年度開始による新規の買い資金のおかげだと言われていますので、買うのであれば3月の権利落ちを活用するのが好ましいです。
日銀短観も4月上旬に出ますので利益確定は早めに行い、後半に向けてポジションは軽くしておくのも有効ですね。
5月相場は連休の影響で閑散期となり調整ムードが意識される
5月の有名な格言として「セルインメイ」があります。
セルインメイは米国株のアノマリーであり、5月に売ったら9月まで買いは控えましょうという意味です。
国内ではこれにゴールデンウィークが絡んでくるので非常に相場が荒れやすい時期と考えられています。
相場が荒れる理由としては
- 4月後半~連休前:ポジション整理や海外勢の仕掛け
- 5月連休中:海外情勢や米国株の市況変化
- 連休明け:連休中の海外市況の折り込み
という流れがあるからです。
特に連休明けには色々なニュースや材料が複雑に絡み合うのでどういった方向性になるか掴みづらい傾向があります。
為替も参加者が減るので値動きが大きく、5月相場を引きずると夏相場にも大きく影響するので注意が必要です。
また、本決算発表が本格化する時期なので上方修正なども気を配る必要が出てきます。
これらを理由に短期売買することは問題ありませんが、ホールドするのは控えた方が良いでしょう。
決算発表が1巡すると落ち着くとも言われますが、6月高値に向けた動きにならない年もあるのでできれば6月始めの雰囲気を体感してから買い始めるのがおすすめです。
5月相場を一言でまとめると「荒れやすいので保有は最低限に抑え、デイトレなど短期売買に注力した方が良い」と言えますね。
6月相場は1年で最も上昇しやすく開放的になる
5月の苦しい時期を過ぎると株価が上昇し始めることが多いです。
理由としては
- 5月で安くなった株を物色する動き
- ボーナスや配当入金時期で資金追加する個人投資家も多い
- 夏という雰囲気で開放的になる
- 配当・優待権利取り
- 会社四季報の夏号発売
など投資家のマインドが買いに向かいやすいことが挙げられます。
本決算を過ぎて方向感が出づらい時期なので、猛暑関連や四季報相場など需給が意識されやすいのも特徴です。
夏場は8月に向けてゲームセクターが物色され始めるのであたりをつけておくのも良いですね。
ちなみに「株主総会でサプライズがあることも多く、期待感や思惑があるため下げづらい」とも言われますが、逆に思惑に反してサプライズがなければ下げることもあり得ます。
天気予報など猛暑日にも気を配り、暑さが厳しい場合は飲料や暑さ対策グッズの売上が上がりやすいと認識しておきましょう。
7月相場は6月からの上昇を引き継ぐが次第に夏枯れ意識に
6月は年間を通して最も上昇しやすい夏相場でしたね。
7月はその流れを引き継いで上旬すぎまでは比較的堅調な流れとなりやすいです。
6月は四季報などを要因に上昇する需給相場でしたが、7月下旬にはそこから6月分の決算短信が出始める時期ですね。
これは第1四半期の決算内容ですので、堅調なスタートを切れているかが注目される重要な決算。
中間決算で上方修正の可能性がありそうなものは物色される傾向のため目ぼしいものはマークしておく必要があります。
ただし、国内株式市場では7月の中旬から下旬にかけて、8月の夏枯れ相場が意識され始めるので軟調になりやすいです。
あまり急いで買うよりかは少し様子を見て、株価が落ち着いたタイミングで買うのが良いでしょう。
8月相場は本格的な夏枯れで閑散
8月は夏枯れ相場といって市場参加者が減ることで有名です。
これは国内株式市場の売買高の多くを担っている外国人投資家が夏休みに入るためだと言われています。
特にお盆の時期は機関も休みに入るのでさらに閑散とします。
逆に言えば8月後半になるまでは、個人主体の相場となるので新興株に注目が集まりやすいです。
特にゲームセクターが9月の東京ゲームショウに向けて物色され始めます。
その年によりますが、ここで拾っておくと9月に向けて大化けするものもありますので例年注目されるセクターです。
台風が多い時期ではホームセンターなどの台風グッズや修繕用品を販売する企業に資金が向かうこともあります。
9月には中間配当がありますので早めに仕込み始めたいところですが、地合いが悪くなりがちなので慎重に行う必要があるでしょう。
9月相場は四季報発売あるも秋に向けた株安
9月は秋に向けて株安となるアノマリーで有名です。
8月から10月は比較的株安となりやすい時期なので、逆に言えばここで仕込むベテランも多いと考えます。
外国人投資家が戻ってくる時期でもありますので売買高は戻り始めますが、材料のないものには手を出さないほうが良いでしょう。
月末にかけては中間配当・優待の権利取りがありますので権利落ち日も注意が必要です。
東京ゲームショウの開催月ですが、必ずゲームセクターが盛り上がるわけでもありません。
投資家が興味を引くような企業がなければ不発に終わる年もあります。
9月は四季報秋号が出る時期で、第1四半期の内容が反映されています。通期目標を達成するのに近い位置の企業や、好業績の銘柄が物色される傾向にあるかもしれません。
