バイオ株の特徴とは!赤字でも倒産しない理由や新薬ができる流れも解説!

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

個人投資家から人気のあるバイオ株。いわゆる創薬と呼ばれるバイオベンチャーや製薬会社の株を指すわけですが、初心者さんは単に値幅が大きいのが魅力としか知らない方も多いのではないでしょうか。

実はバイオ株というのは

  1. 一般に値幅が大きいのは創薬系のバイオベンチャー
  2. 創薬系の中小企業の場合、万年赤字も珍しくない
  3. 新薬を開発するためには10年以上かかることも珍しくない

といった特徴もあるのはご存じですか?

そこで今回はバイオ株の特徴を簡単にご説明するとともに、よくIRなどで出てくるロイヤリティ収入など単語の意味も併せてご説明します。

この記事を読めばバイオ株を長期保有しようとは考えづらいはずです。

    

バイオ株の特徴とは?万年赤字が当たり前

バイオ株とは医薬品セクターに属している創薬・製薬会社の株式を指します。個人投資家に人気があるのは創薬と呼ばれるバイオベンチャー。

つまり新薬を開発する側の会社で、直近ではアンジェスやサンバイオ、オンコリスバイオなどが有名ですね。

バイオ株の値動きは

  1. 新薬の思惑が発生するとたちまち急騰し、短期的に何倍にも株価が跳ね上がる
  2. 株価が天井をつけると急落し、株価が元の水準まで戻る
  3. 急騰や急落のトリガーには増資や治験の進捗などIRが絡むことが多い

といった特徴があります。

この短期的な暴騰が個人投資家から人気を博している理由ではないかなと感じるわけですが、逆に言えば多くの個人投資家がその暴落に巻き込まれてしまう裏付けでもありますね。

私も急騰で儲けたり、急落で損したりとバイオ株には色々な思い出がございます。

急騰に絡む材料としては「新薬に関する思惑」が最も有力で、値動きの原動力です。

短期目線で売買している方はそんなこと思わないでしょうが、厳密に言えば「新薬の開発に成功して、それがたくさん売れれば業績が大幅に改善して株式の価値も上がるのではないか」と投資家達が考えているわけですよね。

新薬とは文字通り新しい薬で、難病など今までは薬で治らなかった疾患が治るようになればそこに新しい市場が生まれます。そういったことを会社側も狙っているのでしょう。

ただし新薬の開発には膨大な時間と資金が必要になるので、市場に出回るまでは赤字に苦しめられる中小企業も少なくないのが現実です。

また、自社だけでなく様々なバイオベンチャーの技術やノウハウ、開発のネタになりそうな成分が必要で、買収や共同研究なども行います(だからこそ上昇局面でぽんぽんと材料が出てくるわけですが・・・)。

まとめるとバイオ株には

  1. 新薬の開発に膨大な時間と費用がかかる
  2. それに伴い業績が赤字続きになる企業が多い
  3. 新薬の開発が成功するかも黒字化するかもわからない
  4. 他社との共同研究や、場合によっては子会社化でも資金が必要

というリスクが内包されているわけですね。

バイオ株の収入とは?赤字なのに倒産しない理由

これだけ聞くと「なんで赤字企業が倒産せずにやっていけるの?」と不思議ですよね。

バイオ株と呼ばれる会社が新薬を開発して市場に売り出すまでには大まかに以下の流れがあります。

  1. インビトロ検査:試験管レベルでの効果を確認。特許申請。
  2. 大手との提携:インビトロ検査の結果を材料に大手製薬会社とアライアンス契約
  3. 前期臨床試験:動物実験による非臨床試験で成果を積み重ねる。治験申請へ。
  4. 後期臨床試験:治験第Ⅰ相:少数の健常者で効果検証
  5. 後期臨床試験:治験第Ⅱ相:少数の疾患者で検証
  6. 後期臨床試験:治験第Ⅲ相:多数の疾患者で検証
  7. 治験結果をもとに製造販売申請
  8. 大手製薬会社が販売

外部参照サイト:日本SMO協会

実はこの流れの中で、提携先の大手製薬会社から色々な形でお金をもらうことができます。収入の種類としては

  1. 契約一時金:アライアンス契約を結ぶことでもらえる一時金
  2. マイルストーン収入:動物実験で成果が出るたびにもらえるお金。販売に進むにつれて段階的にお金がもらえる。
  3. ロイヤリティ:新薬の売り上げに応じてもらえるお金。

が一般的です。

また、増資を行って株主からお金を集めたり、銀行から借り入れをすることもあるでしょう。

バイオ株は赤字ではありますが、

  1. 断続的に入る収入
  2. 他社からの出資金
  3. 増資
  4. 借入金

などをやりくりして事業を続けている背景があるというわけですね。

ちなみに株価水準から考えると、そもそもバイオ株が赤字なのは当たり前ですので株価に業績は織り込まれていると考えられます。

企業価値が株価に内包されているからこそ通常時は大した値動きはなく、急騰しても再び企業価値が織り込まれている水準まで元通りになるのでしょう。

もし本当にどうにも動けない状態となれば大手製薬会社などに吸収してもらうことも考えられますね。

バイオ株との付き合い方とは?

ここまでバイオ株について色々とお話してきましたが、初心者さんに知ってもらいたいのは「バイオ株は大きく儲けられる反面、企業的にも値動き的にも相応のリスクがある」ということです。

新薬の開発も事業継続も決して順風満帆とはいかないので、新薬が売り出されるまで長期保有しよう!なんてことは間違ってもやらないようにしてください。

そもそも市場に出回るかもわからないですし、出たとしても「販売までに業績が株価に織り込まれ、材料出尽くしで暴落」というパターンも十分に考えられます。

そうならないようにもっと効率的な活用を考えるべきで、選択肢としては

  1. そもそもバイオ株の売買は避け、他の株に投資する
  2. バイオ株は値動きが活発化したときのみ売買し、デイトレや短期スイングで済ませる

のどちらかでしょう。

バイオ株は短期的に儲けられるポテンシャルがあるので、初動もしくは初押しを狙って売買するのがおすすめです。

バイオ株で有名な銘柄はあらかじめリスト化しておき、急騰したら

  1. 材料が出ていないか
  2. 急騰位置
  3. 出来高

といったことを確認していくと良いですね。

ちなみにバイオ株を選定する際には

  1. 現状のパイプライン(新薬の開発内容)にどのようなものがあるか
  2. 新薬は治療薬なのか進行を遅らせる薬なのか
  3. パイプラインで期待される市場や対象疾患の母数
  4. パイプラインの進捗
  5. パイプラインを提携している大手製薬会社はどこか
  6. 大手製薬会社の販売網
  7. 市場規模、期待される薬価、類似薬品の有無
  8. 増資の頻度

などを加味するのがおすすめです。

まとめ

いかがでしたか?今回はバイオ株についてお話しました。

解説と言えるほどのものではありませんが、ご参考いただけたらと思います。

他にも

  1. 【株と業種別特徴】セクターごと知っておくべき点をまとめました!
  2. 株の業種(セクター)の特徴と超絶実用的な活用方法を解説!

といった記事で特定業種について書いてます。こちらも併せてお読み下さい。

それではまた!