NT倍率とは?チャートを見つつ日経平均の相対的な強弱を測ろう!

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

みなさんはNT倍率という単語をご存じでしょうか?

NT倍率とは地合いの状況を考えるための指標で、簡単に言えば日経平均株価とTOPIXのどちらが相対的に強いのかを教えてくれるものです。

この記事では

  1. NT倍率の変化からわかること
  2. NT倍率が上昇していく時の考え方

について書きましたのでぜひご参考下さい。

    

日経平均株価とTOPIXの違いとは

NT倍率を考える前に、まず日経平均株価とTOPIXの違いについて簡単に述べておきます。

  1. 日経平均株価:構成銘柄に選ばれた225銘柄から算出。算出方法の関係で値がさ株の影響が大きい。
  2. TOPIX:東証一部全銘柄から算出。算出方法の関係で高時価総額株の影響が大きい。

ざっくりとですが、日経平均株価はみなし株価など算出方法の関係で値がさ株からの影響が大きいです。

特に外需株がウェイトを大きく占める特徴があり、具体的な銘柄名で言うと

  1. ファーストリテイリング
  2. ソフトバンクグループ
  3. ファナック
  4. 東京エレクトロン

などですね。ちなみにファーストリテイリングは海外売上比率47%で完全な内需株とも言えません。

以下の外部参照リンク様を見ていただければ、より外需株の寄与度が高そうだとおわかりいただけるかと思います。

Stock Brain|日経平均寄与度ランキング

対してTOPIXは時価総額で加重平均している算出方法ですので、日経平均より内需株が影響する割合が増えます。

(といっても時価総額が大きい企業は海外展開していることも多い時代ですが・・・)

以下の外部参照リンク様から東証一部の時価総額ランキングが見れますので、こちらもご参考下さい。

ヤフーファイナンス|東証一部時価総額ランキング

NT倍率とは日経平均株価とTOPIXの相対的な強弱

NT倍率とは日経平均株価をTOPIXで割った倍率のことで、

NT倍率(倍)=日経平均株価 ÷ TOPIX

で計算されます。

日経平均株価もTOPIXも日々変動していくわけですが、計算式を見ておわかりいただけるように

  1. 日経平均がTOPIXよりも大きな上昇率:NT倍率も上昇
  2. 日経平均がTOPIXよりも小さな上昇率:NT倍率も下落

という推移になります。

要するに、NT倍率とは「N(日経平均株価)とT(TOPIX)の相対的な強弱感を示した指標」というわけですね。

また、ここに日経平均株価やTOPIXの特徴を加味して

  1. NT倍率上昇傾向:値がさ株が強い ⇒ 外需が強め?
  2. NT倍率下降傾向:高時価総額が強い ⇒ 内需が強め?

という考え方につなげる方も多いです。

基本的には値がさ株か時価総額かという見方ですが、外需・内需を考えて物色してみることもあります。

NT倍率は以下の外部参照リンク様で日経平均やTOPIXと併せて確認することが可能ですので、ぜひご参考ください。

Stock Brain|NT倍率

NT倍率の注意点はあくまで相対的な強さであること

NT倍率の推移を見ていくことで、

  1. 日経平均株価とTOPIXの相対的な強さがわかる
  2. 値がさ株と時価総額や外需・内需どちらが優勢かなんとなくわかる

というメリットがあると述べました。

ただしNT倍率はあくまで相対的な強さであることに注意です。

例えば日経平均株価もTOPIXも同じくらいずつ下落していった場合、地合いが悪化しているのにNT倍率は大して変化しませんよね。

それが続いて日足の形状としてどんどん悪化したとしても、NT倍率だけ見ていたのでは地合いの悪化には気づけません。つまり、

  1. 日経平均やTOPIXのチャートが良化しているかはそれぞれのチャートを見る必要がある
  2. NT倍率上昇と日経平均上昇は必ずしもイコールではない

ということです。例えばこちらをご覧ください。

引用:Stock Brain様

図はある期間のNT倍率と日経平均株価の推移を表したチャートで、

  1. 赤線:日経平均株価
  2. 青線:NT倍率

となっています。

NT倍率が下がれば必ず日経平均株価も下がっていると思われがちですが、赤枠内では「NT倍率が下がって、日経平均株価が上昇」です。

これはこの期間のTOPIX推移が影響しているからですね。

他の期間でも、日経平均株価の下げ幅に対してTOPIXの下げ幅が小さいためにNT倍率が上昇した部分がありました。

NT倍率だけでなくそれを構成するデータ、すなわち日経平均株価やTOPIXの株価も見る必要があると言えますね。

NT倍率の目安ともう一つの見方とは

先ほどご紹介した外部参照リンク様にて、2014年から現在までのNT倍率のレンジを確認したところ「12~14倍」という結果でした。

当面のNT倍率の目安はとりあえずこの範囲と考えて良いでしょう。

このレンジを基軸に考えると、「NT倍率がレンジ上限に近づくほど上昇した場合、日経は上がっているのにTOPIXがあまりに出遅れている」という考え方もできそうです。

そのときの日経平均株価チャートにもよりますが、NT倍率が上昇し続けられるほど日経平均株価の調子が良いのであればそれはTOPIXにとっても決して悪いことではないですよね。

むしろTOPIXの追い上げに目をつけて、時価総額の大きな銘柄で出遅れているものを狙ってみても投資妙味がありそうです。

当然、日経平均株価が落ち込んでくればNT倍率も下がってくるので、業種内の出遅れ銘柄を狙うケースよりは難しいでしょう。

ただ、NT倍率の活用方法のひとつとして覚えておいても良いですね。

まとめ

いかがでしたか?今回はNT倍率の簡単な概要や目安についてご紹介しました。

NT倍率は日経平均株価とTOPIXの相対的な強弱を見る指標ですが、それぞれのチャートもしっかり確認するようにしましょう。

また、NT倍率のレンジのどのあたりで推移しているかから色々な考え方をしてみるのも面白そうですね。

地合いに関するその他の指標については相場観を養え!日経平均の方向性を初心者でも読めるようになる方法!でまとめてありますので、こちらもぜひご参考下さい。

それではまた!