株の損失繰越控除を知らない!?余計な税金払ってる可能性大です!

    

株をやっているなら知らなきゃまずい損益通算損失繰越控除をご存じでしょうか?

株式投資をやっていると良いときもあれば悪いときもありますよね。年間を通したときに「今年は大負けしたなー!というときもあるかと思います。そんなあなたこそ確定申告をしなくてはなりません

その理由こそが損益通算や損失繰越をするためであり、この記事では株で損した人が必ずやらなければならないこの2つについてわかりやすく解説します。

これをやらずに株を続けてしまうと無駄に税金を払いまくる羽目になりますので、この機会にしっかりと理解して頭に叩き込んでおきましょう!

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確定申告で株の損失繰越控除をすべし

まず株の証券口座を開設するときに、

  1. 一般口座:自分で確定申告をして税金を払う
  2. 特定口座(源泉徴収なし):証券会社に損益計算をしてもらい自分で納税
  3. 特定口座(源泉徴収あり):証券会社が損益計算と納税まで行う

があります。このうちで確定申告をしなくてはいけないものは最初の2つ。そして確定申告の必要がないケースは、

  1. 特定口座の源泉徴収あり
  2. NISA口座でのみ取引している場合
  3. 年間利益が配当金のみ
  4. 年収2000万円以下で売買益が20万円以下

となっています。これは証券会社の口座開設を行う際に多くの方が調べることですが、大抵の方は特定口座の源泉徴収ありになっているので確定申告は不要かと思います。

そのため「あー良かった!株の場合は確定申告しなくていいんだ!楽ちん!」と考えてしまう初心者さんが本当に多いんですね。実はこの話には続きがありまして、この続きの部分を知らないと税金面でかなり損してしまうので注意が必要というわけです。

そもそも特定口座のメリットとして株で利益が出たら税金引いといてあげるねという点がありますが、これは利益が出た売買では毎回引くというシステムになっています。ただ年間を通すと損した売買もあれば利益が出た売買もあるわけで、年間のトータルとして負けたらどうなるのでしょうか。

お察しの通り利益を出した売買で引かれている税金はすべて無駄に税金を払っていることになるので、払う必要のないコストとなります。要は年間通して負けている人は本来であれば株で利益を得ていないわけなので税金を払う必要がないんですよね。

つまり

  1. 特定口座源泉徴収ありで売買していた
  2. 年間トータルでマイナス

という2つの条件を満たす方は税金分さらに損しているということ。そこで「その分を返してくださいよ」という意味で行うのが

  1. 損益通算:複数の証券口座での損益を合算
  2. 損失繰越控除:年間の損失分を来年に繰越

と呼ばれる手続きです。これを確定申告の手続内で行ってあげると

  1. 複数の証券口座を持っていても、全部の口座を合算したトータルパフォーマンスで税金計算が行われる
  2. 損失が多かった場合、繰越控除により来年のスタート時点で損失から計算してもらえる
  3. 損失は最大で3年間繰越可能

ということができます。例えば、

  1. A口座:50万円の利益
  2. B口座:100万円の損失

だったとすればトータルで50万円のマイナスですよね。

この損失を来年に繰り越すことで、来年の損益計算はマイナス50万円から始まります。そのため来年に50万円の利益を得たとしてもプラスマイナス0となり税金が取られることはありません。

払い過ぎた税金を還付してもらえるわけではないのですが、損失繰越控除をした上で利益を出せばその分の税金が浮くという仕組みですね。ただしこの損失繰越控除は

  1. 繰り越せる期間は最大で3年間まで
  2. 繰り越したマイナス分が消えるまでは確定申告を毎年行う必要あり

となっています。

確定申告は非常に面倒ではありますが、現代ではオンラインでパパっと行えるシステムになっています。株の税金は利益の20.315%を持っていかれる仕組みですから、無駄に多大な税金を取られるくらいであればこういった便利なシステムを活用して必ず損失繰越控除を行いましょう。

参考リンク:国税庁:上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除

特定口座年間取引報告書を確認しよう

損失が出ている人こそ確定申告の必要があることはおわかりいただけたかと思います。では年間を通して自分が負けているかどうやって調べればよいのでしょうか?

ご安心ください。特定口座の場合は年末を過ぎた時点で特定口座年間取引報告書なるものが証券会社から発行されます。これは証券会社があなたの年間を通した売買損益を計算した結果を記載したものです。

この特定口座年間取引報告書を見れば自分が年間トータルで負けているか一目瞭然なので必ず確認するようにしましょう。郵送で受け取ることもできますがネット証券の場合は電子交付されるのが一般的で、ご自分のマイページにて報告書を確認可能です。

おそらく登録しているメールアドレスに通知がきているはずですから、年明けにでも必ず目を通すようにしてくださいね。確定申告もこの報告書を見ながら数字を打ち込むことになりますので覚えておきましょう。

株でマイナス!確定申告に必要なものは?

損益通算や損失繰越控除についておわかり頂けたかと思いますが、実際に株でマイナスを出して確定申告したいという際に必要なものもご紹介しておきます。

  1. 印鑑:書類で提出する際に必要
  2. 特定口座年間取引報告書:書類やオンラインに数字が記載されている(ない場合は年間取引が計算できるもの)
  3. 源泉徴収票:給与所得や退職所得など必要な数字が記載されている
  4. 本人確認書類:免許証やマイナンバーカードなど
  5. マイナンバーカード:オンライン提出に必要
  6. カードリーダー:オンライン提出に必要、対応していればスマホでも可能

とりあえずこれらがあれば確定申告にて損失繰越控除を行うことができるはずです。書類で提出する場合はこれ以外に必要な書式をダウンロードしてプリントしておく必要があります。

おすすめは国税庁のeTAXでオンライン確定申告をするやり方です。その方がミスが少ないだけでなく移動時間なども省けますので。どうしても書類でないと嫌だという方は必要書式を国税庁ホームページよりダウンロードして、全て手書きでミスなく記載してから管轄の税務署まで提出すれば問題ありません。

まとめ

いかがでしたか?今回は損益通算と繰越控除について解説しました。株でマイナスを出したら確定申告をしなければなりませんが、その中で複数証券会社の損益を合算する仕組みを「損益通算」、そして損失を繰越して次年度の利益と相殺するための仕組みを「損失繰越控除」と呼びます。

初心者さんは株でマイナスを出してしまうこともあるかと思いますが、そういった場合は必ず確定申告をしたうえで無駄な税金を取り返しましょう。確定申告は少し手間がかかりますが、現代ではオンライン上で大した時間もかからず出来てしまいますよ。

オンライン提出にはマイナンバーカードなどが必要ですのであらかじめ準備しておきたいですね。