出来高を伴った安値高値は割り込んではいけない!その原理とは?

    

前回記事は「利益確定目安!日足高値が影響した例から手仕舞いメリットを考察!」でした。

安値高値は株式投資において非常に重要です。なぜなら株価が値動きする際のサポートやレジスタンスの役割があるからですね。

また、一度ブレイクした安値高値はレジサポの役割が逆転するのでその後の値動きにも影響を与え続け、その傾向は大きな出来高を伴った安値高値ほど顕著です。

つまり一度形成された安値高値は転換点として作用し、買い方の場合は「出来高を伴った安値を割り込まないかどうか」が重要な観察ポイントと考えられます。

この記事では

  1. 出来高を伴った安値を割り込んではいけない理由
  2. 出来高を伴った安値を割り込んだらどうなるか

を解説しました。

    

出来高を伴った安値高値の意味合いと効力

そもそも「出来高を伴う」とはどういった意味でしょうか?

出来高がカウントされるためには売り注文と買い注文がぶつかって約定する必要があります。

したがって、「出来高が大きいローソク足」ということは「そのローソク足の中でたくさんの人が売り買いをしてポジションを持った」と言い換えることができますよね。

当然、同じ人が何回も売買している可能性もありますし、必ずしもその出来高の分だけポジションが生まれているとは言えません。

しかし、その価格帯でそれだけ売買がなされたということは多くの投資家が意識するということに変わりはありません。

ゆえに出来高が爆発的に膨らむと

  1. たくさんの人がポジションを形成した
  2. 投資家の注目が集まった

という状況になります。これがチャート上でかくっと折れ曲がる様な部分であった場合には「出来高を伴った安値高値」だという要素も加わってくるわけです。

例えるならこんな感じですね。

このチャートであれば赤枠部分で爆発的な出来高を伴った安値高値が形成されています。そのため、当面のレンジとしては・・・

このように赤枠部分の上ひげと下ひげによって形成されるのかなと考察できるわけです。実際にその後のレンジは・・・

大体は先ほどのレンジを意識したような値動きになっています。

出来高を伴った安値を割り込んではいけない理由

出来高を伴った安値高値は、前述のようにその後の値動きに大きく影響することがおわかりいただけたかと思います。

ここからが本題なのですが、買い方の場合になぜ出来高を伴った安値を下回らないかを観察する必要があるのでしょうか?

答えはシンプルで、出来高を伴った安値を割り込むと

  1. その安値形成のローソク足でポジションを持った投資家全員が含み損になる
  2. 注目を浴びていたローソク足を割り込むことでセンチメントが悪化する(買いづらくなる)

ことが理由です。例えば、ボックスチャートで考えてみましょう。

ボックスチャートでは長い期間一定のレンジを保っているほど安値高値の信頼性が上がる特徴があります。そのためレンジ安値にくると、例題チャートのように出来高を伴った安値が何度も形成されやすいんですね。

つまり何度も何度もその安値(価格帯)で色々な投資家がポジションを持つわけです。そして「どうせまた反発してボックス高値までいくんでしょ」とみんなが考えます。

そういったタイミングで、出来高を伴った安値を割り込むと

  1. 安値で安心して買った全員のポジションが含み損に変化
  2. 割り込まないと思っていた安値を割り込んで一気に不安になる

という状況に一変しますよね。つまりチャートは・・・

このように変化することが多いわけです。ホールドされていた玉まで投げ売りされ、出来高を伴った下落が生じていることがわかります。

今回はボックスチャートの例を解説しましたが、この考え方はトレンド中でも同じでしょう。

出来高をしっかりと伴って支えが入ったのに、その安値を割り込むと投げ売りが起こる可能性があるということ。

日中値動きを見ていても、前場の重要な安値を割り込むと下落が進み、その日はもう復活できなかったりしますよね。

出来高を伴った安値は損益状況や心理状況が変化する分岐点となりやすいんです。

まとめ

いかがでしたか?今回は出来高を伴った安値高値の重要性と、そこを割り込むことで起きる現象について解説しました。

投げ売りは多くの投資家が含み損になったときに生じるものです。持ち株の出来高を伴った重要な安値はしっかりと把握しておきましょう。

次の安値高値に関連する記事は「サポート・レジスタンスラインの引き方!ゴムをイメージしましょう。」です。

それではまた!