株で分散投資するなら銘柄数の適正値はデータ上どれくらいか資金別に考えてみた

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

個人投資家は資金力の関係上、複数銘柄に分散投資することがしづらいですよね。

また、そこに分割購入という考え方が入ってくるとさらにつらいものがあります。

そこで今回は、「個人投資家が分散投資する場合にどれくらいの保有銘柄数が適正なのか」を資金別かつ一定の条件のもと考えてみました。

この記事に書いた内容を自分の状況下によって変化させていけば、多少は分散投資する際の手助けになると思います。

1銘柄あたりの購入回数にもよりますが、大体どれくらいなのかご参考下さい。

    

株で分散投資するなら銘柄数はどれくらいか

最初に「分散投資をしながら株を買うための適正銘柄数」を考える手順をお伝えします。

  1. 上場銘柄の株価分布をざっくり出す
  2. 資金別に平均株価が1単元でどれくらいの割合か見る
  3. 分割売買を考慮しつつ、分散銘柄数の適正値を考える

この手順で考えた場合、結論的には資金100万に対して2銘柄くらいが適正な保有銘柄数だと思いました。

ではなぜその結論に至ったのか順番に見ていきましょう!

上場銘柄の株価分布と平均値をざっくり出す

最初に2019年12月6日時点における、上場銘柄の株価分布をざっくりと出してみます。

どうせ日々の値動きで株価分布はどんどん変化していくので、ざっくりと出せばそれで良いのではないかと。

株価分布を調べるツールは楽天証券のスーパースクリーナーです。

スーパースクリーナーの検索条件に「投資金額」があるので、

  1. 0~10万
  2. 10~20万
  3. 20~30万
  4. 30~40万
  5. 40~50万
  6. 50~60万
  7. 60~70万
  8. 70~80万
  9. 80~90万
  10. 90~100万
  11. 100万以上

