今回は電子書籍取次の国内首位を走り、順調に業績を伸ばしている注目企業「メディアドゥ」のご紹介です。
メディアドゥは東証一部上場企業で時価総額760億円ほどですが、おそらく今後も成長を続けていくと考えています。
個人的には時価総額1000億円は余裕で超えてくると考えていて、継続的に監視していきたい銘柄のひとつです。
この記事ではそんなメディアドゥの事業内容や直近で控えている材料などについて述べていきます。
新型コロナウィルスという直近の大きなテーマにも合致しているので、ぜひご参考下さい。
参照:メディアドゥ公式HP
メディアドゥの株価推移と直近業績
まずメディアドゥの株価推移ですが、
このように見る人が見ればわかる美しい株価推移で上場来高値更新中です。ここ数年で大きく株価を伸ばしていて、やっと時代が電子書籍当たり前になってきたかという感じですね。
この上場来高値更新の背景にはやはり業績が関係していて、
このように直近の増益傾向が株価に反映されています。
メディアドゥは後述するように電子書籍事業を営む会社ですが、スマホやタブレットで当たり前に書籍やマンガに小説を読む時代が追い風となっているのでしょう。
ただし、メディアドゥの懸念点として
- 自己資本比率:17%
- 売上高営業利益率:2.8%
という点があります。
自己資本比率と利益剰余金が低く有利子負債が多いのは広告配信や積極的な研究開発を行っているからかもしれませんが、営業利益率はもう少し欲しいかなと個人的には思いますね。
ちなみに執筆時点におけるその他の指標は
- PER:69倍
- PBR:13倍
- ROE:17.4%
- 配当利回り:0.24%
となっていて、株主優待はありません。
メディアドゥは電子書籍事業を営む株式会社
メディアドゥの事業内容ですが、公式HPには
- 電子書籍事業
- その他事業
のふたつしか記載されていません。その他事業には
- メディアドゥの様々なシステム開発
- 書籍要約コンテンツの提供
- 少女コミックレーベルとインクプリント事業
- 出版業界を活性化させる研究活動
- 電子コミックの作画支援サービス
- 無料電子コミックなど書籍配信業
といった子会社が含まれていますが、どれも電子書籍に関する事業内容です。
やはり主な事業内容は電子書籍事業であり、そのスタンスは「取次」というもの。
電子書籍取次とは「出版社と書店・配信企業の間を取り持つ役割」であり、要は
- 電子書籍を流通させる
- そのためのサポートツールを提供する
というわけですね。
メディアドゥの強みとは
メディアドゥの取次業はそもそも稀有なポジションであるので競合が少なく、なおかつ
- 流通総額1000億円超え
- キャンペーン監理数は年間1万件超え
- 国内流通シェア34%
- 99%以上の電子書籍出版社と取引可能(出版社2000社以上、電子書店150店以上)
- エンジニア100人体制
という圧倒的な取引先数とそれに対応する開発力をもっています。
また、取引先の中にはLINEマンガやAmazon子会社など大口も含まれていて、なおかつ基幹システム全てを自社開発しているのも利益に直結する要素でしょう。
自社開発しているシステムの中には電子書籍流通基盤はもちろん、後述するブロックチェーン技術を用いた新プラットフォームも含まれていますよ。
電子書籍を読んでいる人を見かけても何も感じない時代になったとはいえ、まだまだ浸透は足りていません。
ということは電子書籍市場もまだ成長中ということであり、今後もメディアドゥの業績推移は注目です。
具体的な電子書籍取次業とは
もう少しメディアドゥの電子書籍取次業を詳しく見ていきましょう。
メディアドゥが行う電子書籍流通事業とは
- コンテンツの創作者
- そのプロデューサー
- 販売者
- ユーザー
といった全てのステークホルダーのサポートを行いつなげることです。これが電子書籍の消費サイクルにつながり、最終的には業界の活性化につながります。
具体的には
- 各出版社と電子書店間の契約を仲介する
- 発生するデジタルデータを検証する
- 作業を受託する
- 販売実績を一元管理・連携する
- 販売状況を電子書店ごとに把握して提供する
- 売れ筋情報を提供する
- 電子書籍の販売機会を開拓する
といった事業を行っていて、取引先は小口から大口まで様々です。
また、前述のようにこういった事業は全て自社開発のツールで行っているので企業力を感じますね。
2020年秋にはブロックチェーンを活用した新しいプラットフォームをリリース予定なので、こちらも注目されています、
メディアドゥのブロックチェーン活用新プラットフォームとは
- ブロックチェーン:取引データを扱い、その複数データを連結させることや技術
- トークン:しるしや象徴という意味で、ブロックチェーンにおいてはワンタイムパスワードのようなセキュリティとして活用される
メディアドゥが着目している「電子書籍事業におけるブロックチェーン活用」にはどのようなものがあるでしょうか。
一般的に言われている紙媒体と電子媒体の違いには
- 価格設定の違い(電子書籍の方が圧倒的に安い)
- 不要品の始末(紙媒体は中古市場がある)
といった点があります。
簡単に言えば電子書籍は「安く手に入れることができるが不要な商品を始末するのに困る」ということなのでしょう。
この点を解消してくれるであろうものがブロックチェーンであり、例えば「トークン売買」を行うことで所有権の譲渡が行えると言われています。
もしこれが実現すれば、今まで「電子書籍は不要品を処分できないから嫌い」と考えていた顧客層をユーザーとして取り込むことが可能になるので市場は広がるはずです。
また、ブロックチェーンを活用すれば昨今話題となった海賊版の抑制にもつながりますし、出版社や著作権者への直接的な利益となるでしょう。
メディアドゥがブロックチェーンを活用した新しいプラットフォームを電子書籍業界に投じることはビッグチェンジを起こす可能性があるわけですね。
メディアドゥは巣ごもり消費関連銘柄
メディアドゥは新型コロナウィルスによって恩恵を受けた企業です。
というのも外出自粛期間中に巣ごもり消費というワードが急浮上し、自宅で楽しめることをしようという風潮が出たからですね。
電子書籍はまさに巣ごもり消費の代表格で、実際に業績上昇要因としてメディアドゥも新型コロナウィルスを挙げています。
2020年7月時点では東京の感染者数がまだ増加傾向にあり、その多くは無症状とも言われていますが状況的に巣ごもり消費がまた意識されやすいです。
仮に第二波がくればメディアドゥの業績をさらに押し上げてくれる可能性があるので、そういった特需的な意味でも注目できそうですよね。
そこに新しいブロックチェーン活用のプラットフォームが業界に投じられて、電子書籍がまたブームになって・・・とくれば妄想は膨らむばかりです・・・。
まとめ
今回はメディアドゥという電子書籍取次業をメインに行う会社をご紹介しました。
その株価推移から市場でも注目され、ブロックチェーン活用プラットフォームも業界に注目されています。
電子書籍市場もまだ伸びている途中ですし、メディアドゥの業績もまだ伸びていく可能性は高いでしょう。
とりあえずはいけるところまで上場来高値を伸ばし、時価総額1000億円越えを目指してもらいたいところです。