どうも、ひげづら(@higedura24)です。
大陽線の解説記事では、大陽線がダマシになるパターンを紹介しました。
<関連記事>
そのうちのひとつに「最後の抱き線」というものがあり、これはよく強さを表すローソク足の組み合わせと勘違いされます。
今回はそんな最後の抱き線について解説しましたので、ぜひご参考下さい。
最後の抱き線はトレンド転換のシグナル
ローソク足の組み合わせには「包み線」と呼ばれるものがあり、以下にその一例を示します。
包み線とは前日のローソク足を翌日のローソク足が包み込むようなパターンを言い、一般的には大陽線で包み込めば強いと考えるんですね。
しかし・・・
上昇トレンドの高値圏で出た陽の包み線は「最後の抱き線」と呼ばれ、トレンド転換の可能性を示唆します。
包み線の基本的な考え方から勘違いされやすいですが、上昇トレンドでは売りシグナルとなるので注意が必要です。
また、最後の抱き線には・・・
こういった大陰線のパターンもありますので覚えておきましょう。こちらは買いシグナルとなります。
最後の抱き線の意味合いとは
最後の抱き線はなぜ大陽線や大陰線で包み線を形成しているのに、トレンド転換シグナルになるのでしょうか。
最後の抱き線がどのような意味合いか考えるためには値動きの流れを追う必要があります。
例えば大陽線で最後の抱き線を形成した場合を考えてみましょう。
それまで上昇トレンドを維持し、それほど深い押し目を形成していなかったところに最後の抱き線が出ました。
ここで注目していただきたいのはオレンジ線の値動きです。
前日の陰線高値から大陽線安値まで一気に下る値動きが含まれていますよね。
最後の抱き線ではこの部分を「売りの強まり」と取っているわけです。
また、包み線となるためには大陽線がギャップダウンで寄りついたり、陰線安値より下で安値をつける必要があります。
- 陰線高値から下る値動き
- 陰線安値を下回る値動き
という事実が大陽線で最後の抱き線を形成した時の下落懸念事項です。仮にそこから・・・
こんな形で大陽線の安値を割るように陰線がきたらどうでしょう。
- 最初の陰線安値
- 大陽線安値
- 最後の陰線安値
の順に安値が切り下がり、よりトレンド転換の懸念が強まりますよね。
したがって、大陽線で最後の抱き線を形成した場合は「大陽線の安値を割り込むかどうか」が最終的な判断材料となるわけです。
最後の抱き線は状況によって印象が変わる側面はあるかと思いますので、自分なりに最後の審判を下すポイントを考えることが大事でしょう。
最後の抱き線の実例
では最後の抱き線の実例を見てみましょう。
これはあるグロース株のチャートです。ポイントは
- 赤枠:出来高を伴った上髭陰線で売り警戒
- 青枠:最後の抱き線
というところでしょう。見づらいので少し拡大します。
まず最初に赤枠で囲った上髭陰線は直近で最大の出来高です。
実はこの上髭高値ではPERが100倍近く、かなりの割高感が漂っている価格でした。
こういった背景から「新高値をつけたものの、割高感から売りに押される展開」となったことがわかります。
そこから若干株価を落としたところで、今度は最後の抱き線が発生していますね。
寄り付きこそギャップダウンしていませんが、安値は前日陰線の安値を下回っていて包み線の状況です。
出来高を伴った上髭陰線と同じく、最後の抱き線も売りを警戒するシグナルでしたよね。
同じ価格帯で複数の売りシグナルが発生している状況ですから、最後の抱き線の戻しを利用して手仕舞いを進める局面だと感じます。
その後の値動きは・・・
さらに新高値を更新するものの明らかに上昇力が弱そうな小幅ローソク足が続いています。
結果として再度売りに押される形となり、最後の抱き線の安値を割り込むほど戻す流れとなりました。
これは高値から約33%の下落で、上髭陰線や最後の抱き線の高値と比較してかなり下の価格帯です。
このように複数の売りシグナルを見つけたり、最後の抱き線前後の流れを意識することがポイントのひとつでしょう。
最後の抱き線かな?と感じたらそれを利用してポジション整理することはひとつの選択肢ですね。
まとめ
いかがでしたか?今回は最後の抱き線をご紹介しました。
判断が難しいこともありますので、それ単体ではなく複数シグナルや抱き線の安値高値も意識してくださいね。
関連記事には
がありますので、こちらもご参考下さい。それではまた!