ウクライナの影響で株価下げすぎの欧州関連銘柄2選

    

今回はウクライナショックの影響で下げすぎてしまいそうな株をピックアップしてみました。現時点では下げ過ぎと明確に言えなくても、今後の見立てとして下げ過ぎてしまうんであればリバ取り候補として使えそうです。

ロシアとウクライナの話がどれだけ続くかはわかりませんが、おそらくこういった類の話は悪い印象が行き過ぎてしまい過度に売られるはずです。

その売られ過ぎた分は値幅として取れるという考え方があり、今回はそういった意味で有用な銘柄だと思います。

ウクライナ関連は短期的に注目度が高いのでしっかりチェックしておきましょう。

    

ウクライナの影響で株価下げすぎの欧州関連銘柄

今回ご紹介するのは欧州関連銘柄というやつですね。これはどういうものかというと欧州で売上高比率が非常に高いという銘柄群です。

つまり利益の多くを欧州から得ているということが言え、非常にロシアやウクライナの状況から波及する欧州状況などに影響を受けやすいということになります。

例えば日経平均金株価が10%下げているようなところでこういった関連銘柄は15%下げたり、振り返ってみたら数十パーセント高値から下げたみたいなことは結構あります。逆に言うと売られ過ぎの可能性というのが出てくるんじゃないかなとそういった目線で考えられるわけです。

この欧州関連の売上高比率が高いことに加え、今回拾い上げる銘柄の追加条件は減益傾向ではないということですね。これは業績によって株価が下げているという可能性を排除する目的があります。

さらに二つ目の追加条件は直近の進捗率です。過去実績として良くても直近状況が悪いので株価が下げているという可能性もあるので、進捗率も大事にしました。

最後にウクライナの話自体も悪材料っていうのはあるんですけれども、それ以外には悪材料がないという点も大切にしました。今回はこういった3つの追加条件にも合致する銘柄を2つピックアップしました。

DMG森精機

では早速その一つ目からご紹介していきます。まずはDMG森精機という会社で、こちらの会社は時価総額が2000億円前後でPER8倍という比較的割安な株ですね。利回りもチェックした時点では3.7%で、こちらも比較的高い水準だと思います。事業内容はマシンツールで売上高比率70%、インダストリアルサービスで30%という機械セクターの銘柄です。

特筆すべきは海外売上高比率で、なんと82%は海外から稼ぎ出しているというそういった会社でもあります。その具体的な受注比率なんですが・・・

このような推移ですね。例えば2021年の第1Qから4Qまで見てみますと、

  1. 欧州
  2. 中東
  3. アフリカ
  4. ロシア
  5. トルコ
  6. ドイツ

といった地域から売上高をもらっています。足し合わせてみると50%前後は中東やヨーロッパ欧州系から得ているんじゃないかなという状況です。それぞれの地域の受注状況を見てみますとコロナ前水準にやっと回復してきたかなというところのようでしたが、今回の騒ぎは災難でしたね。

ちなみに受注単価の推移を見てみると増加傾向かつユーロ建ての影響が大きくなっていました。そんなDMG森精機の業績は・・・

17年から24年の中期経営計画まで見てみますと、直近は増益傾向です。そして配当も過去60円だったんですが、ここにやっと回復してくるかという見通しです。

一応、中期経営計画だとそこにとどまらず70円80円と連続増配を続けて、増益もどんどん続いていくぞとそういった見立てではあります。実際、直近は4期ぶりに過去最高益更新する見通しです。

続いて株価推移を見ていきますが、

まず週足ではこのように上昇傾向がずっと続いていて、直近ウクライナの影響で下げているとそういった状況ではないでしょうか。

続いて日足ですが高値から30%以上下落していますね。ちょっと売られ過ぎの懸念がだんだん出てきそうかなとそういったチャートに見え、しばらく続落が続くんじゃないかなと考えています。

シマノ

2銘柄目はシマノです。比較的大きい会社なので知っている方も多いんじゃないでしょうか。こちらの会社は自転車ブレーキで世界シェア首位という会社で、

  1. 自転車部品で79%
  2. 釣具関係で21%

という売上高比率になっています。海外売上高比率もかなり高く88%、時価総額が2.44兆円でPER20倍ですね。まぁあまり低くもなくすごく高いっていうわけでもないんですけれども大型の中では比較的高いかもしれません。

配当利回りは0.9%なので成長路線という状況でしょう。ちなみにROE18.8%で自己資本比率も87.3%のため、まず倒産の心配はないのかなと思います。そんなシマノですが、海外売上高のうち欧州売上高比率はだいたい40%前後です。これは2020年でも2021年でもこのくらいですね。

業績は直近で大きく数字が伸びていまして、2期連続最高益更新という状況です。背景としては新型コロナウイルス感染拡大により世界的なサイクリングブームが起きたことが大きく、釣りブームも同じ要因でしょう。

シマノの株価推移ですが・・・

週足はこんな感じで、先ほどの森精機と同じく上昇傾向からウクライナショックで下げてきた状況でしょう。続いて日足ですが・・・

このように高値から30%以上下落しています。直近大きく跳ねていますが、これは決算内容がコンセンサス以上に数字が良かったので反応しました。その後は下げて窓埋めしている状況のため、決算後のセカンダリーみたいな意味合いとしてもこういったチャートは跳ねることが多いですよね。

ウクライナ関連欧州銘柄を狙う注意点

こういったウクライナショックで下げすぎた欧州関連銘柄を狙う際の注意点ですが、そもそもウクライナリスクの後退ムードがないと大きく上値を狙うのは厳しいと思いますね。

落ちるナイフをつかむ行為っていうのは絶対に避けなきゃいけませんので、とりあえずは監視にとどめておくということです。

リスクが後退してからやっとそのチャートを見れるようになりますが、大きく下げた銘柄の初動リバは強い傾向にあります。

これは売りが先行しすぎたからこそ起こる値動きですが、実際に業績に影響する可能性を考えると短期目線で狙う方が無難かなとも思います。

したがってウクライナリスク後退を市場が意識した際のリバ狙い銘柄と考え、好業績はその際の保険です。好業績という条件はついているものの、うまく拾えたからといってそれを決算まで持つのではなくそれなりに取れたら抜けるイメージで考えています。