レバレッジ型ETFが減価する2パターンとメリットを引き出す考え方とは?

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

株式市場には上場型ETFというものがあり、中でも指数連動型ETFは個人投資家から人気があります。

特に有名なETFは指数の値動きに対して2倍値動きする

  1. 1570 日経レバレッジETF
  2. 1357 日経ダブルインバース

の2つです。

これらは相場に過熱感が出てきた際の逆張り手段としてよく用いられ、地合いが切り返すまでホールドしよう!なんて考える方もいます。

しかし、こういった指数の値動き以上の挙動を見せるETFでは「減価」と呼ばれる特性があるんです。

この記事では

  1. 減価の概要
  2. 減価が生じる2パターン
  3. レバレッジ型ETFの注意点

について書きました。

よくETFの売買をされる方は知っておくべき特性ですので、ぜひ覚えておいて下さいね。

    

レバレッジ型ETFに減価が起こる原因とは

一般に、指数連動レバレッジ型ETFが減価するパターンとして

  1. 指数が一定の値幅で上げ下げする値動き
  2. 指数の上昇が続いたあと、元に戻す値動き

といったものが挙げられます。

ボックス相場での減価

まずは一定の値幅で指数が上げ下げする場合の指数連動レバレッジ型ETFについて考えてみましょう。

例として

  1. 日経平均と日経レバレッジETFの比較
  2. 日経も日経レバレッジETFも100円からスタート
  3. 日経平均が110円と90円のボックス相場を経て100円に戻った

とします。

すると、日経平均と日経レバレッジETFはこんな推移となるはずです。

減価とボックス相場

日経平均が一定の価格でボックス相場を描いて±0の価格に戻ったとしても、日経レバレッジETFは大幅に減価しています。

これは

  1. 元本が大きい時に下げるとより下げる
  2. 元本が小さい時はより上げる必要がある

ということの繰り返しによって生じる現象で、JPXのホームページでもレバレッジ型指標の特性として記載されている内容です。

外部参照リンク:JPX|レバレッジ型指標の特性

日経平均株価は比較的ボックスを描きやすい指数ですので、日経レバレッジETFを中長期的に保有した場合は減価によって資産価値が目減りする可能性が高いでしょう。

日経レバレッジETFと同様のことが日経ダブルインバースでも起こる可能性があり、このことからETFは中長期保有には向かないと考えられています。

続伸してから元に戻す値動きでの減価

ボックス相場の中でも起きていることではありますが、減価は急な値動きでも生じます。

例えば、

  1. 日経平均が100円から20円ずつ2日間上昇
  2. そこから一気に40円下落

という流れがあったとしましょう。

その場合の日経平均とレバレッジETFの関係はこうなります。

日経平均が2日続伸してから元に戻ったのに対し、レバレッジETFは減価して元値を割り込んでいますね。

2日目の時点では

  1. 日経平均:100円から40%の上昇
  2. レバレッジETF:100円から86.67%の上昇

となっていましたが、それゆえに大きな下落が起きた場合には一気にたたき落とされる結果となったわけです。

日経平均は元に戻っただけなのに、レバレッジETFはこれほどの下落となるのはやるせない気持ちになります。

レバレッジ型ETFの減価ロジックはメリットにもなる

続伸してから元に戻す値動きの中で気づいた方もいらっしゃるでしょうが、レバレッジ型ETFの減価ロジックはメリットでもあります。

上昇が2日続いて日経平均が40%の上昇だったのに対し、レバレッジETFはなんと86.67%の上昇です。

これは減価の根本的なロジックがメリットとして働いたケースでしょう。

レバレッジETFの減価特性を知るとデメリットばかり考えてしまいますが、

  1. 利益方向にどんどん伸びていくケースでは減価ではなく、むしろ大きなメリット
  2. 見立てが正しければ短期的に大きく資産を増やせる

ということです。

ただし、2営業日以上離れた日と比較した場合は想定した上昇率と異なる可能性はあります。

JPXのレバレッジ型指標の特性についての記載でも、

レバレッジ型指標は、相場の上昇局面においてより大きなリターンを狙うことが可能ですが、2営業日以上離れた日と比較した場合は、想定した変動率(原指標の2倍)とは異なる上昇率となってしまう点、そして、投資期間が長期になればなるほど、原指標の変動率とレバレッジ型指標の変動率の乖離が大きくなる可能性が高まる点に留意が必要となります。

外部参照リンク:JPX|レバレッジ型指標の特性

やはりこの特性も長期になればなるほど乖離するので注意が必要です。

日経平均に連動するETF以外にも色々な種類がありますし、レバレッジがかかっていないものもあります。

また、上場型以外に投資信託という選択肢もありますね。

コスト面に気をつけつつ、長期的に運用できそうな市場があるか考えてみるのもひとつの手でしょう。

レバレッジ型ETFと指数における実際の値動きには微妙に差がある

レバレッジ型ETFを売買したことがある方は知っているかもしれませんが、当日の指数とETFの値動きにも多少なり差があります。

本来であれば2倍の騰落率でなければならないのに1.8倍や2.1倍の値動きになるなど差があるわけです。

この明確な理由は勉強不足でわかりませんが、ETFと言えど人間が売買しているものなので仕方ないのでしょう。

また、先物の動きも関係しているかもしれません。

例えばブルベア型ファンドでは

  1. 株式市場と先物市場の値動き差
  2. 先物取引をロールオーバーする過程における、限月の異なる先物間の価格差の変動
  3. 配当利回りと短期金利の差
  4. 信託報酬・監査費用・売買委託手数料などのコスト負担

などが関係しているようですね。

外部参照リンク:SBI証券|ブルベア型ファンド

ここまで書いてきた減価などについてはあくまで理論上のお話なので、実際の値動きではさらにズレがあるかと思います。

まとめ

いかがでしたか?今回はレバレッジ型ETFにおける減価についてご紹介しました。

レバレッジ型ETFには減価という特性があり、中長期保有には向きません。

短期的な見立てを根拠に素早く利益を取ることを心がけ、長期運用したい場合は投資信託などを活用しながら相応の商品を選択する必要があるでしょう。

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がありますのでご参考ください。それではまた!