逆ウォッチ曲線とは?出来高分析の基礎となる相場循環概念を解説!

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

株のチャートには基本的に2つの数字が描かれています。それは皆さんご存じの

  1. 株価:現在いくらなのか
  2. 出来高:どのくらい売買されたのか

ですよね。チャートは基本的にこの2つの数字によって

  1. 相場の進展具合
  2. 需要と供給
  3. 様々なテクニカル指標

などを表してくれています。もっと具体的に言えば、「相場は循環していてその中で天井や底を形成しては繰り返す」ということ。

なんの話をしているの???と感じる方もいらっしゃるでしょう。

でも安心してください。私が言いたいことを具体的に表しているテクニカル指標・・・というか考え方があります。

それは「逆ウォッチ曲線」というもので、まさに今お話した相場の循環を視覚化したものです。

テクニカル指標としてだけでなく、相場の捉え方や出来高分析の基礎として考え方を知っておいた方が良いでしょう。

売買タイミングなどの基本となりますのでぜひご参考下さい。

    

逆ウォッチ曲線とは相場の循環を視覚化したもの

逆ウォッチ曲線とは、

  1. 縦軸:株価
  2. 横軸:出来高

というグラフで、図のような8角形で相場循環を表したものです。

株価と出来高の関係性を表していくと図のような推移になり、それぞれの具体的な循環フェーズは

  1. 底値:底値圏で株価横ばいかつ出来高増加
  2. 上昇初期:株価も上昇し始め、出来高変わらず増加
  3. 上昇継続:株価は上昇継続で、出来高横ばい
  4. 上げ止まり:株価上昇鈍り、出来高減少
  5. 天井:株価横ばい、出来高減少
  6. 下落初期:株価下落し始め、出来高変わらず減少
  7. 下落継続:株価は下落継続で、出来高横ばい
  8. 下げ止まり:株価下落鈍り、出来高増加し始め

という8フェーズに分けられます。

模式図を見ておわかりいただけるように、フェーズは時計と逆回りに進んでいますよね?

これが逆ウォッチ曲線と言われる理由です。図ではきれいな8角形ですが、実際の逆ウォッチ曲線を見てみると・・・

このようにとても8角形には見えません。しかし、描き方としては模式図の順番で描かれており、逆ウォッチ曲線を見ることで現在の相場がどのフェーズまできているかがわかります。

この実例ではちょうど8角形が完成しているところなので、ここからは底値圏で段々と出来高が増加していくタイミングなのかもしれませんね。

逆ウォッチ曲線の設定目安とは

逆ウォッチ曲線はただでさえぐにゃぐにゃとノイズが多く、わかりづらいです。そのため逆ウォッチ曲線を描くためのデータには一定期間における

  1. 株価移動平均線
  2. 出来高移動平均線

の値を活用しています。それぞれの設定はノイズを減らすために中長期の値とすることが多く、逆ウォッチ曲線を活用する場合は

  1. 日足:25日
  2. 週足:26週

などがおすすめです。もしもっと長期の値を入れたい場合は52や60、75といった長期移動平均線に使うような数字を持ってくれば良いでしょう。

逆ウォッチ曲線の注意点とは

逆ウォッチ曲線は教科書的な相場循環を表してくれるものです。そのため、企業価値を超えた需要が生じやすい急成長株などでは8角形を描かずにフェーズが進んでいく可能性があります。

また、逆ウォッチ曲線の設定を中長期にしてもノイズが乗らない保証はなく、わけのわからない曲線となることもあります。

ゆえに、逆ウォッチ曲線を活用して売買できるケースとそうでないケースがあり、ある程度はチャートから株価と出来高推移を感じ取って判断する必要があります。

逆ウォッチ曲線はテクニカル指標としての活用もできますが、「相場力学的な考え方」をトレースすることも非常に重要ではないかなと考えています。

逆ウォッチ曲線からわかる株価と出来高の関係性とは

逆ウォッチ曲線で考えていただきたい最大のポイントは「出来高の先見性」です。

出来高の先見性については

で解説していますのでご一読下さい。

出来高は株価に先行して推移する特徴があるので、逆ウォッチ曲線でも

  1. 株価が底値圏や天井圏で横ばいの最中に、出来高が増加(減少)し始めている
  2. 出来高が動いた後に株価が追随している
  3. 出来高の動きが止まると時間差で株価も横ばいになる

