キャッシュフロー対有利子負債比率で借金の支払い能力が簡単にわかるよ!

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

利益剰余金の使い道!有利子負債との関係から金の卵を掴みとれ!では

  1. 利益剰余金と有利子負債が財務的な安全性を測る基本的な考え方である
  2. 利益剰余金が潤沢な企業は株主還元系の好材料が出やすい

と解説しました。

今回はそれに関連して、企業の有利子負債の返済能力を端的に表す指標である「キャッシュフロー対有利子負債比率」を紹介します。

債務過剰の可能性を調べるのに有効な指標ですのでぜひ覚えておいて下さいね。

    

営業キャッシュフローは返済能力の土台となる

営業キャッシュフローはその企業の本業における収入を表してくれるもので、基本的な収益力がわかります。

借りたお金を返していく、という観点で考えると

  1. 「営業キャッシュフロー<返済額」だとお金は減っていく
  2. 「営業キャッシュフロー>返済額」だと返済しつつお金を貯められる

という考え方が根底にありますよね。

もはやこれだけでこの記事の答えは出ているのですが、もう少し深掘りしてみます。

例えばあなたの給料が10万円増えた場合、どうなりますか?

  1. 住宅ローンの返済額を増やす
  2. 貯金額を増やす
  3. 家の修繕費に充てる
  4. 子供の将来に投資

といったように様々な使い方がありますよね?

これは企業でも同じことで、本業がうまくいき営業キャッシュフローが増えると会社が自由に使えるお金が増えます。

この自由に使えるお金のことを「フリーキャッシュフロー」と呼び、会社の安定性に大きく貢献する考え方として一般的です。

ちなみにフリーキャッシュフローは営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足したもの。

通常、投資キャッシュフローはマイナスのことが多いので、営業キャッシュフローが増えないと自由に使えるお金は増えません。

会社が必要なときにお金を返す面でも、将来の投資を行うという面でも営業キャッシュフローは非常に重要というわけですね。

キャッシュフロー対有利子負債比率は5倍以下を目安とする

有利子負債、つまり会社の借金を順調に返していく上では営業キャッシュフローと借金額の割合が重要です。

これを比べると支払い能力と支払い額のバランスを見ることが可能だからですね。

会社の内部状況や事業展開にもよりますがどんなに多くても

営業キャッシュフローの10倍以上の有利子負債額は危険

と考えましょう。

証券会社アプリでは四季報欄に営業キャッシュフローと有利子負債額が掲載されていますので、ここを比べてあげるとなんとなく無理のない返済を行えているかがわかります。

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これを行うだけでも危険な企業に投資することをだいぶ避けることができますが、その時の支払い能力を見ているに過ぎません。

もっとしっかりと営業キャッシュフローと有利子負債のバランスを時系列で確認したい場合は直近3~5年くらいの推移を見ておきましょう。

企業によっては決算短信における「キャッシュフロー関連指標の推移」という部分で掲載していることもあります。

この部分には「キャッシュフロー対有利子負債比率」という指標が記載されており、ここを遡って見ることで

  1. 現状の営業キャッシュフローだと有利子負債の返済に何年かかるか一目でわかる
  2. 過去の推移を簡単に追うことが出来る
  3. 年単位で推移を遡ることで安定した支払い能力があるかわかる
  4. 比率なので企業規模にあわせた支払い能力を確認できる

というメリットがあります。

キャッシュフロー対有利子負債比率は掲載されていなくても、

キャッシュフロー対有利子負債比率(年)=有利子負債÷営業キャッシュフロー

という計算式で算出可能です。

ちなみに営業キャッシュフローで計算するのが一般的ですが、企業によってはフリーキャッシュフローで計算する企業もあります。

目安としては安定的に5倍以下で推移しているのが好ましく、さらに直近推移として低下傾向であれば

  1. 営業キャッシュフローが増加傾向
  2. 順調に有利子負債が減少

といった可能性が考えられます。

業績が前年度比や前期比で伸びているような企業では営業キャッシュフローの増加面は問題なさそうですが、キャッシュフロー対有利子負債比率が全然下がらない場合は有利子負債が大きく増加している可能性もありますよね。

そういった場合ではなぜ有利子負債が増えたのか調べておくとより安心です。

まとめ

いかがでしたか?今回はキャッシュフロー対有利子負債比率で支払い能力の確認ができることを解説しました。

過去の推移を遡ってみることで、営業キャッシュフローや有利子負債の変化にも気づけるのでぜひ覚えておいてくださいね。

営業キャッシュフローなどが載っているキャッシュフロー計算書に関してはキャッシュフロー計算書とは?どこを見れば良いのかだけ簡単にまとめました!で解説しています。

その他の財務安全性指標については財務安全性指標まとめ!株をやるなら倒産リスクを測るべし!でまとめています。

こちらも併せてご参考下さい。それではまた!