株は需給だ!こんなフレーズを聞いたことがありませんか?
私もこれには大賛成で、シンプルながら本質を突いていると感じます。需給と聞くと難しく感じますが結局はこれに尽きるんですよね。
この記事では
- 株における需給とはどのようなものなのか
- 需給に対する様々な見方
などについて私見を述べていきます。あくまで私見ですが、おそらく誰が述べても言い方が違うだけで同じようなことを述べるのではないでしょうか。
それくらい株式売買において本質的なことだと思うので、これを機会にご自身でもどのような見方をしていくのか考察しておくことをおすすめします。
株における需給の見方とは
では早速ですが株における需給について順番に述べていきます。
需給の読み方は?
まずそもそもな話から入りますが、「需給」とはどのような読み方かわかりますか?
これは「じゅきゅう」と読み、いわゆる「需要(じゅよう)」と「供給(きょうきゅう)」を併せた言い方ですよね。
では需要と供給とはどのようなことを言うのでしょうか?
株式売買における一般的な見解としては
- 需要:買い
- 供給:売り
という解釈だと私は考えていて、需給状況とはこの両者の力関係を表すのかなと感じます。
基本的な見方
需給は買い手と売り手の力関係として話を進めた場合、基本的な見方として念頭に置きたいのは
- 当該銘柄を欲しいと感じる人がどれくらい存在しそうか
- 当該銘柄をいらないと感じる人がどれくらい存在しそうか
この2つの視点でしょう。
例えば超絶好材料が出た銘柄はまず間違いなく欲しいと感じる人は増えるでしょうし、その逆もまたあり得るわけです。
前者の場合は需要(つまり買い手側)の勢力が勝るので少数派の売り手側が足りずに株価はつり上がっていきます。
なぜつり上がるのかというと
- 株価が上がったとしても欲しいと感じる人が多い
- 株価が上がることで売り手側に回る人も増える
といったことが起きるからですよね。
しかし、これはいつまでも続くことではありません。やがて株価が上がり過ぎれば
- 株価を割高に感じる人が増えて買い手は減る
- 買い手が減ったことで急いで売る人も増える
となるはずなので・・・株価がストンと下がってもおかしくはありません。つまり株価が上がり過ぎて需給関係が反転する前に自分は降りておく必要があり、それを察知するための術があると心強いですよね。
このように株価の動きによって投資家の心理は動き、それによって需給関係もめまぐるしく変わるのだということを理解した方が良いと私は考えています。
付随的な見方
株における需給には上記のような基本的な見方があると述べましたが、そこに付随する見方もあります。
ここで質問ですが、例えば小型株が見せるような激しい株価の動きに対して素早く臨機応変に対応し続けることは可能だと思いますか?
私の感覚ではかなり難しいことだと感じていて、イメージとしては・・・
こういった直近高値圏に移行したあとの激しい上下運動にびったりとついていけるかは場合によりますよね。
図のチャートでは長い下髭を引いたり上髭を引いたりしていますが、日中値幅は株価に対して10%や20%を超えていますので結構激しい部類でしょう。
ザラ場の動きを見ている場合はメンタル的に割ときついものがありそうです。
ここで出てくる考え方が「赤丸のような高値圏に飛ぶ前段階から持っていられたとしたらかなり心持ちが違う」というものですよね。
上のチャートで言えば350円とかそれくらいの価格帯で保有できていれば赤丸部分で激しく動いても含み益には変わりないので、激しく含み益と含み損が入れ変わる状況よりは余裕があるということです。
したがって株における需給状況を見る上で付随的に出てくる考え方とは「やがて話題になるような銘柄を見つけなければならない」というもの。
やがて買い手の勢力が増して株価が高くなるような銘柄を先回りできたとすればこれほど強い状況はありません。
そうなるために必要な条件として考えられるのは
- たまたま見かけたモノやサービスに対してアンテナを張り、世の中にヒットしそうなものを見つけていく
- すでに出ている材料がさらに周知される前に乗っていく
- 銘柄の売買状況から怪しさを察知して本格的な流れが始まる前に乗っていく
といったことが挙げられます。
