どうも、ひげづら(@higedura24)です。
個人投資家にも人気が高いマーケットエンタープライズが、直近高値から17%もの下落を見せる場面がありました。
直近2日間の下落が需給なのか漏れていたのかわかりませんが、2019年11月21日の株価急落原因となったのは
「26万400株の立会外分売を実施すると発表した」
ことが原因です。
この記事では
- マーケットエンタープライズの簡単な紹介
- 立会外分売の概要
についてご紹介しました。
立会外分売のお話は今後も役に立つ知識ですので、簡単にでも覚えておくと良いですね。
マーケットエンタープライズの株価急落原因とは
マーケットエンタープライズはネット型リユース事業を運営している会社です。
外部参照リンク:マーケットエンタープライズ|会社概要
ネット型リユース事業とは、「ユーザーの不用品を販売店を持たずにネット上で買い取りから販売まで行う」という事業を言います。
マーケットエンタープライズのリユース事業では
- 品質保証がついている
- リユース品をプレゼントできる
といった点で新しいリユースの形を提供しているようです。
リユースセンターは全国に展開していて、ネット上のリユースメディアは「高く売れるドットコム」という名前で知られていますね。
また、企業の強みとして掲げているもののひとつに「ITシステムを自社開発している」という点があります。
- 商品データベースの一元管理
- 対象商品の落札価格をデータベース化
- 確実に売れて利益の取れる買取価格を設定
- 買取価格を査定の際に迅速に伝える体制を構築
といったシステムを自社開発していることで、効率的なリユース事業を行っているのが特徴です。
また、顧客への満足度を上げるためにリユース事業では珍しいコールセンターを設置する取り組みも行っているようですね。
こういった企業努力の甲斐あってか業績はかなり調子よく・・・
2017年の赤字から華麗な黒字転換を遂げています。
この記事を書いている少し前にも決算発表があり、
- 営業利益:前年同期比7.8倍
- 経常利益:前年同期比8倍
といった良い結果を受けてストップ高となりました。
最近ではマザーズから東証一部上場への市場変更に向けて動きがあり、今回の株価急落原因はここに関連したお話となっています。
26万株の立会外分配を発表
そんなマーケットエンタープライズが2019年11月20日の大引け後に株式の立会外分配を発表しました。
立会外分配とは
- 大株主が大量の株を処理したい場合に執行する
- 市場で大量の株を売却すると大きな値崩れになるので、それを避ける狙いがある
といったものです。
外部参照リンク:野村証券|立会外分配
個人投資家が立会外分配を受けるメリットとしては
- 購入手数料がない
- 数%ほどのディスカウント価格で手に入る
という点でしょう。
逆にデメリットとしては
- 立会外分配を受けた人の売りが一斉に出る可能性あり
- 場合によっては損失を被る可能性あり
- 市場に出回る株数が増え、需給変化となる
という点です。
似たようなものに公募売り出しがあり、その違いは
- 立会外分配の方が規模が小さめ
- 公募売り出しでは増資セットが多い
という点が挙げられます。
今回のマーケットエンタープライズの立会外分配は
- 規模:26万400株
- 期間:2019年11月28日~12月5日
- 分配値段:実施日前日終値もしくは最終気配値を基準に決定
という内容です。
この立会外分配は「東証一部上場を目指すために、株式分布を改善する(市場に出回る株を増やす)」という目的とのこと。
東証一部昇格には
- 株主数:2200人以上
- 流通株式数:2万単元以上
- 流通株式時価総額:20億以上
- 流通株式比率:35%以上
などの要件があり、要はこれらを満たしていくためには立会外分配が手っ取り早く、常套手段となっているわけです。
流動性が上がれば機関投資家の参入も見込みやすくなり、良い面もあります。
ただし、分配による需給悪化は短期的に生じる可能性があるとも言われているんですね。
マーケットエンタープライズの株価も立会外分配の発表を受けて、「短期的な需給悪化を懸念して売り出した」というのが大体の見方です。
ちなみに立会外分配発表後の11月21日は-7.82%の下落となり、2日前の高値からは約17%の下落幅となる場面もありました。
ただ、そこまで大きな出来高を伴っているわけではなくトレンドが崩れたという状況でもありません。
マーケットエンタープライズの株価暴落するの?
マーケットエンタープライズの立会外分配はむしろ良い事だと思います。
立会外分配の発表や、その前後では株価が動くかもしれません。
ただし、その目的は東証一部への鞍替えですので中長期的には良いことでしょう。
流動性が上がってザラ場でも触りやすくなりますし、本格的に一部上場へ動き出したなということでもあります。
立会外分配で利益を得る手法も世の中にはあるようですし、研究して一定の見解を得ればひとつの型にもなるのでしょう。
また、過去にも東証一部上場への鞍替えを目指すために立会外分配を行った企業はたくさんいます。
例えば最近では2018年8月に立会外分配を実施したチェンジが、その後大きく株価を伸ばしました。
赤枠が当初発表された分配期間です。
そこから分配の株価調整がなされたあと、ぐーっと株価が伸びていますね。
マーケットエンタープライズはリユース事業以外の稼ぎ頭が出来てきた段階で、業績にまだ伸びしろがありそうです。
東証一部上場を実現できるかもわからないし、してもチェンジのように株価が伸びるかは知りません。
ただ、マーケットエンタープライズの場合は大株主が売り出したくなるような悪材料はなさそうですし、分配後の株価推移を見ておくと良いのかなと思います。
まとめ
いかがでしたか?今回はマーケットエンタープライズの株価急落原因をご紹介しました。
ここから大きくトレンドが崩れるかより、分配後の株価推移が気になります。
東証一部上場が期待されている銘柄ですし、立会外分配の発表によって一時的に影響があるかもしれませんが中長期的には良いことでしょう。
もしチェンジのように株価が上がっていくならついていきたいなと思います。