株の売買、特にデイトレでは板情報がとても大事です。
板とはその時における買い注文と売り注文の状況を示してくれるもので、板の中で売り買いがぶつかると株価が動きます。
板情報を見ることでチャートではわからない株価のサポートやレジスタンスとなる価格帯もわかりますので、今回はそういったお話を簡単に述べてみました。
あくまで基本的な見方のひとつでしかありませんが、あまり板に馴染みがないという方は参考にしてみてくださいね。
板情報で株価のレンジを見極める
では最初にこのチャートを見てください。
これは寄りついてから間もないタイミングの5分足です。パッと見てわかるのは寄付きから陽線を引いていて、その上下には上ひげと下ひげがあるということですね。次にこちらをご覧下さい。
こちらは先ほど見せたチャートと同じ時刻における板情報です。パッと見てわかるのは27000円の買い板と27100円の売り板にかなり大きな注文があるという点でしょう。
今回お伝えしたいのはこういった状況に関する考え方で、結論的にはチャート状況と板状況が株価のレンジを示しているということです。
まず、チャート的には上ひげと下ひげがそれぞれ株価の折り返し部分を教えてくれています。そしてその折り返し部分にほぼ連動して板が厚くなっているという点がポイントでしょう。
なぜなら株価が次の価格に進んでいく流れとして、板におかれている注文が
- 全て約定する
- 全てキャンセルされる
とならない限り価格が連続して動くことはないからです。
例えば上記のケースで27100円以上に株価が進むためには27100円に置かれている売り板74000株ほどが全て買われるかキャンセルされないとダメということですね。
とはいえ株価27100円で74000株を買うためには単純に数十億円ものお金が一気に動くということなので、大変なことでもあります。
したがって短期的な株価のレンジとしては
- レンジ高値:27100円
- レンジ安値:27000円
と予想でき、自分もこの範囲内で勝負したいと考えられますよね。
レンジブレイクで次の価格帯に?
株価の特性としてレンジをブレイク、すなわちレンジ高値か安値を超えると次の価格帯まで大きく進みやすいです。
実際に今回お見せしているケースでも・・・
このように27100円を超えてから何ティックも連続して株価が動きました。また、レンジをブレイクしたあとは赤枠部分のようにまた違った価格で厚い蓋が出来ていました。
そして株価は結局・・・
このように短期線のすぐ手前まで戻す状況となっています。
レンジブレイクは実際に起きたのかどうか
大体の流れはこのような感じですが、ここで注意したいのはレンジ高値のブレイクは本当に起きたのかどうかということです。
前述のように株価が27100円以上に動くためには全ての売り板が食われるかキャンセルされれば良いわけですよね。
それを確認するために必要なのが歩み値です。歩み値は注文の約定履歴のことで・・・
このように何時何分に何円でどれくらい約定したのかがわかります。今回のケースでは27100円以上に株価が動いたものの実際に74000株に相当する約定はないということです。
すなわち本当にブレイクしたというよりかは単純に売り板がどいてくれたという状況だと思います。
個人的には実際に全ての売り板が約定した時の方が強い値動きだと考えているので、レンジブレイクの審議をする際には必ず確認するポイントです。
レンジはまた発生する
もうひとつ板でレンジを考える際に知っておきたいのは「レンジはまた発生する」ということです。もっと言えば次のレンジでも同じ方向にブレイクするかはわからず、さらに言えばまた元の価格帯に戻ることもしばしばあります。
しかし、レンジブレイクが起きた際に「次の蓋はどこか」という点を意識しておけば売買の目安となりますよね。
また、何度も厚い板を破ってレンジブレイクが連続する状況は強い値動きだと判断できますし、それがホールド根拠にもなるのかなと考えています。
まとめ
今回は実際にあったチャートと板状況を使って株価のレンジを考える見方を簡単にご紹介しました。
基本的に板状で厚い注文を見つけたらそこはひとつの安値高値目安となりますし、それがチャート上でも連動していた場合は直近傾向としても言えることです。
レンジにはブレイクという特性があり、その場合は次の価格帯でまたレンジ形成すると考えます。ただし本当にブレイクしたかどうかは歩み値で確認した方が無難で、実際に約定しているケースの方が信憑性は高いでしょう。
レンジは複数回の発生が普通で、連続したブレイクの場合はより強い値動きと判断できます。
<関連記事>