どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式投資は長期運用してなんぼの世界だという話を聞いたことがある方もいらっしゃると思います。
しかし、その一方で「日本株は長期投資に向かない」と言われることも多いですよね。
株は長期投資しなきゃいけないのに日本株は向いていないだなんて・・・一体どうすれば良いの?
そんな声が聞こえてきそうです。
日本株が長期投資に向かないという考え方は例えばSNSなどでも言われていますが、自分自身でその理由をちゃんと考えたことがありますか?
この記事では
- なぜ日本株が長期投資に向かないと言われるのか
- 実際のところどうなのか
- 日本株の売買を長期的にやっていく上で大切なこと
について考えを述べました。日本株に絶望している方はぜひご参考ください。
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なぜ日本株は長期投資に向かないのか理由を考える
日本株が長期投資に向かないという話はもはや何度も聞いたことがあります。
ここではそう言われる理由として大きなものを2つ考えてみました。
日経平均株価は何十年もバブル時の高値を更新できていない
まず最も大きな理由として挙げられるのは何十年もの間、市場が最高値を更新できていないという点ですね。
上記は日経平均株価の1985年~2020年における値動きを指数化したものです。
図の赤丸部分が史上最高値となっている38957円44銭で、これは1989年の大納会でつけた株価となっています。
ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、この時代はちょうどバブル絶頂期ですね。
そこからバブルが崩壊して2000年頃まで転げ落ち、その間に未曽有の大震災も何度か起きています。
政権交代もありましたし、サブプライムローン問題にリーマンショック、チャイナショック、ブレグジットなど世界的な大問題もありましたね。
紆余曲折ありながら頑張って戻してきたとはいえ、まだまだ最高値からほど遠い位置にあります。
一方で米国株もテロ問題など世界的な事件の影響を同様に受けてきたわけですが・・・
上記のように高値更新を続けていて、なおかつ高値の位置もかなり直近にありますよね。
同じ先進国でありながら、なぜこんなに指数が弱いのか・・・という考え方が「日本株は長期投資に向かない」とされる理由の1つではないでしょうか。
ちなみに中国株式市場(上海総合指数)も日本株同様に高値更新はできていません。
短期売買目線が本当に多い
指数の値動きが弱いという考え方とは別に、「日本の個人投資家は投機性を好む」という点も長期投資に向かないとされる理由ではないでしょうか。
投機とは「株価が上がるか下がるかわからない中で自分なりに短期的な値動きを切り取って差益を出す」という売買の考え方です。
要は短期売買ですから、
- 上がってもすぐ利益確定で売る
- 下がっても損切りで売る
という流れがあります。
売りタイミングが早いか遅いかというだけであって、結局どこかで売るわけですね。
買った株を利益確定なりで売ることは当たり前ですが、それにしても短期的な目線が強すぎて年単位で保有するという個人投資家が日本株には少ないのではないかと。
また、逆張りを好む風潮があるので「株価が上がったらとりあえず空売りをする」という文化も見受けられます。
この日本人の逆張り性は、日経平均株価が高値更新を続けるとダブルインバース(日経の値下がりで利益が出る商品)が爆買いされるという光景にも表れているでしょう。
買ったものは短期的に売るし株価が上がっても逆張り売りするので、そもそも長期投資をやろうという雰囲気が日本株には弱いです。
本当に日本株は長期投資してはいけないのか
では実際のところ日本株に長期投資することは間違いなのでしょうか。
結論的にはここ10年くらいの話で考えれば長期投資は正解だったと言えそうです。
その理由は、民主党政権後のアベノミクス相場から順調な右肩上がりできているからですね。
60ヵ月移動平均線に支えられて安値を切り上げながら上昇を続けています。
個別株の中にはパンパシフィックホールディングスやリクルートホールディングスなどの大型好収益株も出てきて、新時代を担っていく企業も市場に生まれました。
何を隠そう自分もこの相場に乗れた1人で、日本株の長期投資でも十分に儲けられたのが2010年~2020年の相場だったと感じます。
ただし、この背景には
- 育っている企業をしっかりホールドできたかどうか
- 長期投資という考えのもと売買をしていたかどうか
が根本的な土台としてあるはずです。
この10年で儲かった人は相場に助けられただけとは考えず、長期保有が株の醍醐味と認識しておきたいところではありますね。