弱い相場観の中、四季報を材料に物色されることも多いですがやはり株価が落ち着いてから触るのが無難でしょう。
10月相場は中間決算発表やノーベル賞を意識しつつ安値で仕込む
10月後半は9月の中間決算発表が本格化する時期です。
10月までの秋相場は軟調となる傾向があり、中間決算を意識しながら後半にかけてゆっくりと優良銘柄を安く仕込んでいく時期と考えます。
よく言われるのは10月末に買って翌年の4月に売れば勝率が高いというアノマリーです。
実際に最近の傾向としては正しいらしいですが、あまり盲信してなんでも好きなものを買うのは良くないですね。
年間通して安く仕込める時期ではありますので、企業の財務や業績、材料をよく吟味した上で銘柄選定をするべきでしょう。
そういった意味では国際優良株や業績抜群な新興株が対象となります。
また、例年ノーベル賞関連銘柄が騒がれる時期でもありますね。
お名前を出して良いのかわかりませんが、ファンからノーベル賞を強く切望されている作家さんが風物詩として名前が挙がることも非常に有名です。
関連銘柄も有名ですが、業績は良くありませんのであらかじめ仕込むとしても少量にしておくのが良いでしょう。
ちなみに日経平均株価の構成銘柄の入れ替えが行なわれるのは9月から10月です。
機関投資家からの買いが予想されますのでこちらも注目しておきましょう。
ハロウィンはそこまで強い材料ではないですが、小売セクターで関連銘柄があるか探すのも良いですね。
11月相場は年末に向けた好転し始め
11月は10月まで下げた株価が年末に向けて戻る時期です。
仕込んだ銘柄が早々に含み益となる年もあれば、12月にならないと上がってこない年もあります。
10月の決算内容が総じて悪いときは11月も元気がなく、決算発表が一巡しても上昇が始まらないこともあります。
したがって中間決算の内容を考慮しながら11月相場に望む必要があるでしょう。
11月は米国が冬時間の取引となるため1時間遅くなり、下旬にはブラックフライデーが始まります。
最近では国内でもハロウィンに引き続き、ブラックフライデーも慣習となりつつありますので関連銘柄があるかも?
個人的にはサイバーマンデーの方が注目で、ECサイトでは注目を浴びやすい企業は注目する必要があると考えます。
10月にうまく仕込めなかった場合は、11月相場が好転し始めた時期に優良銘柄や季節材料の銘柄を買うと良いですね。
12月相場はクリスマス商戦や大発会などが意識され上昇基調に
12月中旬までは6月同様に上昇しやすいです。四季報冬号が発売され、中間決算の内容が載ります。
中間の時点で進捗が良いものは物色されますので注目しておきましょう。
12月下旬はクリスマスが特に意識され、その理由としては機関が休暇に入る時期だからです。
商いが細り、個人主体となりやすい時期なので新興株に資金がいきやすいアノマリーがあります。
IPOラッシュで有名な時期でもありますので直近IPO群は必ずリスト化しておき、デイでもスイングでも値幅を取るようにしましょう。
節税売りも出てくるので下旬にかけては下がりやすいですが、年末は「掉尾の一振」と言って 上昇しやすいとも言われます。
この年末の値動きを見て新年にどんな銘柄を触ろうか考える投資家も多いので、自分なりにあたりをつけておくのも有効です。
為替も値動きが激しくなりやすいので、それによっては大型株がさらに弱くなる可能性はあります。
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月別アノマリーで重要なものとは
この中で特に意識してもらいたい月別アノマリーは、
- 1月
- 5月
- 8月
- 12月
ですね。
1月は年末にかけて地合いが良かった場合、そのまま調子に乗ってキャッシュ比率を下げがちになります。
その場合、2月が近くなるにつれて被弾しやすくなるので注意が必要でしょう。
5月は大型連休の影響などもあり、例年地合いが悪くなりがちな時期です。
なるべく保有を減らし、買うのであれば夏にかけて上がってくれそうな長期目線銘柄にしておきましょう。
8月は本格的な夏枯れですので、その少し前からまたキャッシュ比率を調整しておくことが例年の教訓ですね。
そこを乗り切れば、冬に向けて段々と準備をして年末の利食いをしていく流れになります。
12月は年明けの株安リスクに備え、利食いを兼ねたポジション調整を行うことがおすすめです。
全体を通して考えることは儲けることではなく、月別アノマリーで被弾しないことと言えるでしょう。
暴落しやすい月はありますので、しっかりと事前に備えたポジション調整を行いたいものですね。
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まとめ
いかがでしたか?今回は月別アノマリーの上半期編を解説しました。
必ずしも理論的ではなく、絶対にそうなるわけではありません。
しかし、季節性や月別アノマリーは完全にないとも言い切れないのが現状です。
夏枯れ相場など起こる可能性が高いアノマリーには十分に注意し、しっかりとリスク調整を行っていきましょう!
関連記事には
がありますのでご参考ください。それではまた!