信用倍率が低い銘柄をスクリーニングする簡単な方法と活用例

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

皆さんは株式売買をする際に信用買残や信用売残は見ていますか?

また、これらの割合を表す信用倍率を確認していますか?

信用取り組みを考える上でこれらの指標は非常に大事なもので、多くの方が気にしている部分でしょう。

そこで今回は信用倍率を活用したスクリーニング方法をご紹介します。

  1. 信用倍率スクリーニングの具体的な手順
  2. 信用倍率スクリーニングのメリットや重宝する場面
  3. 踏み上げ相場の狙い方

などがわかりますので、ぜひご参考下さい。

個人投資家が好きな新興銘柄の値動きにも深く関わる部分です。

    

信用倍率が低い(高い)とどうなる?

まず信用買残・信用売残・信用倍率について簡単におさらいしておくと、

  1. 信用買残:その銘柄における返済されていない信用買いがどれくらい残っているか
  2. 信用売残:その銘柄における返済されていない信用売りがどれくらい残っているか
  3. 信用倍率:信用買残÷信用売残

という意味ですね。

一般に信用買残は「株価が上がっていくと予想されている時に膨らむ」、信用売残は「株価が下がっていくと予想されている時に膨らむ」と言われています。

例えば、ある上昇トレンド銘柄Aがまだまだ上がるぞと捉えられている場合には「信用買いしてでも株を買おう!」という方が増えますよね。

したがって上昇トレンドと信用買残の上昇、下降トレンドと信用売残の上昇はマッチしやすいでしょう。

ただし、これはあくまで一般論として言われていることなので必ずしもそうなるわけではありません。

スクリーニングする少し前ではそうなっていても、銘柄をヒットさせた時点では

  1. 信用買残が上昇しているのに値動きが弱い
  2. 信用売残が上昇しているのに値動きが強い

ということもあります。

信用買残が大きい(信用倍率が高い)のに値動きが下降すると「しこりがある」と言われ、逆に信用売残が大きい(信用倍率が1未満である)のに値動きが上昇していくと「踏み上げ相場となる可能性」がありますね。

これは

  1. 信用買いの決済 ⇒ 売り
  2. 信用売りの決済 ⇒ 買い

なので、大きな決済が値動き方向と合致することで促進作用になるからです。

この「大きな決済」という点がポイントで、一般的には「10日もしくは25日平均出来高」よりも大きい信用買残や信用売残は

  1. 反対方向への値動きを妨げやすい
  2. 順方向への値動きを促進しやすい

とイメージできるでしょう。

ちなみに

  1. 25日平均出来高は「25日出来高平均線」
  2. 信用残と出来高の割合は「信用残売買高レシオ」

で把握可能です。

信用倍率と値動きを考えるためには単純に「信用倍率がいくらだからこうなる」と考えるのではなく、

  1. 少し前の値動きと直近の流れはどんなものか
  2. 値動きを変えた材料や思惑は何か
  3. それによって多く信用残を抱えた投資家はどう感じていそうか
  4. 信用残そのものの相対的な大きさ

など総合的に考えていくことが必要ではないでしょうか。

信用倍率で銘柄スクリーニングする方法

では、そんな信用倍率を使って銘柄スクリーニングする方法をお伝えします。

今回使うのは楽天証券のスーパースクリーナーです。

スマホ版でもPC版でも良いので、銘柄検索画面からスーパースクリーナーを選択して追加条件を押してください。

信用倍率でスクリーニング

楽天証券のスーパースクリーナーには

  1. 信用買残(銘柄属性ページ)
  2. 信用売残(銘柄属性ページ)
  3. 信用倍率(銘柄属性ページ)
  4. 信用残売買高レシオ(財務ページ)

