株のコアサテライト戦略は最近の最優秀スタイル?その具体例は?

    

今回はコアサテライト戦略という株の売買スタイルについて話していきます。

このコアサテライト戦略はコアの部分をメインの運用としながら、サテライト運用でリターンを上げていくというものですね。最近特におすすめされることが多いのですが、実は結構前からある戦略ではあります。

株始めたての悩みとして「売買スタイルが定まらない」というものがあるかなぁと思うんですが、今回はねこういった悩みを解決すべく売買方針のポイントやスタイルのコツをしゃべっていきますので参考にしてみてください。

    

株のコアサテライト戦略とは

では早速コアサテライト戦略について述べていきます。冒頭で述べたようにコアの部分では堅実なメイン運用を目指しつつ、サテライト運用では攻めの運用をするというものです。

コアサテライト戦略をする前にまず資金配分を考えた方が良いです。例えばコアの方は中核になる運用方針なので

  1. あらかじめ500万円を用意しておく
  2. 給料から必ず天引きされるように設定しておく

など必ず運用を続けられるようにします。一方でサテライト運用では

  1. 月々やりくりをしてお金を捻出する
  2. 余ったお金や不意に出てきたお金を使って運用する

などそんな感じですね。もちろんメインを500万円運用でサブは100万振り分けるという流れでも構いません。いずれにせよこっちがメインでこっちはサブと決めることが第一歩でしょう。

また、運用を行う目的も大事です。一般的にコアの部分では減らしたくない運用を行うので「老後資金を作るための運用」など、そしてサテライト運用の方では「将来自分が趣味などで使う余裕資金」といった感じの話が多いですね。

ただ正直、この一般論をあまり気にしなくても良いと私は考えています。投資の目的を決めること自体は目標や期間を決める上で非常に大事なのでそれ自体はいいかなと思いますが、自分の感覚としては「最終的に増えてればそれでいいんじゃない」という方が結構多いような気もします。

また投資というものは余剰資金でやるというのは当たり前の話ですが、余剰資金は最悪無くなってしまっても困らないが無くなっても良いわけではない(減らしたくはない)ですよね。投資には必ずリスクがつきものですし、余剰資金であっても絶対リスクは抑えなきゃいけないという考え方はあると思います。

最終的にはコアだろうがサテライトだろうがリスクを抑えた売買方針というものが必要になってきて、個人的にはリスクを抑えるなら下手に投機的な売買をするより中長期保有を心掛けた方がいいんじゃないでしょうか。もちろん短期売買がすごい上手な人ってのはいますので、そういった方はいいんですが・・・現状うまくいってないよって方はこの機会に中長期投資を取り入れてみるといいんじゃないかなと思います。

コアサテライト戦略の例

ではコアサテライト戦略の売買例をひとつ述べてみます。最近多いのは日米コアサテライト型ですね。例えばコアの部分に米国株のインデックス投資を置いて、サテライトの部分は国内配当株などで運用するパターンです。

なぜコア部分が米国株なのかという話ですが、これはチャートを見たら一目瞭然。例えばS&P500の過去推移ですが・・・

NYダウの最高値

このように高値更新を続けているわけです。具体的な数字でリターンを述べると年利5~7%を割り込んだことはないと言われています。とにかく買ってずっと放置していればそれだけで資産が大きくなるよというのが最近の米国株のインデックス投資です。

もちろんこれから先もずっとこういう流れが続くかは分からないのですが、最近の実績として最も頼りがいがあるのでこの事実は無視できないですよね。やはりコア戦略の部分にはこういった確実に儲けられるような部分を置くのがいいんじゃないかなっていうのが最近のコアサテライト戦略の考え方です。

これに加えて国内配当株をサテライト運用にしていきますが、例えば国内のド安定配当株だと日本電信電話がありますね。日本電信電話の過去10年推移は

  1. およそ10年で株価3倍に成長
  2. 配当金も数倍に成長

と素晴らしいと思います。こういった個別株はこの10年でもたくさん生まれていますから、優秀な株を長く持つ大切さがよくわかりますね。

サテライト運用を個別株で行うことを考えたときにポイントとなるのは安定したキャッシュフローです。これは日本電信電話のキャッシュフローですが・・・

ずっと安定して利益を生み出し続けていて、とにかくキャッシュフローが盤石だとわかります。時価総額が小さい株だと増益傾向が好ましいですが、日本電信電話ほど時価総額が大きくなるととにかくド安定の業績を維持してもらうっていうのが一番いいんじゃないかなと思います。

この安定したキャッシュフローの源泉なんですが、

  1. 子会社のドコモが安定してしっかり稼げる
  2. 日本電信電話も固定電話を独占している
  3. 光回線も高シェア

といった事業モデルです。これを後ろ盾に増配を続けていますので、こういったド安定の配当株をサテライトに置きながらつみたてNISAやiDeCoなど国が作ってくれている制度をうまくコアで活用していきましょう。

先回りの中期投資

中には国内配当株なんて買わないよという方がいるかもしれません。そういった方はその他の個別投資を考えてみるといいんじゃないかなと思います。例えば中長期目線のイベント投資でよく言われるのは「優待株の先回り買い」がありますね。