といった特徴が感じ取れます。

冒頭でご紹介した以下のシェーマを基準に、どういったことが考えられるのかフェーズごとに少し踏み込んでお話しましょう。

底値:底値圏で株価横ばいかつ出来高増加

ここは株価が最も低い水準にあるにも関わらず出来高が増加しているフェーズです。

株価が横ばいなのに出来高が増えていることから、株価上昇を出来高が先見していると考えられますね。

また、出来高が増加しているということはこの価格帯で売買している人が増えてきたということでもあります。

上昇のためのエネルギーが蓄積されていると感じますので、少しずつ買い集めて良い時期かもしれません。

上昇初期:株価も上昇し始め、出来高変わらず増加

出来高が先行上昇後、株価も上昇し始めたフェーズです。出来高も継続して上昇しているので、まだまだ買い需要があると考えられますね。

トレンドが発生している可能性があり、本格的に順張りし始めるのに最適なフェーズでしょう。

上昇継続:株価は上昇継続で、出来高横ばい

株価は相変わらず上昇しているのに、出来高が同じような水準で横ばいに入ったフェーズです。

出来高が今までにない水準ではあるものの、それ以上増えていかないわけなのでトレンド後半に入っている可能性が高いですよね。

実際の相場ではここからもっと出来高が増加していくのかどうかが注目ポイントで、頭打ちであればやがて減少していくと考えられます。場合分けとしては

  1. 出来高頭打ち:出来高の先見性を加味して株価上昇が鈍る可能性あり
  2. 出来高増加継続:まだ上げ止まりにはならない可能性あり

という感じです。

いずれにせよ、まだ買いは間に合うのでロットを下げて順張りしても良いフェーズですね。

上げ止まり:株価上昇鈍り、出来高減少

出来高が減少するとともに株価上昇も鈍り始めたフェーズです。

実際の相場では大陽線が出た後で、株価が不安定ながらも若干の上昇継続という感じでしょうか。

天井は近く、出来高が減っているので株価の上昇力は尽き始めた可能性が高いです。したがってこの辺りでの買いは期待値が低く、有効ではないでしょう。

天井:株価横ばい、出来高減少

株価の上昇がいよいよ止まり、出来高もさらに減っていくフェーズです。

実際の相場ではセリングクライマックスと言われる時期にあたり、がっつりとした出来高がきても株価は上がれずボックス形成という印象ですね。

何度かそれを繰り返した後に本格的な下落が始まりますので、ポジションがあれば自分もボックス形成しているうちに売っておきたいところです。

ただし、ここからボックスブレイクして再上昇するケースもあるのが難しいところでしょう。ボックスの中でポジションを調整しながら、上がっても下がっても良いレベルで監視する必要があります。

下落初期:株価下落し始め、出来高変わらず減少

出来高水準は下がり続け、株価も本格的に下げ始めるフェーズです。

下落初期ですのでここでは買いポジションを解消しなくてはなりませんし、新規ポジションであればショートし始めるタイミングでしょう。

実際の相場ではトレンドが始まるぞというタイミングなので、がっつりとした出来高で初動ローソク足が出ます。

下落継続:株価は下落継続で、出来高横ばい

下降トレンド初動から株価が継続して下げ、出来高は横ばいに入るフェーズです。

株価が下がるのに出来高がぱっとしないので需要が少なく、買われることがあまりない時期ですね。信用買い残がしこりとして邪魔をして上がりづらくなっていることも考えられそうです。

  1. 株価が適正価格まで戻っている
  2. 需給調整を行っている

などの可能性を考えながら見守りましょう。

下げ止まり:株価下落鈍り、出来高増加し始め

株価が下がりづらくなり、出来高が増加し始めるフェーズです。

実際の相場ではがっつりとした出来高がきて、

  1. 大陰線のあとに下げ渋り
  2. 出来高に対して陰線が合っていない(小さい)

という傾向が出始める印象ですね。最後の売り物が出た可能性や買われ始めているのかもと考えてしまいます。

 

まとめ

いかがでしたか?逆ウォッチ曲線はテクニカル指標としてだけでなく、相場の捉え方としてトレースして日々の売買に役立てて下さい。

大型株など一定の需要がぐるぐると循環しやすい銘柄では、逆ウォッチ曲線を観察してみることも勉強になります。

ちなみに、逆ウォッチ曲線は楽天証券のマーケットスピード2であればオシレーター指標として活用出来ますよ。

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今回紹介した出来高の捉え方については以下の関連記事でも解説しています。

  1. 株価反転時の出来高分析!この構造をイメージして値動きを観察してみよう!
  2. 株は出来高分析とローソク足で上げ止まりや下げ止まりを察知しよう!

それではまた!