決算短信の三角(△)表記の意味とは!?黒塗りとの違いも知ってる?

    

当然ですが・・・株初心者のあなた!

決算短信というものをご覧になったことはありますか?

決算短信とはその企業が決算期の中で

  1. どういった業績を残したのか
  2. どのくらい収益があって
  3. どのくらい資産が増えて
  4. 支出の内訳はどんなものか
  5. 配当や未来の業績予想はどうか

などを株主の教えてくれるものです。

色々と難しい言葉で名称がつけられていますが、概要を簡単に言えばこんな感じになります。

その中で数字の横に見慣れない「△」の記号がついていることありませんか?

この記事では決算短信における△の意味やルーツをご紹介しました。

△にそんな意味があったのか!と驚かれるかもしれません。

    

決算短信の三角(△)の意味とは

まずはこちらをご覧ください。

決算短信の△

これはある企業の決算短信から抜き出してきた表です。

営業利益や経常利益、純利益を表す数字の横に「△」の記号がついていますね。

実はこの三角(△)は「この決算は赤字でした」という意味です。

この例の2019年12月第3四半期の営業利益であれば「2358百万円(23億5800万)の赤字でした、すいませんでしたぁっ!」という意味になります。

数十億も本業が赤字だなんて、株主にとってはとんでもないことですね。

しかし、バイオセクターにおける創薬ベンチャーなどではこういった△表記がつくことは日常茶飯事です。

超絶赤字会社ばかりなので見ていて清々しく、むしろ赤字が縮小していくかどうかで思惑が膨らんだりします。

ところで、ここで疑問なのは「なぜ素直にマイナス表記にせず、あえて△表記で決算短信を書いているのか?」ということですよね。

決算短信における三角(△)のルーツとは

決算短信に三角(△)表記が使われている意味やルーツには色々な諸説があります。

例えば、「決算短信の書き換えを防ぐため」なんていう理由は有名なものでしょう。

もし数字の横にマイナス(-)の記号があっても

  1. 一本線なので誤魔化しやすい
  2. 他の数字に書き換えたり、消すこともしやすい

と考えられませんか?

もちろん現代では決算短信はデジタル化されていて、そこに手書きの修正があったら目立ってしまいます。

それにデータそのものを変えないと意味がありませんから、△表記はデジタル化がなされていない時代でとられていた対策というわけです。

その他にも

  1. マイナスだと見落としやすい
  2. 記号を使うことで数字を見分けやすい

といったことがルーツではないかという説もあります。

個人的にはマイナスだと修正されやすいという意味がしっくりきますが、現代では「見落とし」という観点の方が考えやすいですね。

マイナス(-)表記よりも三角(△)表記で骨太に書いた方が確かに気づきやすいとは思います。

ちなみに決算短信における△は数学で使われるデルタだったのではないか、という説もあるようです。

しかし数学のデルタ表記は「差分」とか「変化量」の意味ですよね。

したがってマイナスという意味合いとは合致しないので、これはガセネタかもしれません!

決算短信の△と▲の違いは?

ところで決算短信・・・というか情報媒体によって「△」だったり「▲」で表記されているのをご存知でしょうか?

白抜きの△が「赤字」とか「マイナス」の意味なのは知っているけど・・・という方もいらっしゃるかもしれません。

実は黒塗り「▲」も同じ意味です。

白抜きだろうと黒塗りだろうと決算短信の三角は同じ意味ですので、難しく考えなくても大丈夫ですよ。

個人的な妄想ですが、

  1. 手書きで「▲」書くのは大変
  2. パソコン上で三角を変換した際に入れてしまった

のではないかなーと・・・。

黒塗り三角も昔からあったのかもしれませんが、だとしたら大変ですね。

確かに△より気づきやすいですが、手書きとなるといちいち塗りつぶすのは面倒な作業です。

媒体による表記の違い

企業が出す決算短信では△表記が一般的ですが、情報媒体によってはわかりやすく書いてくれている所もあります。

例えば、多くの方が見ている株探では・・・

このように素直にマイナス表記をしているだけでなく、

  1. マイナス推移は青文字
  2. プラス推移は赤文字

と色分けして視覚的にわかりやすくなっています。

これはデジタル化ならではのメリットですね!

ちなみに・・・

新聞の場合、小さな欄でもわかりやすく見てもらえるように

  1. マイナス推移:▲
  2. プラス推移:△

としていることがありますね。

この場合では白抜きの△と黒塗りの▲では正反対の意味になるので気をつけましょう。

決算短信に限れば△も▲も同じですが、場合によっては異なる意味になります。

また、「△」と「▼」で上下の方向性を表しているケースもあるでしょう。

もはや上下の概念までくると「矢印でやってくださいよ・・・」と思ってしまうのは私だけ?

もっと言えば、外国の決算書では(1234)といったマイナス表記もあるようですね。

私の感覚ではわかりづらくないかと思ってしまいますが、海の向こう側ではこちらの方が浸透しているのでしょうか。

決算短信のマイナス表記は△が推奨されている

色々と書いてきましたが、結局のところどの表記が推奨されているのでしょうか?

実は日本経済団体連合会(通称:経団連)のホームページでは「会社法施行規則及び会社計算規則による株式会社の各種書類のひな型」が掲載されています。

このひな型によると・・・

このようにマイナス要素となる表記に関しては「△」が用いられているようですね!

おそらく決算短信で△が主に用いられているのはここで推奨されているからでしょう。

媒体によって差はあるものの、やはり基本は白抜きの三角ということです。

まとめ

いかがでしたか?今回は決算短信における三角の意味についてご紹介しました。

三角が用いられる意味についても、表記の違いも色々あります。

ただ国内のマイナス表記としては白抜き三角がメインのようです。

基本知識として覚えつつ、媒体によって総合的に判断していきましょう。

関連記事には

がありますのでご参考ください。それではまた!