人気優待株には権利確定に向けて株価が上がりやすい性質がありますので、これを利用して権利確定前に先回り買いをして利益を得る戦略です。例えばアイスクリームで有名な人気優待株などは・・・

2013年以降の推移を見ると5月や6月くらいに高値をつけやすい性質がありますよね。したがって5月や6月より前の3月や4月に先回り買いをしてあげればこの高値を取りやすいということになります。

このように100%ではないものの高い再現性を見せてくれる銘柄を見つけることができれば下手に短期売買するよりよっぽど確実に儲けられるわけですね。個別株の話なのでもちろん地合いの影響を受ける面もありますが、再現性が見つかった銘柄で試してみてください。

その他の先回り投資では上方修正の先回り買いも有名です。株式会社は四半期ごと決算報告をしていて、それぞれで通期目標に対しどのくらい進捗しているかがわかります。例えば第1Qで高進捗率を出したとして、その後も高い進捗率を維持できれば上方修正が出やすいわけです。

そういった銘柄は決算発表が近づくにつれて株価が上がりやすいので、上方修正や決算発表に先回りして買うことができます。上方修正を見る際のポイントですが、まず第1Qは滑り出しのため25%以上の進捗率が欲しいところです。

25%を大きく上回るような高進捗率を出していればその後の中間決算で上方修正も見込みやすいですし、仮に中間決算で上方修正が出なくても後半戦で見込めますのでスタートダッシュが大事という点はポイントです。ただ、併せて見ておきたいのは

  1. コンセンサスをしっかり満たす水準かどうか
  2. 前年より高い進捗率を維持しているかどうか
  3. 過去の上方修正実績

などですね。では上方修正の先回り例を一つ見てみましょう。今回お見せするのは6250やまびこの株価推移です。

こちらの会社は2021年の12月期に前年に比べて高い進捗率を第1Qから出してくれました。第2Qも前年に比べて78.1%と中間時点で結構高い進捗率になってますよね。この第1と第2の株価推移がどうなってるかという話ですが、まず第1Qで上方修正が出たので株価は上がっています。

ここで注目したいポイントは上方修正がドカッと出てもその後株価が下げているという点ですよね。そして上方修正の後に1回株価が落ち着いて、その後は決算が近づいてくると株価が上がるという点かなと思います。

この流れは簡単に言えば「第1Qの進捗を見て再び上方修正が出るんじゃないかという思惑が出た」というものです。上方修正が出ても1回売り叩かれたりすることは結構多いけど、また次の決算期に向けて上がってくることもそれなりに多いという話ですね。

したがってこういった特徴を考えると上方修正後の下げは狙い目で、その後にくる好決算に向けた株価推移も捉えやすいのではないかと思います。ただしあまりにも人気があってみんながみんな狙っているとそれを叩く動きも出てきますので、そこそこの人気度や閑散銘柄の方がやりやすいんじゃないかなとも思いますが。

集中投資戦略

ここまでの話を聞いて別に米国株で高いリターンを得られるのなら米国株に全部集中しちゃえばいいんじゃないのって思う方も中にはいらっしゃると思います。もちろんそういう米国株に集中投資する考え方もありです。

この考え方をみんななぜするかというと先ほどコア運用する際につみたてNISAやiDeCoを活用するという話が出ましたが、そういった制度では年間いくらまでしか投資できないと上限が決まっているからです。したがって例えば毎月5万円をしっかり20年間年利5%で運用したとしても大体これぐらいまでしか稼げないよねという話になっていまうわけです。

これだと老後資金の問題は解決しても億万長者にはなれない部分があるので、これじゃ物足りないなって考える人も結構多いと思います。この部分をサテライトでも米国株に集中投資して底上げしてあげると(億万長者に届かないまでも)そこそこの資産形成になるので長期的な視点としてはありでしょう。

ここで知っておきたいのはこの話はあくまで直近実績値ですよという点です。米国株は年利7%も狙えるという話はもちろんありますが、これはあくまで実績値で平均リターンです。毎年必ず5%や7%が実現されるわけでもなければ今後そういうふうになるかもわかりません。

20年30年と続けて平均すると大体それくらいですよという話なので、今後もしかしたら年間リターンでマイナスだったという年が来るかもしれませんね。こういったところをしっかり認識した上で米国株に集中するのであれば全然いいかなと思います。

まぁ色々述べましたが、米国株にポートフォリオの全てを振り分けるかは賛否両論ありつつもここまでの実績値だとそう考えても仕方がないかもしれません。

コアサテライト戦略のまとめ

今回はコアサテライト戦略について述べました。最近のトレンドとしてはコア部分に米国株のインデックス投資を活用しながら、サテライト部分では日本株を活用するというものが多いでしょう。

ただ、国内個別株は短期売買をするのではなく中長期目線で保有する方が良いと思います。例えば優待や好決算株の先回りは比較的取り組みやすい戦略ですし、需給を知る上でも経験しておくと良いでしょう。

米国株に全振りする戦略もありですが、実績平均リターンである点は覚悟したうえでやらなければなりません。やり方は色々ありますがぜひ自分が公開しないようなコアサテライト戦略について模索していきましょう。