日本株の見通しは長期的にヤバイ!絶対にくる未来が地獄過ぎた

    

今回は日本株の今後の見通しを長期的な目線で述べていきます。一言で表すと本当に地獄のような未来で、残念ながらこれはかなりの確率で訪れる模様です。具体的な内容としましては

  1. 金融所得の増税
  2. 優待実施企業の減少
  3. 物価上昇なのに賃上げが難しい
  4. 年金額の減少

こういったものについて述べていきます。

今後の日本株が長期的にどういった見通しなのかは各自の意見があると思いますが、ひとつの参考として読んでみて下さいね。

    

日本株の見通しは長期的にヤバい理由

では冒頭にお伝えした内容についてひとつずつ述べていきます。中にはすでに流れが始まっているものもあり、状況が進んでいくのは時間の問題です。

確実にくると言われるくらいですので、あとは自分がそれまでにどうすべきか身の振り方を考えるだけではないかとも思います。

金融所得課税への増税

最初に金融所得課税が増税されるという内容について述べます。ます金融所得というのは金融資産から生じる所得のことですね。この金融資産は例えば

  1. 外貨を含む現金
  2. 株式
  3. 投資信託
  4. 保険商品(生命保険など)

こういったものが含まれています。これらから利益を得た場合には税金を払わなければならず、例えば株の譲渡益では一律で利益に対する約20%を支払わないといけません。

この一律という点は非常にポイントになっていまして、代表的なメリットに

  1. 給与と合算されない
  2. 所得や利益額を無視して一律で決められている

ということが挙げられます。なぜこれがメリットなのか?

それは普通の税率であればお金持ちな人ほど高い税率が適用される累進課税というもの当たり前だからです。株の場合はどんなにお金持ちであっても金融所得から得たものであれば約20%済むので、逆に言えばどんなに払っても20%な点が効率的に稼げるわけですね。

1億円の壁

引用元:大阪日日新聞

この話でよく言われるのが1億円の壁というもの。簡単に言ってしまうと1億円を超える所得になると税率がどんどんどんどん下がってきておトクになりますよというそんな話です。

1億円の所得はたいていの人は稼いでいないと思うのですが、現状の仕組みとして富裕層ほどこういう旨みがありますよという点がミソになります。

なぜこのような富裕層に優しい仕組みにしているかといいますと、やはり

  1. 税率を気にしないで金融商品を選んでもらいたい
  2. お金持ちの皆さんはぜひ国内にお金を置いてくださいね
  3. 海外にはお金を流さないでくださいね
  4. お金をしっかり置いてもらえれば株式市場の下支えになりますよ
  5. 株価が上がれば企業業績にもつながってそれ以外の人も潤うでしょ

といったことがあると思います。

それだけでなく個人的には庶民・・・というかむしろ貧困層からしても人生の裏技という意味合いがあると考えています。日本株でもよく聞きませんか?

学歴もなければ仕事もない人があっという間に億り人になりましたという夢のような話。そういったことがありえるのは日本株の裏技要素じゃないかなと思います。

ただ、この金融市場のゆがみ的なところに今メスが入っていまして、静かなる金融所得増税が行われているんですね。

まず「上場株式等の所得に所得税と住民税で異なる課税方法を選択することで主に中低所得層が税負担または社会保険料負担を抑えることができる」という節税策が現状ではあるのですが、最近では課税方式を統一しましたという改悪がありました。

お金持ちの皆さんも結構な痛手を背負っていて、大口株主の定義を改正して「資産管理会社等を経営する分も含め、間接的に上場企業の株式3%以上を保有するものについても配当所得を総合課税とする」という改悪がありました。

これは実質的な増税になっていて、というのも・・・

総合課税に配当控除を考慮した実効税率早見表

引用:大和証券:総合課税の実効税率早見表

上記の総合課税税率表を見ると

  1. 低所得者であっても節税できない
  2. お金持ちの人は自動的に税率が厳しいランクになる

からです。

とりあえず現状の増税路線では配当所得が目をつけられていて、お金持ちの皆さんに累進課税を実質的に導入した話ですが、岸田総理の派閥に所属している議員は金融所得課税を25%まであげても大丈夫だとも述べているようですね。

