株式投資の世界にはデイトレードといってその日のうちに買いと売り(損切り・利食い)を済ませてしまうスタイルがあります。
投資というよりかはその日に値動きが大きくなるであろう銘柄を狙って投機的な売買をしているわけですが、これがなかなかに楽しいものです。売買の結果はすぐわかりますし、損切りや利食いもテンポ良く行っていくのでゲーム感覚で株の売買ができますよね。
ただ、株式市場には何千銘柄という企業が上場していて、その日に値動きが大きくなりそうな銘柄も割とたくさんあるのが悩ましいところです。個人的にはザラ場中に目移りしてしまい、それがどこか無意識にストレスでもありました。
しかし、最近はあまりそのストレスを感じていないんです。
というのも私生活が忙しいということもあって銘柄探しをなんとなくサボってしまい、それが発端でザラ場中に値動きを監視する銘柄をかなり減らしたからですね。
するとどうでしょう、全体的な売買回数は減っているのにパフォーマンスが高いという日も出てきました。これは個人的にかなり感動したので、今回はこの経験から感じたことなどを記事にまとめてみた次第です。同じようにザラ場の監視銘柄数に悩んでいる方はぜひ参考にしてみて下さい。
デイトレで複数銘柄を監視する方法
まずデイトレの監視環境について簡単に述べておきます。
デイトレの際には「あらかじめ銘柄をピックアップしておく」という作業が必要で、
- 直近でスト高になった銘柄
- 大きな材料が出た銘柄やそれに関連する銘柄
- 日足で上昇傾向が続いている銘柄
などをピックアップしていきます。それらは忘れない様にかつさっと値動きを見られるようにアプリやPCツール内でリスト化しておき、ザラ場中はリストを丸ごと監視するわけですね。
私の場合、思ったより関連銘柄が広がってしまったときなどは20銘柄ほどまで増えてしまい巡回するのも大変なので・・・
このように一覧でチャート表示を行ってなるべく同時に監視できるようにしています。上記は楽天証券のマーケットスピード2というPCツールで行っていて、
- 監視銘柄をリストに入れる
- 「投資情報」の「ザラ場情報」を選択
- 表示形式を7番目に変更し、右上の一括変更ボタンで5分足にする
とやればOKです。
ちなみにザラ場情報の6番目の表示形式にはヒートマップといって値動き状況を色で表示してくれるページもあります。デイトレ中に集中力が切れてぼーっとする時もありますが、ヒートマップを眺めていると突然真っ赤になる銘柄があるのでなかなか便利ですね。
ザラ場情報が使いづらければ「マイページ」という機能でお好みにカスタマイズもでき、板や歩み値メインのページや注文特化ページを作っておくことも可能ですよ。
また、スマホでデイトレをやる場合は複数の証券会社アプリを同時に立ち上げて、
- 監視用タブ
- 注文タブ
としてマルチタスク活用しています。証券会社のアプリによって得意なことや視覚的にみやすい機能、使い勝手などが違うので長所を生かしながら活用することは楽しいですね。
デイトレで複数銘柄を同時に売買するデメリット
ざっくり言うと上記のように複数銘柄を監視していますが、これは言い換えると「複数銘柄を同時にデイトレする」という状況を自ら作り出していることでもありますよね。
このデメリットとしては
- ひとつひとつの売買が雑になる可能性あり
- 同時に大きく動かれると処理が追いつかない
- ひとつの銘柄に集中したい時でも他銘柄を気にしてしまう
- 投入資金がパンパンになり無駄にリスクを取っていることもある
- 地合いの影響で一斉に下げることもある
などまぁそれなりに色々あります。逆に複数銘柄を同時に売買するメリットは
- 複数の利益機会を狙える
- 自分の得意な状況になっている銘柄の選択肢が増える
という点ですが、人間のキャパなどたかが知れているのでせいぜい数銘柄を同時に売買するのが精一杯という人も多いかもしれません。
一定期間は同じ銘柄を追い続けてデイトレする
複数銘柄を同時に監視して売買するデメリットは思い返してみると意外にも多く、これらを解消する方法は
- 監視銘柄を数銘柄にまで縮小しておく
- そもそも一銘柄しか追わない
などが妥当な案かなと思います。ただし、全く動かないような銘柄をザラ場中ずっと監視していても眠くなるだけなので
- その時期に話題になっている銘柄から抜粋
- 日経レバレッジなど常に一定以上の需給が発生している銘柄
といった点に着目しつつ監視銘柄を減らすことが良いのかなと感じます。
また、バイオ銘柄が話題になっている時期ならバイオ株から、ゲーム株が盛り上がっている時期ならゲーム株で上がっているものを一定期間にわたって継続監視していけばそれで十分なのかなとも感じています。
例えば記事執筆時点の直近銘柄としては、アンジェス・テラ・enishなど誰でも知っているような上昇トレンドの話題銘柄ばかり触ってデイトレしていた人も多かったでしょう。
私自身、実際に監視銘柄の方針を大きく変えて
- 監視対象は多くて数銘柄
- 一定期間は数銘柄のリストを更新せず毎日使う
とやったところ色々なメリットを感じました。
まずザラ場中に注意力が散漫するような感覚はかなり減りましたね。そもそも監視銘柄が少ないことに加え、その日によってどれを見るかが明確になりやすいので「1銘柄の状況のみに集中して売買ができた」という点は大きいです。
当然ながら取れるべき値幅を逃すということも減りましたし、
- アラートを仕掛ける忙しさ
- 注文する際の慌ただしさ
- 指値が約定したあとの状況
もかなり改善したのでストレスはほぼなしとも言えます。ロット管理もシンプルになったので
- どれくらいまで投入できるか
- どこで大きく入れようか
という考えに関してもまとまりやすくなりました。純粋にその銘柄の値動きに集中できて、それを一定期間にわたって続けられるので日足の状況もイメージしやすい印象です。
唯一の弱点は機会損失してしまった時にかなり悔しい想いをするということですね。
銘柄を減らして売買を限定しているという状況なので、数少ない利益機会を逃すと精神的にやっちまった感が出やすいです。また、損切りをした時も次の売買機会までもどかしく、いわば全体を通して売買1回あたりの重みが増していると考えて良いでしょう。
もっと言えば数打ちゃ当たる戦法がしづらい以上、利食いタイミングをなるべく遅らせて大きく取っていく意識を持たないとパフォーマンスそのものがしぼんでいくという可能性もあります。
私個人としてはこの利食いを伸ばすテクニックを少しおろそかにしてきた所があるので、
- なるべく明確な反発点を狙ってホールドしやすい環境で含み益を持つ
- ホールドしやすい環境で歯を食いしばって利食いを耐える
ということを磨いていきたいですね。
まとめ
今回はデイトレの同時監視銘柄を減らしたらストレスが減ったというお話をしました。
複数銘柄を同時に監視するということはそれだけ多く売買機会をもらえることにもなりますが、人間の仕組み上は1銘柄あたりに注げる意識が分散します。
それによって様々なデメリットも発生するので、必ずしも監視銘柄を増やすことが正義ではないと最近は思っているところです。
色々と述べてきましたが、時期によってデイトレ銘柄として継続監視するものを変えつつ1銘柄に向き合うということは「売買により集中する」という点でメリットが大きいでしょう。
ただし売買1回あたりの重みは増すのでその辺も考慮しながら監視銘柄の方針を変えてみるのも手ですね。
デイトレで複数銘柄を同時監視することに疲れたという方はぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。