EV/EBITDA倍率は企業価値と収益力から割安度を測る指標!

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

株式投資では時価総額や企業の収益力は非常に重要です。なぜならそれらは企業の真の価値を表しているからですね。

長期的な目線で株式投資を行う場合には、企業価値に対して株価が割安かどうかは非常に気になるところ。

そこでこの記事では時価総額と企業の稼ぐ力を活用して割安度を測る「EV/EBITDA倍率(いーぶい・いーびっとでぃーえーばいりつ)」という指標をご紹介します。

世界的な比較材料となっている指標ですのでこの機会に覚えてしまいましょう。

なお、この記事を書くにあたり以下の外部サイトを参照しました。

<外部参照サイト>

野村證券|EV/EBITDA倍率解説

野村証券|EV解説

野村証券|EBITDA解説

    

EV(企業価値)とは時価総額にネット有利子負債を足したもの

まずEV(企業価値)についての定義をお話します。EVとは

  • EV=ネット有利子負債+時価総額

といった計算式で表され、時価総額という企業の本質的な価値にネット有利子負債を足したものです。

ちなみにEVの算出に必要な「ネット有利子負債」とは有利子負債からすぐにキャッシュ化できるものを差し引いた金額のこと

EV(企業価値)にこういった有利子負債や現金を含めることで、負債も含めた価値を計算できるメリットがあります。

年間利益を大きく上回る負債を抱えていては価値の高い企業かどうか大きく変わってきてしまいますからね。

EBITDA(年間利益)とは税引き前利益に減価償却費を足したもの

次にEBITDA(年間利益)についてです。EBITDAは

  1. E:Earnings(利益)
  2. B:Before(前)
  3. I:Interest(利息)
  4. T:Tax(税)
  5. DA:Depreciation(減価償却)

の混合語であり、利払い前・税引き後・減価償却前利益のこと。計算式は

  • EBITDA=税引き前利益+支払い利息+減価償却費用

で表され、営業利益に減価償却費を加えることで簡便にも計算されます。

EBITDAは計算式からわかるように「控除前の利益」です。控除前の利益を活用する理由としては

  1. 純利益に対する税率や金利、減価償却費用の扱いは各国で異なる
  2. 国際的な企業価値を比較評価するために控除前利益を活用して税率などの差を抑えたい

といったことが挙げられます。

EV/EBITDA倍率とは買収費用がどれくらいで回収できるかを表したもの

EVとEBITDAの定義がわかったところで、EV/EBITDA倍率についてお伝えします。

EV/EBITDA倍率は「EV(企業価値)」と「EVITDA(年間利益)」で算出され、「企業を買収した場合に何年で買収費用を回収出来るか」といった観点から割安度を表したものです。

計算式は、

  • EV/EBITDA倍率(倍)=EV ÷ EBITDA

という単純な割り算で表され、負債などを含めた企業価値が税引き前の年間利益に対して何倍かを教えてくれていますね。

よく割安かどうかの目安として13倍なんて数字が出てきますが、先進国の場合では新興国に比べて成長性がどうしても劣ってしまい8~10倍程度が実質的な目安と考えられます

また、EV/EBITDA倍率はEBITDAが控除前利益を活用して国際的な税率差などの影響を抑えているという背景から、

  1. 電機・機械、自動車など「グローバル展開が進んでいる分野」における割安度を測るのに適している
  2. M&A(企業買収)における国際的な比較検討材料と位置づけられ、簡易買収倍率とも呼ばれている

という特徴があります。個人的には

  1. 外国比率が高く積極的に海外展開している企業
  2. 国際的に知名度の高い企業

であれば有用かなと感じますが、基本的な知識で覚えておいたほうが無難ですね。

EV/EBITDA倍率でスクリーニングする方法

EV/EBITDA倍率が割安な企業は、楽天証券のスーパースクリーナーを活用すれば簡単に見つかります。

やり方は、財務指標の中にEV/EBITDA倍率の条件指定項目がありますのでそこに任意の値を入れるだけです。

EV/EBITDA倍率はグローバル展開が進んでいる分野に適しているので、電機・自動車などの業種指定を追加しても良いでしょう。

また、

  1. 気になる銘柄が所属している業種内もしくは同業他社の平均EV/EBITDA倍率を調べる
  2. PER・PBRなどその他の割安指標を追加する

など相対的な割安度を求めていくのも良いですね。特に「複数の同業他社におけるEV/EBITDA倍率がどれくらいか」は割安度を考える上で大きなヒントとなります。

複数の同業他社における

  1. 最大EV/EBITDA倍率
  2. 最小EV/EBITDA倍率
  3. 平均EV/EBITDA倍率

を調べておけば時価総額レンジと同様に、どのくらいがEV/EBITDA倍率レンジ内の割安範囲かがわかります。株価暴落時の買い判断としても使えそうですね。

最後に業績推移やテーマ性・材料などを確認することも忘れずに。

まとめ

いかがでしたか?今回は企業価値と収益力から割安度を測るEV/EBITDA倍率について解説しました。国際的な指標として認知されているものですのでぜひご活用下さい。

今回記事で使用している楽天証券のスーパースクリーナーはその他にも色々な活用方法がある優良ツールです。楽天証券で無料口座開設さえしてしまえば誰でも好きなだけ活用できますので、まだ口座をお持ちでない方はこの機会に開設しておくことをおすすめします。

その他の割安性を測る指標については

でまとめていますのでぜひご参考下さい。それではまた!