こういった話から市場の意見として25もしくは30%程度までキャピタルゲインへの増税がありえるという話が出ています。

したがって、おそらく日本株の今後の見通しとして数年間という長期に渡ってこの増税の話はぶり返しそうです。その度に株価下落が起こる可能性もありますし、逆に言うと増税の話が出ても株式市場が反応しなくなれば増税を織り込んでしまったことになりいよいよ増税決行かもしれないですね。

増税の波に対する対策は

  1. つみたてNISAやiDeCoなど非課税枠をしっかり活用する
  2. 損が出た場合は年末の損出しを行い損益通算や繰越控除を有効活用する

といったことが挙げられます。本当に税金払いたくないという人は現金化という手もありますが、直近ではインフレリスクが高まっていますので現金で置くと資産価値が相対的に下がっていく可能性もあるでしょう。

優待実施企業が減少していく

続いての日本株の見通しは「長期的に考えると優待実施企業は減っていく」というものです。ご存知の方も多いかと思いますが、東証は大規模な市場再編を行いました。

2022年の4月4日から新しい市場が始まり、特に話題になったのはプライム市場の上場基準です。これによると株主数は最低800人以上となっていて、思ったより株主数がいらなくなることがわかりました。

今までは株主数を増やしたい一心で優待をどんどん実施していたわけですが、今後は日本株特有の株主優待はコストでしかなく廃止される見通しだと言われています。

実際、2021年度の9月時点で過去最多75社が優待廃止をしていまして、この止めた分のお金は配当金に回されるんじゃないかと言われました。この理由は先ほどのプライム市場の上場基準で流通株式数と時価総額も指定されているからです。

このラインを達成しておくためには機関投資家に長く持ってもらいたい側面があり、その機関投資家からは前々から「株主優待ではなく配当金で還元しないと不公平だ」という声が挙がっていたからですね。

人気優待銘柄の中には優待廃止と大幅増配を発表した企業も出てきていますので、この流れが続けば優待投資家さんにとっては悲しい話でも全体としてはあながち悪い話ばかりではありません。まぁ増税の話もありますが配当還元の流れは賛成です。

優待廃止の流れに対策するのであれば「これからは安易な優待投資は避ける」という一言に尽きます。もし優待投資する場合でも配当にしっかり回してくれそうな還元意識が高い企業のみに絞った方が良いでしょう。気になる優待銘柄が出てきた場合はホームページや口コミ調査によって株主還元意識を調べるという点も重要になってきますね。

物価上昇(インフレ)なのに賃上げできない

続いても日本株の見通しは長期的に物価上昇が続く可能性が高いのに賃上げができないというものです。こちらも話題になっていますが、アメリカの消費者物価指数はどんどん上昇していてインフレ懸念がかなり高まっていますよね。

この背景には原油や天然ガス、金銀銅などの価格、小麦や大豆など食糧資源まで全般的な資源高が関係しています。当然こういった状況は日本株としても放ってはおけず、いかにこの原料高しっかり価格転嫁させていくかという話があるでしょう。

ただ、私たち消費者からすると物価だけ上がっても生活が苦しくなるばかりです。やはり賃上げも伴わないと高い物価を買っていけないので困ってしまいます。最近になって岸田総理が口癖のように賃上げを言葉にするのは参議院選の話もあるでしょうが、こういった流れも背景としてあると感じるわけです。

では本当に私たちの給料って上がるのですか?という話ですが、過去の実績を見る限りでは難しいのかもしれません。例えばOECD諸国の実質賃金の推移を見てみますと・・・

OECD諸国の実質賃金推移比較

他の国々は上昇基調に対して日本は横ばいを続けていることがわかります。特に2010年以降の推移は顕著で日本だけ横ばいのため韓国にすら抜かれてしまっていますよね。

日本の平均賃金推移

厚生労働省が公表している平均実質給与推移を見ても直近は下がってきているので心配になります。アベノミクス以降は多少上がってきましたが全盛期まで戻るかと言われたら微妙ですね。

