どうも、ひげづら(@higedura24)です。
2019年9月現在、JTの株価がだだ下がっています。
それに伴ってTwitter上でも
JTは今買うべき!
JTなんか買わなくていい!
こういった声が錯綜している状況です。
そこで今回は
- なぜJTが話題になっているのか
- JTはいつ買うべきか
といったことをテーマにお話していきます。
正直言って誰がどんな株を買おうが別に良いじゃないかと感じますが・・・今後も同じようなことが違う銘柄でも起きるはず。
後学のためにも、簡単に考えておくと役に立つことでしょう。
JTはなぜ注目されているのか
まず、そもそもなぜこんなにもJTが話題になっているのか考えられる要素を挙げていきます。
国内を代表する高時価総額企業のひとつ
JTこと日本たばこ産業は日本を代表する大企業です。
その時価総額は株価がだだ下がった現在でも4兆円を超えるほど。
また筆頭大株主には財務大臣の名前が掲載されており、保有割合は33%と3分の1を占めています。
専売公社の前身を含めれば80年の歴史ですが、現在のJTとしての歴史は1985年4月から始まっており、もう30年以上も国内経済を支えているのですね。
外部参照リンク:JT|JTの歴史
JTの本業はその名の通り「たばこ業」です。
JTが運営するリクルーティングサイトにあるようにたばこ業は少し特殊な商材を扱っている事業。
なぜなら、
- 財務省の許可が必要なため誰もが簡単に売れるものではない
- 6割以上の税率負担
- 値引きはなく定価販売
- 広告規制なども厳しい
といった枠組みが敷かれているからですね。
大株主に財務大臣の名前があるのもこういった経緯が関係していそうです。
こういった難しいテリトリーで着実に成長してきたJTには企業としての信頼性があるのだと思います。
連続増配銘柄の代表格
JTには株式投資家の間で有名な特徴があります。
それは「連続増配銘柄」という点です。
連続増配とは毎年連続的に配当金を増やしているという意味ですね。
JTは15期連続で増配を繰り返していて、高配当銘柄としての地位があるというわけです。
JTへ注目が高まっている大きな要因はこの高配当という要素が関係しています。
高配当銘柄の株価が大きく下がると相対的な配当利回りが上がるため、今買っておけば長期的にお金を生んでくれるのではないかと考える人が増えるんです。
JTの配当性向(利益のうち、どれくらい配当にまわすか)は・・・
連続増配と共に上昇し、市場平均の30%を大きく上回る74.6%(予想)。
相対利回りは7%超えなので、国内企業で間違いなくトップクラスです。
悪くない収益力と財務健全性
JTの収益力や財務健全性はどうでしょうか。
各種指標は
- ROE:14.3%
- ROA:7.1%
- 営業キャッシュフロー:約4600憶
- 自己資本比率:47.4%
- 利益剰余金:約2.6兆円
- 有利子負債:約1兆円
と悪くない数字ですね。
難しい事業ながらも着実に成長してきただけあって収益性や財務にそこまでの不安はありません。
中小企業のROE20%超えや有利子負債0を見るとそう感じないかもしれませんが、これは悪い数字ではないでしょう。
少なくとも利益剰余金が有利子負債の倍あって、安定して数千億の営業キャッシュフローがあるので即座に倒産する危険性は少なそうです。
割安なPER
これだけの企業力を持っているJTの割安性はどうでしょうか。
2019年9月初めにおける、一般的に見る割安性指標は
- PER:10倍前後
- PBR:1.5倍前後
- PSR:1.7倍前後
- PCFR:8倍前後
とどちらかと言えば割安と言える水準です。
これだけ株価が下がってきたのですからまぁそりゃそうですよねって感じではありますが。
JTはこういった
- 企業の信頼性
- 魅力的な配当
- 悪くない収益力や財務
- 割安な株価
が注目を集めている要因だと思います。
JTの不安材料とは
では逆に、JTなんかやめとけ!と考えている投資家はどんなことを考えているのでしょうか。
月並みですが以下のようなことが考えられます。
本業の先行き不透明さ
JTの本業であるたばこ業は、正直言って時代の流れには逆行しています。
簡単に言えば健康を損なう恐れがあるものを商品として扱っているわけですよね。
健康ブーム、フィットネス、筋トレといったヘルスケア・セルフケアの時代に合っているかといったら難しい側面があります。
近年では電子たばこも発売されていますが、それも世界的に安全性は確認できないという流れにありますよね。
また、JTの商品より外国の商品が売れている背景もあるため、投資家的にも大丈夫?と感じる人は多そうです。