でそれぞれどれくらいの銘柄数がヒットするか調べてみましょう。

ちなみに株価で検索しない理由は、1単元あたりの株数の関係かわかりませんが多少のズレが生じたためです。

また、今回は市場を

  1. 東証一部
  2. 東証二部
  3. マザーズ
  4. JASDAQ

に限定しています。

この条件で銘柄数分布をざっくりと調べた結果は・・・

こんな感じになりました。

これを見た感じでは「全体の8割以上は投資金額30万円の間に入ってくるような分布」です。

銘柄数の分布から考えると

  1. 20万あれば全体の65%くらいは買える
  2. 30万あれば82%くらいは買える

という感じでしょうか。

ちなみに1回あたり0~25万の投資金額で銘柄数を見てみると、75%の割合となりました。

まぁ75%の銘柄数を買えれば十分なので、今回はとりあえず「25万を1単元あたりの購入金額」として考えて進めます。

資金別に25万円がどれくらいの割合か見る

では25万を基準とした場合、資金別にどれくらいの割合となるのか見てみましょう。

当然ながら資金が25万しかなければ1回しか買えず、フルポジションとなりますね。

資金が増えるほどポジション比率は下がるので、それだけキャッシュ比率が高まることがわかります。

25万という数字が資金の25%以内(4分の1)に収まるのは100万円からです。

1銘柄に対して4回に渡って分割購入できる計算というわけですね。

ただし、後述するように複数銘柄に対して分割購入しつつ、さらにキャッシュも残すような考えだと100万の資金でも十分な分散投資はできないかもしれません。

分割売買を考慮しつつ、分散銘柄数の適正値を考える

では先ほど出した表に、分割購入の欄を追加してみましょう。

1銘柄に対して2回・3回・4回と分割購入した場合に、資金に対してどれくらいのポジション割合になるかを示しました。

100%を超えてしまう場合には不可として線を引いてあります。信用取引をすれば可能ですが、該当資金欄で見れば同じことなので現物取引を前提に記載しました。

表を見ると資金50万円で分割購入する場合、2回までしかできません。

資金100万ともなれば1銘柄に対する分割数も増えてきますので、フルポジションの場合なら2銘柄に資金も回せるでしょう。

資金が200万や300万になれば株価が2500円以上になってきても、それなりに自由度があってやりやすそうだなと感じます。

25万基準に考えると上記の表になりますが、株価が小さい場合には話は別ですね。

ではいよいよ、ここに分散投資の要素を入れていきます。

この表は分割購入回数を2回に限定して算出しました。

資金75万までは複数銘柄に対して2回ずつ購入することはできず、現物で分散投資はできないわけですね。

また、1ロット25万で複数銘柄に現物で分割購入する場合は、資金100万でもカツカツの状況になりやすいですね。

言い換えれば75%以上の銘柄に対して現物で分割購入しながら分散投資する場合、資金は150万くらい必要なのかもしれません。

これだと悲しすぎるので、一応1回あたりの購入金額12.5万円で分散投資を考えてみましょう。

ちなみに投資金額12.5万円は全体の45%ほどにあたります。

その結果、単純にポジション割合は2分の1になりますから・・・

このような表に変化します。

例えば株価1000円くらいまでの銘柄を狙うのであれば、資金50万でも2銘柄に対して2分割購入などできそうですね。

また、地合いが良いときに限って信用取引でレバレッジ2倍までかけてあげれば、資金50万でもそれなりの銘柄数に対して分散投資しながら分割購入できそうです。

もっと言えば、実際の相場では等間隔のロットで分割購入しなくてもいいわけです。

その場合は銘柄数や分割回数を調整して、より有利な取得単価を狙う戦略もアリですね。

ここまでの結果を色々と加味すると、資金別に分散投資を考えた場合の適正銘柄数は・・・

株における分散投資の適正銘柄数

こんな感じで増えていくイメージになりました。

上記の銘柄数は1回あたりの購入金額が25万円くらいの想定ですね。

分割購入を考えると少し多めに設定していますが、

  1. 株価1250円くらいまでを狙う
  2. 適度にレバレッジをかける

のどちらかを考慮するのであればこれくらいになるかな?とは思います。

ただし、現実的に信用取引で中長期売買は難しいですし、株価1250円の縛りもキツイですね・・・。

そう考えると資金が小さいほど下手に信用取引を使ったり銘柄を無駄に分散せず、これだと思う銘柄のみに資金を入れた方が良いかもしれませんね。

資金が増えてくると分散投資しやすくなるので、安値で買って半ば放置する銘柄も出てきますが

  1. 100万あたり1~2銘柄
  2. 500万くらいまでは6銘柄前後

が現実的なラインではないでしょうか。

こればかりはケースバイケースでしょうが、実際には株価がじわじわ上がってくれば買い増しも考えるはずです。

資金が100万増えるごとに倍々で分散銘柄数も増やせれば良いのですが、資金が増えたからといって常態的にフルポジを取っていくということも怖すぎる。

レバレッジに対する考え方・株価・手法・時間軸にもよるのでなんとも言えませんが、資金が増えるほどキャッシュ比率も意識しないといけないと感じます。

保有銘柄数が増えると自分の考えに反して、意外な銘柄が急騰することもありますよね。

その際にキャッシュがなければ買い増しも難しくなるんですよ。

色々と書きましたが、結局は常に自分が考えたセオリー通りに銘柄数を維持していくことは難しいわけで、大事なことは

  1. 自分の資金やレバレッジ許容度がどれくらいなのか
  2. 現物メインでいくのか、信用パンパンでいくのか
  3. 分散投資か集中投資か
  4. 最大保有銘柄数は決めておく
  5. キャッシュは適度に残して、イケる!と思った銘柄には投入する

ということが重要ではないでしょうか。

株価分布は3000円くらいまでが多いわけですが、分散投資における銘柄数は

  1. 買いたい銘柄がいくらか
  2. 資金はいくらか
  3. レバレッジはかけるのか

によって大きく変わるので、適正値を考えるのも難しいですねー。

少資金の悩みを解決する方法

今回は株で分散投資する場合、保有銘柄数の適正値がどれくらいなのかを資金別に考えてみました。

1回あたりの購入額を25万とすると、少資金ではなかなか分散しづらいのが現状です。

株価1250円くらいまでの銘柄を狙ったり、レバを適度にかければ少しは分散投資もやりやすいでしょう。

それを加味すれば、個人的には「資金100万に対して2銘柄くらい」が適正だと思います。

資金が増えればそれだけ色々な銘柄を持てますが、キャッシュ比率も意識することが重要ですね。

余力があれば急落へのリスクヘッジにもなりますし、思わぬ銘柄が上がってきた時の買い増しにも使えます。

自分が分散投資と集中投資どちらを重視するのか、もしくは狙っている銘柄の株価にもよりますが今回の結果を参考にしてみてはいかがでしょうか。