直近10年よりも以前から長期投資していた場合はどうか
では2010年よりも以前から長期投資していた場合はどうでしょうか。
例えば20年前の2000年から長期投資を始めた場合を考えてみます。
先ほどの日経平均株価の推移を見てみると・・・
まず2000年からいきなり3年間は投資の怖さを知る期間ですね。
そこを過ぎれば2003年から2007年までは上昇相場となり、最初の3年間で買い増していた分の大部分が利益に変わる時期になります。
しかし、そこから再び2012年までの5年間は苦行があって2009年~2012年は底這い状態ですね。
ただし政権が自民党に戻るとアベノミクス相場が始まり、その後の8年間ほどは利益が出る時期となっています。
これらの流れをまとめると
- 3年~5年スパンで上げ下げを繰り返すボックス相場
- 上げ期間があるので、下げ期間に買っていれば利益確定のタイミングはある
と言えそうです。
下降トレンドではなくボックス相場なのでまだマシですが、
- 米国株の方が安心してもっていられそう
- 下げ期間に買い増しながら耐えるメンタルが必要
- 数年スパンで利食いを繰り返す必要あり
といった意味では確かに長期投資向きではないのかもしれませんね。
また、日本株と米国株のEPS(1株あたり利益)伸び率は
- 日本株:3~4%前後
- 米国株:7%前後
と言われているので、長期的にどちらの市場に資金を入れておいた方が良いのか考えると・・・米国株の方が良いだろうなとは思います。
ただし、じゃぁ米国株に乗り換えようと考えた時には
- 個別株に市場伸び率を上回る銘柄がどれほど多いのか(個別株をやる意義)
- 情報の仕入れやすさや国内情勢の掴みやすさ
などをしっかりと考えながら投資していかなければならないでしょう。
米国株の情報をちゃんと仕入れようと考えたら英語の情報も必要でしょうし、その国に住んでいるわけではないのでタイムリーに関心事もわかりません。
そう考えると最近どのような銘柄に時流がきていて、この先大きな市場になっていきそうなのかは日本株の方が捉えやすいです。
また、米国株だろうと結局は
- 長期投資できるメンタル
- 年単位でホールドできる握力
がなければ同じことでしょう。
それに手数料の違いや為替の影響もあります。
指数の弱さを考えて米国株で長期投資するのは得策ですが、根本的な要素も考えなくてはなりません。
日本株の長期投資で大事なこと
日本株の指数が弱いのは事実ですが、それでも国内市場で長期投資していく場合には「インデックス投資を組み合わせて運用する」ということが大事でしょう。
インデックス投資は投資信託やETF(上場型投資信託)を活用して様々な国の株式・債権・REITに投資できるものです。
例えば日本株に自分の采配で長期投資しつつ、
- 先進国の株式市場
- 世界中の株式市場
- 先進国の債券
- 先進国のREIT
にもお金を投じることができます。
またインデックス投資は毎月固定額の売買が可能なので、株式資金とは別に収入の一部から捻出できることもメリットです。
冒頭で見せたような何十年にも渡る米国株の指数上昇はインデックス投資で利益享受をして、日本株は数年スパンの長期投資を行うことも可能でしょう。
今後の日本株で長期投資するなら
直近10年間における日本株は上昇相場がきていますが、20年間における日本株の傾向としては数年スパンで上げ下げの波がきている状態でした。
もし数年スパンで日本株に長期投資をするのならやはり国策銘柄が一番やりやすいと思います。
国策とは国が政策として提案する経済活性案や問題解決策のことです。
例えば、市町村などでもどのようなことが問題となっているか地方新聞で取りあげられますよね。
同じように国も毎年どういった問題に予算を使うか考えて発表します。
そういった発表内容に関連した銘柄が国策銘柄として話題となり、実際にその恩恵を受けて業績が向上しやすいです。
例えば中小型株であれば株価が倍になることも珍しくないので、そういった銘柄を数年スパンで保有しておくこともひとつの考え方ですね。
国策は日本に住んでいるからこそ仕入れやすい情報のひとつですから、日本株で長期投資をする理由の代表的なものと考えられます。
自国に投資するメリットを生かして、長期的な推移を追っていきたいところです。
まとめ
いかがでしたか?今回は日本株が長期投資に向かないとされる理由を考え、そこから考えを述べました。
ここ10年においては日本株の長期投資は正解だったと思いますが、20年以上の話では確かに向いていないかもしれません。
過去には数年スパンで上げ下げする傾向もあるので、インデックス投資などを組み合わせながら買い時を探るのもおすすめです。
また、数年スパンで長期投資するなら国策銘柄が狙い目なので覚えておくと良いでしょう。
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