こういった流れの背景には

社旗保障費の増加傾向

社会保障費の上昇が止まらない状況があるでしょう。年金・医療・福祉とすべて増大傾向になっていて、これはかなり企業の雇用コストを圧迫しているのではないでしょうか。この雇用コストですが、1人雇用するのにその人の年収の1.5倍かかるなんていう話まであります。企業側が払うコストは人件費だけではなく退職金や色々な保証コストがありますので、実際は年収以上にかかっているようです。

現状の採用市場は雇用者側に有利な「売り手市場」だとなっていますが、こういった状況がずっと続けば今後はいらない人材はクビにして1人当たりのお給料をあげようという話になってくるかもしれません。

もしくは企業利益を大きく削ってまで給料を上げるなんて流れになると日本株にとってはあまり見通しが良くないので、価格転嫁を進めていく根本的な話に戻っていくかもしれません。

土台に社会保障費の増加が関係しているのであればここをしっかり抑制していただき、その上で本当にやってくれるのであればぜひ賃上げも願いしたいところです。

私たち個人ができる対策としては「単純にもっと稼ぐ」ということしかありません。懐に入るお金が減っているのであればその分もっともっと稼いであげればいい話で、こういった背景から副業やダブルワークのブームにつながっているとも言えるでしょう。

年金額は緩やかに減っていく

では最後に年金額が減っていくという見通しについて述べます。これは一見すると日本株の長期的な見通しに関係ないように思えますが、必ずしもそういうわけではないですね。

そもそも年金問題とは何が原因でしょうか。これは皆さんご存じの通り少子高齢化社会です。

年金を支える若い世代は減っていく

引用:内閣府

例えば2010年は65歳以上の方1人を支える若年層が2.8人いましたが、これが2030年になる頃には65歳以上1人あたりに1.8人分の若年層に減ってしまいます。さらに2050年になる頃には65歳以上1人あたりに対して若年層は1.3人まで減り、割合としてはほぼ1対1になってしまいます。

この2050年の状況を打破したいところではありますが、日本の出生率もなだらかに下がってきている状況です。出生率が減れば人口増加率や国内人口の母数も減るわけで、日本株式市場としても長期的に利益が取りづらくなる見通しが出てきます。

年金運用の状況を日本政府も無視しているわけではなく、少子高齢化社会が進行しても財源の範囲内で給付を賄えるよう年金額の価値を自動調整する「マクロ経済スライド」という仕組みを導入している状況です。先ほどの出生率低下という話はこのマクロ経済スライドの調整期間延長につながるなんて話もありますが、とりあえず何もしていないわけではないということですね。

加えて年金運用を株式市場で行っていて、最近のコロナバブルではかなり運用益が上がりましたという話もニュースになりました。ただ、それを新しい総理大臣が余計な発言ばかりして邪魔している状況でもありますが!

こういった年金の悪い流れの対策として考えられるのは、

  1. 老後資金の柱は自分自身で形成していく
  2. 繰り下げ受給を活用する

ということでしょう。前述のように若い世代はこれから副業やダブルワークを積極的にやって自分自身で蓄えていく必要があります。自分でも豊かな老後生活を作りつつ、新しく導入された繰り下げ受給を活用すると良いですね。

現状の年金制度では受け取る年齢を遅らせることによって増額することができ、最近ではこの上限年齢も70歳から75歳に拡大されました。例えば65歳時点の年金水準を100とした場合、70歳まで繰り下げれば184の年金を受け取れます。

年金の減少分はこの繰り下げによってほぼカバーできるとも言われていますので、繰り下げ分を蓄えたお金でカバーしつつ長生きすればかなり有効な作戦です。ちなみに男女どちらにも有効な繰り下げ受給ではありますが、平均寿命は女性の方が長いのでやや女性の方が有利な仕組みになっています。

日本株の今後は割と暗い

今回は日本株の今後の見通しを長期的な目線で述べてきました。あまり明るい話題がなく落胆してしまいそうですが、嘆いてばかりいても仕方ありません。対策がないわけではないですし、各自で準備を行い楽しい老後生活を送っていきましょう。

また、日本株の見通しが長期的に悪いのであれば米国株という手もあります。つみたてNISAやiDeCoは必ず活用するだけでなく、余裕があれば長期的に配当がもらえるよう個別株の運用もしていきたいところです。インフレに対抗するには金融資産の活用は必須ですので長期的な目線で運用を続けましょう。