どうも、ひげづら(@higedura24)です。
デイトレードをする際に気にしなければならないのが差金決済ですよね。
差金決済については「差金決済取引をわかりやすく!デイトレは特に注意しましょう!」で解説していますのでご参考下さい。
差金決済をクリアするためには信用取引を活用することが最も一般的で、実際に多くの方がデイトレードを信用取引で行っているかと思います。
実は、信用取引の中でもデイトレードに特化した種類があるのをご存じでしょうか?
どの証券会社もサービスを用意しているわけではありませんが、今回はデイトレードに特化した信用取引を提供している3つの証券会社の比較を行いました。
スイングメインの方も、デイトレードをふとしたくなった場合に役立つ知識ですのでぜひご参考下さい。
一日信用取引は楽天証券・松井証券・SBI証券が提供
通常、株の売買を信用取引で行う際には
- 手数料
- 金利(買い)
- 貸株料(売り)
がコストとして発生します。これは証券会社に株の買付けを代行してもらったり、お金や株を貸してもらうことに対して発生するコストですね。
手数料や金利などは売買金額によって異なり、証券会社ごとに特徴があります。
ただし、保有可能期間を当日中に限定することでこういったコスト面を優遇するサービスが証券会社によっては用意されており、デイトレードの場合はそれらを活用するメリットが大きいです。
こういったサービスを最初にリリースしたのは松井証券で、それを受けてか包括的な名称としては「一日信用」と呼ばれることが多いですね。
一日信用取引は金利や手数料などでメリットが大きい
一日信用の主なメリットは、信用取引や現物取引で通常かかってくるコスト面を低減できる点です。
具体的には、
- 売買手数料無料
- 約定代金によって金利や貸株料が無料
といったことが挙げられます。コスト面でのメリットはパフォーマンスに直結するのは想像しやすいですよね。
1回あたりの約定金額が小さい方も大きい方も、デイトレードをやるのであれば一日信用を活用した方がメリットは大きいでしょう。
また、通常は空売りできないような新興銘柄でも、当日限定で空売りができるなど戦略の幅も広がります。
一日信用取引は持ち越しのデメリットが大きい
一日信用はメリットしかないわけではありません。主なデメリットとしては
- 当日の期限を過ぎた場合、強制的に決済され余計なコストがかかる
- 通常は空売りできない銘柄を一日信用で空売りした場合、特別空売り料が発生する
といったことが挙げられます。
デイトレでは信用取引を適切に活用すればコストを限定できることは間違いありませんが、
- 翌営業日以降に持ち越しする場合は現引き処理を行ったり、あらかじめ現物か通常の信用取引にしておく
- 特別空売り料などを考慮しても利益が出せるかイメージする
といったことが必要となってきますね。
ちなみに特別空売りサービスは証券会社側で、空売り不可銘柄の中からその時期に値幅が大きいものが選定されます。
値幅が拡大していて人気化している銘柄が選ばれやすいので空売りリスクに留意しましょう。
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一日信用取引は楽天・松井・SBIで名称が異なる
メリットやデメリットを理解した上で活用すれば非常に有効な一日信用取引ですが、証券会社によってサービス名称や特徴が異なります。
少しだけややこしいので比較表にてご紹介しましょう。
※2019年7月29日時点
楽天証券 「いちにち信用」 | 松井証券 「一日信用」 | SBI証券 「日計り信用」 | ||
取引手数料 | 約定金額に関係なく0円 | 約定金額に関係なく0円 | 制度信用の手数料 | |
金利 (1回あたりの約定金額別) | 100万円未満 | 年率1.9% | 年率2.0% | 年率2.8% |
100~300万円未満 | 0% | 年率2.0% | 年率2.8% | |
300万円以上 | 0% | 0% | 0% | |
特別手数料なしの 売り建て銘柄数 | 約1800銘柄 | 約850銘柄 | 約100銘柄 |
楽天証券 「特別空売り」 | 松井証券 「プレミアム空売り」 | SBI証券 「HYPER空売り」 | ||
取引手数料 | 特別空売り料 | プレミアム空売り料 | 制度信用の手数料 + HYPER空売り料 | |
貸株料 (1回あたりの約定金額別) | 100万円未満 | 年率1.9% | 年率2.0% | 年率2.0% |
100~300万円未満 | 0% | 年率2.0% | 年率2.0% | |
300万円以上 | 0% | 0% | 0% | |
特別手数料ありの 売り建て銘柄数 | 約1400銘柄 | 約200銘柄 | 約1100銘柄 |
まずサービスの名称についてですが、
という呼び名になっています。
いちにち信用と一日信用と日計り信用の比較
まずは上の表で比較している一日限定で買いも売りもできるサービスからです。
手数料に関して言えば、楽天証券の「いちにち信用」と松井証券の「一日信用」であれば約定代金に関わらず無料ですので非常にメリットがあるでしょう。