という条件が用意されているので、これを追加条件に入れてあげるだけですね。

例えば、ものすごくたくさんの信用買残が溜まっていて信用倍率が高くなっている「買い長銘柄」を見つけたいのであれば

  1. 信用倍率:50倍以上
  2. 信用残売買高レシオ:5倍

などお好みで数字を調整しながら順々に入れていけば良いでしょう。

信用倍率のみスクリーニング条件に組み込んでも良いのですが、前述のように「相対的な大きさ」を担保するためには

  1. 信用買残の数値で時価総額をコントロール
  2. 信用残売買高レシオで相対値を確保

とした方が絞り込みやすいと思います。

株価暴落と信用倍率が高い銘柄

楽天証券のスーパースクリーナーで信用倍率スクリーニングを行うメリットはその他の条件と併用できるという点でしょう。

例えば、株価暴落時に「地合いに押されて下げている高収益銘柄を探したい」と考えたとします。

高収益という条件をクリアするためには

  1. 売上高変化率
  2. 売上高営業利益率
  3. ROE
  4. ROA

などなど収益性に関連する条件をスクリーニングに付け加えるはずです。

ただし、暴落要因が後退した時のリバウンドを狙うという観点では「高い信用倍率」は邪魔ですよね。

なぜなら暴落後にリバウンドしたとしても

  1. 高値圏で信用買いをしたあと暴落に巻き込まれた人が同値撤退してくる可能性
  2. 戻り売りを狙われる可能性

の影響が大きくなるからです。

例えば・・・

信用倍率が高い銘柄

この銘柄は信用倍率が50倍を超えるような状況で地合いと共に暴落し、そのあとに上方修正が発表されました。

本来なら株価を戻してくれても良さそうですが、赤枠部分では寄り天で大陰線を引いています。

翌日以降に少し値を戻したものの、中々暴落前の水準には戻れません。

あくまで可能性ではありますが、内部的には

  1. 上方修正を利用して信用買いを撤退している
  2. 上方修正を利用して戻り売りされている

といった可能性があるでしょう。

こういった銘柄を避けるためには、先ほど紹介した

  1. 信用倍率
  2. 信用残売買高レシオ

などの条件も組み込み、例えば「信用倍率が数倍以下」となっている銘柄に絞り込むことも有効です。

こうしてあげれば収益性が高いだけでなく、信用買残が株価の戻しを阻害する可能性の低い銘柄を探しやすくなるでしょう。

信用倍率が高いから株価が絶対に戻せないわけではないですが、一種の下落リスクを排除する考えとなります。

信用取り組みが偏っていると需給に悪影響と及ぼしやすいので、暴落時以外でも役に立つ考え方ではないでしょうか。

踏み上げ相場の前兆を掴む方法

前述のスクリーニング方法では、「信用倍率を1未満かつ信用残売買高レシオをマイナス何倍」とやれば空売りがたくさん溜まっている「売り長銘柄」を見つけることも可能です。

売り長銘柄を見つける意図は「踏み上げ相場」といって空売りが大量に損切りされることで生じる株価上昇を買いで捉えることでしょう。

ここで言うところの「踏み上げ相場」とは

  1. 大量に空売りされる
  2. 空売りを残したまま株価が上昇する
  3. 空売りした人の含み損が膨らむ
  4. 耐えきれずに空売りを損切り(買い決済)する
  5. 大量に買い決済が生じて株価が上がる

といった流れです。

したがって、信用倍率スクリーニングで売り長銘柄を見つけることに加えて

  1. 直近に強い値動きがある
  2. 上昇トレンドが生まれている

といった銘柄を拾い上げる必要があります。

信用倍率関連の条件でヒットさせた銘柄の値動き過程をひとつずつ見ていくことが望ましいですが、手っ取り早く強い値動きを探すのであれば「移動平均線からの乖離率」を追加条件に組み込めば良いです。

例えば25日移動平均線から大幅乖離している銘柄に絞り込めば、空売り勢が上昇相場で苦しんでいる可能性は高くなるでしょう。

また、踏み上げが生じる確率を考えるためには

  1. 時価総額はどれくらいなのか
  2. 空売りが出来高に対してどの程度溜まっているか
  3. 空売り勢がひるむような強い材料はあるか

などの要素も重要ですね。

ただ、感覚的に株価の暴騰が止まらないような踏み上げ相場は滅多に起こらないでしょうし、踏み上げ期間もいつの間にか終わっていることも多い気がします。

株価を急騰させるなら常軌を逸したレベルで空売りが溜まって、なおかつそれが一気に解消されないとダメなのかもしれません。

踏み上げの前にはそれなりの上昇も必要なので、全員参加型の相場で強い思惑がある状況が重要なのでしょう。

信用取引の決済期日による踏み上げ

踏み上げは上昇相場以外にも「信用取引の決済期限」によって引き起こされる可能性もあると思います。

通常、信用売りは取引から半年以内に決済しなくてはなりません。

そのため期日が近くなれば嫌でも買い戻しする必要が出てきます。

このシステムを利用するならば、

  1. 大幅に信用売残が増えた時期を見つける
  2. そこから半年後を目安にしておく
  3. 期日が近づいても大量に信用売残が残っている銘柄をチェック

という流れでしょう。

ちなみに楽天証券の場合、信用買残および売残は週足チャートにてチェックできます。

例えば、地合いが急激に悪化したタイミングから半年経過する直前にスクリーニングを行い、気になる銘柄は週足ベースにて監視を行ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがでしたか?今回は信用倍率を活用して銘柄スクリーニングする方法をご紹介しました。

例えば暴落時のリバウンド狙いや、踏み上げ相場の前兆を捉える際に役立つ方法だと思います。

ただし、ヒットした銘柄は全て良いのではなく値動き過程や信用残の相対的な大きさを考えることも重要です。

楽天証券のスーパースクリーナーはその他の条件と組み合わせることでかなり有効なスクリーニングが可能なので、ぜひご参考下さい。

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