自動車セクターは株初心者におすすめできない?業種の特徴を考察!

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

株式投資を始めてすぐは、まずご自身の生活に関係する企業に投資しようと考える方も多いでしょう。

その考えでいくと好きな食べ物や嗜好品、よく使うサービスなどが候補に挙がりますよね。

特に男性では「自動車セクター」に興味を持たれる方も多く、「試しにトヨタ自動車の株を買ってみた!」なんて初心者さんにお会いしたことがあるくらいです。

そこで今回は「株式投資初心者に自動車セクターはふさわしいのか」というテーマで考えてみました。

業種によって色々な特徴がありますが、自動車産業にどんなことが言えるか一緒に考えてみましょう。

    

自動車セクターの特徴とは

株式投資の世界には「業種」や「セクター」という考え方があります。詳しくは

株の業種(セクター)の特徴と超絶実用的な活用方法を解説!

をご覧ください。

業種といっても様々なものがあり、それらの特徴は株価の動きに大きく影響します。特に考えた方が良いと感じるのは

  1. 景気に左右されやすいか
  2. 為替に左右されやすいか
  3. 製造・生産コストが大きいか
  4. 利益率は大きいか
  5. 顧客やユーザーの回転率は高いか

といったことです。これらは業種の安定性や成長性はもとより、財務安全性や事業リスクに関係する可能性が高いのではないでしょうか。

これらの観点から自動車セクターを考察してみると、

  1. 景気に左右されやすい
  2. 為替に左右されやすい
  3. 製造・生産コストが大きい
  4. 利益率それなり
  5. 顧客やユーザーの回転率は低い

と考えられます。

そもそも「車を買い換えよう!」と顧客が考えやすいのは景気が良い時ですし、ドル円が円高方向に動けば輸出コストが高まります。おまけに関税をはじめ他国の貿易政策の影響も受けやすく、それらのニュースに株価も反応しやすいです。

また、車の開発には多大な時間とコストがかかりますし、新車を短いスパンで何度も乗り換える家庭も少ないですよね。

ROEは10%前後と低くはないですが、設備投資が大きいことと、探せばもっと利益率が良いセクターはたくさんあります。

さらに、国内株式市場に上場しているメーカーが多く競争率も高そうですね。

・・・とまぁ、ここまで考えるとあまり自動車セクターに魅力を感じられませんので良い所も考えてみましょう。

自動車セクターのメリットとしては

  1. 自動運転、EV関連など先進技術での切り口がある
  2. 先進技術に関連した市場規模が大きいと予想される
  3. 円安に向かう局面で株価が上昇しやすい
  4. 景気が上向いてきた場面で株価が上昇しやすい
  5. 企業基盤自体はしっかりしている

といったことが挙げられるでしょう。

特に自動運転技術やEV市場は何千億~何兆円規模になると考えられており、自動車産業のさらなる拡大の起爆剤になるとも言われています。

該当車種の販売台数を1000万台とすれば、1台あたりの購入価格が数10万円上がるだけでもそれだけの市場規模となり、業績に大きく影響するということですね。

また、自動車産業には多くの部品が必要なのでそれだけ多くの会社が関わっています。それらを取り仕切るのが自動車メーカーで、集約するだけの仕組みがしっかりしていないといけません。

昨今では自動車メーカーの不祥事がニュースになったりもしましたが、ここまで生き残ってきた自動車メーカーの基本的な企業基盤はしっかりとしたものでしょう。

自動車セクターは初心者に向いていないが色々な切り口でメリットを探る勉強材料となる

ここまでの自動車セクターの特徴を考えると、先進技術の市場規模は魅力的なもののわざわざ初心者さんが積極的に狙うセクターではないのかなと感じてしまいます。

一番ネックなのは為替や要人発言など「業種や個別の状況以外の影響が大きいこと」です。色々な要因で売られたり買われたりするので、初心者さんはどうするべきか迷うことも多いでしょう。

事業コストや開発コストは決して安くないのに、様々なものに株価の動きが邪魔されてしまうのは苦痛ですね。

株価の動きは個別銘柄の業績だけでなく国内外の経済、政治、為替、景況感など様々な要因が関係していると勉強するには非常に良いセクターではありますが、積極的に売買するのはやめた方が良いと思います。

とはいえ

  1. 企業基盤がしっかりしている ⇒ 割安感が出てくれば重要な節目、転換点で反発しやすい
  2. 先進技術の市場は捨てがたい ⇒ 自動車セクターではなく関連業種を攻める
  3. 新車販売台数は増減ありつつも少しずつ成長 ⇒ 景気の落ち込みで買っておく
  4. 要人発言に警戒 ⇒ インドやアジア圏で需要拡大しているメーカーを狙う

といった考え方でメリットを探ることは有用だと思います。

企業基盤がしっかりしている

例えば、トヨタ自動車は世界的な有名メーカーですし、外部環境等々で株価に割安感が出てきた場合はある程度の反発も見込みやすいでしょう。

それは企業としての信頼感や、国内経済を支える代表的なセクターとして認知されているからです。

これはトヨタ自動車の月足です。これを見た限りでは

  1. 8000円を超えてくると高値をつけやすい
  2. 景気が回復に向かってからは5000~7000円くらいで推移
  3. 5000円の節目で反発しやすい
  4. 景気低迷期は3000円割れが安値圏

という印象です。過去の値動きにおける転換点や1000円、5000円刻みの強そうな節目を狙ってみることも時にはひとつの選択肢となります。

先進技術の市場は捨てがたい

自動車セクターは景気敏感株ですので、考えなしに長期保有することはおすすめできません。しかし、先進技術による新規市場は魅力的ですよね。

そこでおすすめなのは自動車セクターに先進技術や部品などを提供する関連銘柄への投資です。

すでに話題にはなってしまっていますが、特に恩恵が大きそうなものはピックアップしておいて適正価格で拾えるか監視しておくと良いでしょう。

その際にはメーカーごとの自動車販売シェアなども考慮してみると良いかもしれません。

新車販売台数は増減ありつつも少しずつ成長

実は自動車の販売台数というのは日本自動車販売協会連合会という団体が統計を取ってくれています。

<外部参照リンク>

日本自動車販売協会連合会|年別統計データ

公式ホームページに行くと

  1. 車種別販売台数
  2. メーカー別販売台数
  3. 登録車合計

など色々な項目で統計データを閲覧可能です。もし自動車セクターに投資したいなと考えた場合は参考にすると良いでしょう。

増減がありつつも少しずつ販売台数が伸びてきているのは景気回復基調が関係していそうですね。

2009年のようにあれだけ大きく景気が落ち込んでもここまで回復するのですから、どん底期を狙って自動車セクターを買っておくと景気回復の恩恵を受けられそうです。

要人発言に警戒

昨今は要人がSNSで発信した言葉に株式市場が強く反応する時代です。よく話題に上がり、自動車セクターに関係する関税や国境税などは北米やメキシコのお話です。

そのため北米やメキシコに工場を置いたり、輸出時の影響が大きいメーカーの株価は値動きが生じやすいわけです。

したがってアメリカの市場で苦しむメーカーよりはインドやアジア圏での需要を伸ばしている銘柄に投資対象を絞ることもひとつの手です。

自動車セクターでは国内外に販売している背景から、メーカーごとにどの地域に販売シェアが高いのか考えることは有用なんですね。

まとめ

いかがでしたか?今回は「自動車セクターは初心者に向いているのか」というテーマでお話しました。

値動き要因が多いので、初心者が積極的に売買することはおすすめしませんが、色々な角度からメリットを探る勉強材料として役立ちそうです。

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