SBI証券の「日計り信用」は制度信用と同等の手数料がコストとしてかかります。
金利に関して言えば、楽天証券の「いちにち信用」は100万円以上の約定金額であれば金利0%です。
100万円未満であっても年率1.9%ですから、金利面で最もメリットが大きいのは楽天証券の「いちにち信用」ですね。
松井証券の「一日信用」とSBI証券の「日計り信用」も300万円以上の約定金額であれば金利0%ですが、それ未満では「一日信用」では年率2.0%、「日計り信用」では年率2.8%の金利が発生します。
特別空売りとプレミアム空売りとHYPER空売りの比較
次に、下の表の当日限定で通常は空売りできない銘柄を空売りできるサービスについてです。
手数料はどの証券会社も特別手数料としてサービス名にちなんだコストが発生します。ただし、SBI証券の「HYPER空売り」では制度信用と同等の手数料が追加でかかるので注意。
信用取引では売り建ての場合、貸株料というものが金利の代わりにかかってきます。表では特別空売りの方に含めていますが、一日信用の売り建てでも同様の貸株率です。
貸株率に関しても、やはり楽天証券の「特別空売り」が一歩リードしている印象ですね。100万円以上の約定金額から金利が0%になるだけでなく年率がかかっても1.9%でおすすめですね。
最後に、上下表の売り建て可能な銘柄数についてですが、
- 楽天証券:手数料なし(約1800銘柄)、手数料あり(約1400銘柄)
- 松井証券:手数料なし(約850銘柄)、手数料有り(約200銘柄)
- SBI証券:手数料なし(約100銘柄)、手数料あり(約1100銘柄)
となっており、ここでも楽天証券の「いちにち信用」・「特別空売り」がリードしているようですね。
私はあまり空売りをしないスタイルですので楽天証券の取り扱い銘柄数が最も多いことに驚いています。
当日限定の信用取引のコストや取り扱い銘柄数をまとめると、
- 手数料・金利・貸株料・取り扱い銘柄数どれをとっても楽天証券が最もメリットが大きい
- 約定金額が100万円を超える超えないに関わらず楽天証券が最もメリット分岐点が近い
という結果になりました。
デイトレードでは何度も何度も信用取引を繰り返すことが多いので、少しのコスト差が長期間に渡って積もると何十万の差になってきます。
できれば信用取引コストが最小クラスである楽天証券は最低限持っておくべきでしょう。
あと気になる点とすれば銘柄ごとの在庫数ですね。
在庫がなくなれば売買そのものができないわけですし、在庫数は重要なファクターですが場合によりけりで一概には言えません。
また、証券会社同士の銘柄かぶりがどの程度かも気になります。
ただし、サービスのメリットが最も大きい楽天証券で「いちにち信用」や「特別空売り」を行う投資家は多そうです。
必然的に在庫の無くなり具合も早そうですので、保険的に松井証券やSBI証券の口座を持っておいた方が良いでしょう。
それぞれの証券会社の詳細については公式HPで確認できます。情報が古くなっている可能性もありますので、必ずご自身でも確認するようにして下さいね。
楽天証券のいちにち信用の現引き手数料について
一日信用取引を活用した際に、どうしても持ち越したい場合があるかもしれません。
しかし、一日信用取引では翌営業日以降の持ち越しが原則的にできません。
もし持ち越した場合には強制的に決済されてしまい、決済手数料など余計なコストが数千円もかかるので一日信用取引のメリットが吹き飛んでしまいますね。
そこで行われるのが「現引き」という処理方法です。
簡単に言えば現物で引き取りますよという決済方法ですね。現引きすることで一日信用取引でもコストがかからずに現物で持ち直すことが可能となります。
証券会社によってはこの現引き処理に手数料がかかりますが、楽天証券では現引き手数料はかかりません。
そのため、当日の15:30までであればいちにち信用で売買した銘柄もコストなしで持ち直すことが可能です。
ちなみにこの仕組みを約定代金100万円以上の優待クロスに活用する方もいらっしゃいます。
何単元以上で優待内容が強化される銘柄は
- 約定金額を100万円以上に調整
- いちにち信用と一般売りを複数証券会社を組み合わせてクロス取引
- いちにち信用を現引きで持ち直して移管
という処理をしてあげるとメリットが出るケースもありそうですね。移管費用や処理の関係がありますので、それなりの優待利回りである必要がありそうですが。

まとめ
いかがでしたか?今回は一日信用と呼ばれる、当日中に信用取引を完結させることで色々なメリットがあるサービスを解説しました。
比較してみると楽天証券のいちにち信用が最もメリットが大きいですが、在庫切れなどのリスクヘッジとして松井証券やSBI証券の口座開設も行っておいたほうが無難です。
デイトレードを頻繁に行うと、少しのコスト差でも何万、何十万の差になりますのでくれぐれも注意してくださいね。
ちなみに楽天証券はいちにち信用だけでなく、無料取引ツールもかなり優れています。
詳細は「マーケットスピード2の使い方はこれで完璧!トレーダーが変更点を教えるよ!」にまとめましたのでぜひご参考下さい。
そんなことまでできるの?と驚きますよ。それではまた!