どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式市場には様々な投資家が参加しており、大衆の心理が濃く反映される特徴があります。
時になんでもないような株が大きく上がり、かと思えばひとたび価値に気づかれると暴落したり・・・なんてこともあり得るわけです。
そこには株の本質的な価値というよりは「投資家の心理」が大きく影響しているのではないでしょうか。
実はテクニカル指標の中にもそんな投資家の心理に関係したものがあります。
その名も「サイコロジカルライン」。
サイコロジカルラインはサイコロを転がすという意味ではなく、「心理的な」という意味です。
市場心理を簡易的に数値化することで、「一過性の心理的なエッジ(優位性)」を教えてくれるオシレーター系指標ですのでご参考下さい。
サイコロジカルラインの意味や計算式、設定期間とは
例えばカジノでルーレットを回したとしましょう。ルーレットは玉が赤か黒のどちらに止まるかを当てるゲームで、当たればあなたのコインが倍になっていくルールです。
最初の1回目は黒を予想して見事に的中。
2回目も黒を予想してまた的中。
2度あることは3度あると考えて、3回目も黒を予想してまた的中。
・・・さて質問です。次もまた黒が出ると予想しますか?
最初の1回目を黒と予想する人と、赤と予想する人はおそらく半々に分かれていくはずです。
しかし、2回目3回目・・・と何度も黒が的中することで「さすがにそろそろ赤が出るんじゃないか!?」と考える人が増えるでしょう。
同じ色が5連続で出たり、1回おいてまた出たり・・・と黒が頻発するほど「そろそろ赤がたくさん出るはずだ!」と考える人も増えていきます。
実はこれと似たような考え方が「サイコロジカルライン」と呼ばれるテクニカル指標の本質です。
サイコロジカルラインとは
サイコロジカルライン(%)=(設定期間における前日比上昇日数)÷(設定期間の日数)× 100
で計算され、「設定期間における上昇日数がどれくらいの割合だったか」という意味合いの式になっていますよね。
サイコロジカルラインは一般的に12日(週)を設定期間として用いることが多いです。
他のテクニカルに頼らざるを得ない面もありますし、あまり短すぎてもサイコロジカルラインがうまく機能しないのでこの設定で良いかと思います。
実際のサイコロジカルラインは・・・
こんな感じでローソク足の下にオシレーターとして表示され、縦軸は%です。
サイコロジカルラインは設定期間内に上昇日が多いほど高くなっていき、一定のラインを超えてくると「さすがにそろそろ下がるはず」という市場心理が出始めます。
サイコロジカルラインではそういった一過性に生じる「心理的な偏り」を数値化して測っていると考えて下さい。
サイコロジカルラインの売買シグナルとは
では具体的にサイコロジカルラインがどうなったら売買シグナルとすればよいのでしょうか。
一般的なサイコロジカルラインの売買シグナルは
- 買い:25%を下回って、再度25%を上回るタイミング
- 売り:75%を上回って、再度75%を下回るタイミング
というものです。オシレーター系のテクニカル指標ですので、ある程度の過熱感が出たあとに収束していくタイミングを狙うイメージですね。
例えば先ほどのチャート例では・・・
赤丸のような箇所で買う感じですね。ただし、サイコロジカルラインは
- 上昇トレンド:50%以上を上回りやすい
- 下降トレンド:50%を下回りやすい
といった特徴があります。したがって
- トレンド方向と反対の売買シグナルも出やすい
- 一般的な売買シグナルを盲信してしまうと逆張りとなりやすい
とうまく機能しないこともあります。対策としては
- ボックス相場で活用
- トレンド中は50%ラインの上抜けや下抜けを目安に考える
- その他のテクニカル指標も併用する
などリスクを抑える工夫が必要ですね。
サイコロジカルラインのメリット・デメリットとは
サイコロジカルラインのメリットは「設定期間内における上下回数から、市場心理にエッジが生じるタイミングを測れる」といったものでした。
しかし、サイコロジカルラインにはデメリット・・というか注意点があります。
例えば、サイコロジカルラインが75%を超えやすい状況を考えたとき上昇トレンドが思い浮かびやすいですよね。
ここで重要なのは、「サイコロジカルラインの計算式に株価は含まれていない」ということです。
つまり「株価が前日比で上がったか下がったかは考えているが、値動きそのものは加味していない」という点。
もっと言えば、「サイコロジカルラインはトレンドに関係なく上がったり下がったりできる」ということ。
実際に・・・
下降トレンド中でもサイコロジカルラインは大きく動き、株価がむしろ下げていても75%ライン付近まで上がっていることがわかります。
話をまとめると、
- サイコロジカルラインは値幅に影響されず、単純に前日比上昇回数に依存している
- サイコロジカルラインはトレンドに関係なく上下する
- サイコロジカルラインはトレンドと順方向・逆方向どちらの売買シグナルも出る
- トレンドをチャートから読み取り、できればトレンドと同じ方向の売買シグナルを待つ
- トレンドと同じ方向の売買シグナルは押し目や戻り売りのタイミングになりやすい
といった背景を考えなくてはなりません。
トレンドの判断には必然的にローソク足や出来高に加え、トレンド系のテクニカル指標が必要です。
逆張り指標として紹介されることも多いサイコロジカルラインですが、基本的にはトレンド系のテクニカル指標でトレンド判断をしながらトレンド方向に順張りするようにしましょう。
サイコロジカルラインは個別より指数に適している
サイコロジカルラインは計算式もかなり簡易的なものですし、個別銘柄の分析が満足にできるかと言われたら厳しいかなという気がします。
また、以下の参照リンクでも書かれているようになるべく市場参加者が多い指数や大型株のほうが効果的でしょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は市場心理を簡易的に数値化するサイコロジカルラインを紹介しました。
使いこなすには少し工夫が必要ですが、トレンド系のテクニカル指標と併せて良い手法がみつかるかもしれません。
ぜひご自身でも色々と試行錯誤してみてはいかがでしょうか。
それではまた!