JTはそういった背景が先か後かはわかりませんが、外国企業のM&Aに注力しています。
内需株の印象が強いJTですが、実は海外売上高比率59%と半数を超える割合。
イギリス、エジプト、アメリカ、フィリピンなどの企業を買収し、最近ではバングラデシュを発表していました。
ロシアや台湾でのシェアトップを獲得しており、海外M&Aは今のところ成功しているようです。
しかし、これは売れない国内を飛び出すという意味では良いことでしょうが、
- 為替リスクの上昇
- 外国事業の動向
- 今後のM&A戦略
などの不安はあります。
通貨安の影響は考慮する必要がありますし、その輪が広がるほど外交問題も気になりますね。
日本の市場は衰退していくでしょうし、内需株と思っていると痛い目を見るかもしれません。
高配当利回りの潜在リスク
前述の海外M&Aの成功や国内の税金政策による値上げなどが話題に上がりつつも、JTの業績はあまり好ましくありません。
年々配当は上がっていますが、売り上げや純益は減少傾向にあります。
配当金は企業の利益から捻出するものですから、このままいけば減配となる可能性もあるでしょう。
今は配当性向70%ですが、配当維持のまま利益がどんどん削られれば配当性向100%なんてこともあり得ます。
現在の1株配当が154円に対して1株益は203円。
まだ1株益が上回っていますが、この50円ほどの差が今後どんなペースで埋まってくるかは気にするべきですね。
企業利益を切迫するほどの高配当はリスクであるという考えを根底に持っておきましょう。
もし実際に減配が発表されればさらに株価が下がる可能性もあるので、そういったタイミングが過ぎてもう少し立ち位置が決まってきた段階で投資したい方もいそうですね。
ちなみに2019年8月に上方修正が出されていますが・・・
売上高を下方修正し、子会社から配当をもらうことで純益の上方修正。
これってありなんですかね?なしよりのあり?
JTは買うべきなのか
色々と述べてきましたが、結論的にJTは買うべきなのでしょうか。
私はおそらく今のままでは買いませんが・・・そこは個人の考え次第。
ただ言っておきたいのは
- 買うにしても下げ止まりを狙うべき
- 全力で買ってはいけない
という2点ですね。
下げ止まりを狙う
そもそも下げているところを買ってはいけません。
買うなら下げ止まったことを確認してからです。現在のチャートは・・・
下降トレンドの真っ最中です。25日移動平均線も明確に超えて維持した場面もありません。
強い下降トレンドですので、少なくともこれが解消されてからが良いのでは?と思います。
2番底を確認したり、バリュエーションや時価総額、信用倍率を見ながら下げ止まりを考察するのは必須でしょう。
最初から全力で買わない
確かに現在の価格は割安感が出てきていて、JTがこの価格で手に入るのか!という印象はあります。
また、インカムゲインを狙うのだから値下がりしようと関係ないという意見もあるでしょう。
ですが、買い増しした株が片っ端から含み損になっていては長期的にホールドする気力が無くなってもおかしくはないのではと感じます。
また、効率的に資産を増やすのであれば少なくとも株価維持やキャピタルゲインも欲しい要素。
それにしても前述のような懸念がありますし、本業の業績がもっと回復してこないことには人気が集まらないのではないでしょうか。
株は人気投票なので、もっと人気のある銘柄に資金を入れたほうが良い気もします。
投資妙味という意味で買うのであれば
- 自分が損をしても良い範囲で
- 分割しながら
買うのが良いでしょう。
私なら、間違ってもこんな下げトレンドが明確な時期に全力買いはしません。
それを考えるのは市場からの人気が元に戻るような材料が出て、トレンド転換のチャートに近づいてきた時です。
少し前まで楽天も強い下げトレンドに見舞われていましたが・・・
- 5G
- キャッシュレス
- 米国リフト上場
など色々な材料が出たことでトレンド転換を果たし、現在はここまで戻しています。
単なる割安感では根拠に乏しいので、それに合わせて何かしらの材料を出してもらわないといけませんね。
まとめ
いかがでしたか?今回はJTがなぜ注目を浴びているのか、いつ買うべきかについて簡単に考えを述べました。
誰がどんな株を買うのかは自由です。自分が思ったように投資をしていけば良いと思います。
しかし何かしらの根拠やポイントを持って買っていくことが大事ですので、色々と考えてみてはいかがでしょうか。
関連記事には
などありますので、ぜひご参考ください。それではまた!