皆さんは株の売買をする際にシナリオを考えていますか?
シナリオを考えた上で株の売買をすることはとても大事で、シナリオが売買方針でもあり損切りや利食いの決断を下す材料となります。
この記事ではそういったシナリオを決めた株の売買をテーマにお話し、
- シナリオとはどういったものか
- どういった点が大事なのか
という内容になっています。
値動きのストーリーを特に考えたことがないという方はぜひ一度ご検討してみてはいかがでしょうか。
株のシナリオ売買とは
まず簡単に株のシナリオ売買についてお伝えしておきます。
株のシナリオ売買とは
- 株価の動きや材料を知った上で自分がどう感じるか
- 現在の状況はどのようなフェーズでこれからどういった方向に進んでいきそうか
といったことを考えて売買することです。
なんだか難しそうだなと感じるかもしれませんが、実はこれって当たり前のことですよね。
なぜなら何も考えず「株価が上がりそうだなぁ」というなんとなくの売買は上がるか下がるかのギャンブルに他ならないからです。
そうではなく普通は
- この値動きのこういった点が気になるぞ、もしかしたらここで底打ちになるのではないか
- 直近のこの部分で材料が出て雰囲気が変わったぞ、トレンド転換するかもしれないな
- よく見たら出来高も一気に増えているな、買い手が集まっているかもしれない
- これだけ業績や進捗が良いのになぜか下がっている、次の四半期決算に向けて見直されるかも
など自分なりの考えを持って売買をしますよね。
シナリオ売買というのは本当にこれだけのことで、至って当たり前のプロセスでもあるでしょう。
というわけで簡単な例を出してみます、こちらをご覧下さい。
このチャートはある銘柄の週足チャートです。これを見て感じるのは
- 図の赤枠部分で上ひげが連続して出ている
- 上ひげは一般的に弱い値動きだから一度下げそうだ
ということですね。しかし、この銘柄が
- 業績は毎通期で増益となっている
- 週足・月足ともにまだまだ上昇トレンドが継続されている
- バリュエーション的にも過熱感はそこまでない
といった要素を持っていた場合には例え株価が下げてもまた注目される可能性は高いでしょう。
したがってこの銘柄で考えたい基本シナリオは
- 短期的には株価が一度下がるだろう
- しかし、その下げは押し目となりまた反発する
- 押し目の深さを見極めて買いポジションを取る
- 四半期決算を目安に保有判断をしていく
といったものですよね。
株のシナリオを考える上で大事なこと
例えば前述のように株の売買ではシナリオを考えて売買するわけですが、いくつか注意点があります。
長期視点と短期視点
まず考えたいのは基本的に長期的な目線でシナリオを考えたいということでしょう。
先ほどの例であれば
- 今後も増益が続く
- 業績に基づいて株価が上がっていく(高値更新する)
というのが長期目線のシナリオで、その中に上ひげから調整が入るという短期シナリオがあります。
自分が取るべきポジションは株価の最終的な行き先である長期目線のシナリオに沿ったものでなくてはなりません。
したがって私は日足より週足、週足より月足という具合により長期的なトレンドを重要視するようにしています。
米国株を長期的に買い続けている方をよく見かけますが、あれは
- アメリカ経済が世界の中心である
- 今後の数十年でアメリカが衰退するとは思えない
- 何十年も続いている長期的なトレンドは揺るがない
といった長期目線に沿った売買ですよね。
だからこそどんなに米国株式市場が下がってもそれは買い場でしかないわけで、アメリカが世界で最も強い経済であり続けるという長期シナリオがある限りいつまでも保有できるのでしょう。簡単に言えば短期的に下がっても長期目線で上がるなら買いというわけですね。
個人的なイメージとしては
- 長期シナリオ:ファンダメンタルズ分析
- 短期シナリオ:テクニカル分析
といったものがあり、特に業績や将来的に待ち構えている大きな材料を重視して長期シナリオを考えながら短期的な値動きで買い場を探ります。
売買時間軸に合っているか
ただし、いくら長期的な目線が上昇トレンドであっても、自分が予定している売買時間軸が数日や数週間といった比較的短いものであれば意味がないですよね。
利益を得るためには自分が保有している数日や数週間で株価が上がればそれで良くて、極論を言えば長期的に下げトレンドでも構いません。
大事なことは自分の時間軸にとっての長期シナリオを考えることで、場合によっては数週間の動きが長期トレンドとなることもあるでしょう。
私は現物で気長に持つということをするタイプなので前述のようにかなり長い時間軸のトレンドを重視しますが、デイトレなどド短期メインの方は日足を長期時間軸として分足を見るということも必要でしょうね。
複数のシナリオを用意する
最後に元も子もないことを言いますが、シナリオはあくまで私やあなたが考えただけの妄想にしか過ぎません。
だから当然外れることもあれば自分の意に反した突拍子もない状況に飛躍することもあります。
そのためよく言われるのは
- 自分の理想とするシナリオ
- 理想ではないけど現実的なシナリオ
- 最悪の事態となるシナリオ
という具合に複数のシナリオを想定しておくことも大事です。
当然、それぞれのシナリオに対して自分がどういった投資行動を取るのかまで考え、時間が経過した際には最も近いシナリオに合わせて行動します。
例えば前述のように好業績を想定したシナリオであれば
- 理想:過去の増益率をはるかに上回って株価が大きく反発
- 現実:大体いつもと同じような増益率
- 最悪:増益どころか大幅な減益となり長期的な節目を割り込んだ
というものを描き、それぞれに対してホールド・利食い・損切りを設定するわけですね。
正直言ってシナリオのぴったり合うということはあまりないのですが、目安をあらかじめ作ることで売買ごとにけじめがつきやすくなります。
まとめ
今回は株の売買とシナリオという内容でお話しました。シナリオを考えると聞くと難しく感じますが、実はごくごく当たり前のことです。
シナリオがあることで自分がなぜその銘柄を買うのかはもちろん、どうなったら売るのかも考えやすくなります。
当然ながら必ずシナリオ通りに株価が動くわけではありませんが、あらかじめ場合分けしておくと焦りは減るでしょう。
シナリオ売買を続けていけばいずれ自分にとっての鉄板サクセスストーリーが見つかるかもしれませんので、ぜひお試し下さい。