需給状況を直接表すものとは
ここまでの話をまとめると
- 株価の動きによって投資家の心理は大きく左右される
- 投資家の心理によって需要と供給の関係は変化する
- 需要が勝っていても株価がつり上がればやがて逆転して株価は落ちる
- 売り手勢力が勝る前に察知して降りておきたい
- 値動きが活性化されればめまぐるしく需給状況は変化する
- 完全に対応することは難しいのでその前に乗っておきたい
といった感じですね。
こういったことをリアルタイムに掴むための情報で欠かせないのが「出来高」です。出来高は直接的な需給を表すもので、出来高例としてこのようなことが述べられます。
- 株価が高く上がったところで出来高を大きく伴って大陰線となった:売りたい人が増える転換点に触った
- 株価が下がってはいるものの出来高が大きく減ってある価格で落ち着いた:売りと買いが拮抗して株価が折り合い始めた
- 株価が大きく下がったもののあるところで大きな出来高を伴って大陽線が出た:買い手が一気に増える転換点に触った
上記はあくまで可能性を示唆するものであり完全ではないですが、ここに
- しっかりとした材料が併発した
- 好決算など1株あたりの価値が高まった
という状況が伴えば冒頭で述べた「その株を欲しいと感じる人がどれくらいいそうか」という点にもつながって信ぴょう性が増すとは思います。
何が言いたいかというとここまで述べてきたような株における需給状況の基本的及び付随的な考え方を念頭に置きつつ、
- まずは出来高の見方を身につける
- 出来高が好転する状況を補助する情報にも着目する
- 逆に言えばエッジの効いた出来高があれば材料チェックする
といったことが大切なのだということです。
株が必要とされる状況をシンプルに考える
今回、自分が伝えたいことをうまく書けるか心配でしたがなんとかここまで言語化できました。
ただ、ちょっと難しく考えすぎてしまった感もあるので最後に「その株が必要とされる理由をシンプルに考える」ということを付け加えておきたいと思います。
例えば以前書いた記事に以下のようなものがありました。
この記事では天気を例に株価がどういった動きをするのか述べていますが、要はこういった考え方があれば十分かなとも思うんです。
例えば天気で言うなら
- 暑い日が続けばアイスや猛暑対策グッズが売れる
- 寒ければ防寒着や除雪用品が売れる
- 台風が多ければ災害対策や修理用品が売れる
というのは当たり前で、当然そういったことに関係する企業の株は買われます。
なぜなら売上高が天気を要因に上がると考えられるからで、これこそが「株における需要をシンプルに考える」ということに他ならないですよね。
出来高がこうなったから株価はこうなるだろうとか考え始めたらキリがないという側面もあるので、
- その銘柄への需要をシンプルに考えること
- 需要を考察した上で出来高を見ていく
といったことが順不同で大事なのではないでしょうか。
極論としては何かしらのイベントが起きる前に出来高がじわじわ上がっていたら誰かが買って誰かが売っているわけなので、大きく動く前に自分も乗るという流れですよね。
このチャートはかなり過疎っている銘柄の上昇前から上昇後の推移を表したものですが、事前に出来高が少しずつ増加しているのがポイントだと思っています。
上昇中や上昇後はもちろん出来高が増加していますが、これは株価上昇につられて寄ってきた買い手とそれらに売りつけている様子を表しているのでしょう。
こんな状況をイメージしつつ、もし見つけたらなぜその銘柄への需要が上がっているのか考えてみるのも面白いですよね。
まとめ
今回は株式売買における需給の見方について私見を述べてみました。うまく伝わったかわかりませんが、シンプルに言えばなぜその銘柄が必要とされるのかが大事です。
その上で値動きの基本的な性質やそこから出てくる付随的な見方などを意識したいところでしょう。
難しく考え出せばキリがないですが、経済と株式市場はリンクしているので日々の出来事から需給を考えていくと少し違った角度から株価の動きを考えられると思います。
行き詰まったらシンプルになぜその銘柄の株価が動いているのか、これから動きそうな銘柄はどんなものか考えてみてはいかがでしょうか。