チャートに業績や決算発表日を書いてみよう!値動き変化が面白い!

    

株価の動きは色々な要因で大きく左右されますが、その代表的なものに決算発表日があります。

決算発表は四半期に一度行われ、その度にそれを見た投資家の反応が株価に表れるわけですね。

しかし、その反応が必ずしも正しいわけではなくて、その少しあとに真逆の動きをするケースもあります。

今回はそういった「決算発表日を起点にどのように株価が変化したのか」をわかりやすくするため、チャートに情報を書き込んでみようというお話です。

株価と決算発表日にどのような関係性があるのかわかるので、保有株についてやってみてはいかがでしょうか。

    

株価の動きと決算日を照らし合わせる方法

まずチャートに決算日を書き込むためには

  1. 大きなチャート
  2. 決算日の情報

が必要ですね。

これらは割と簡単に手に入りますし、エクセルを使えばちゃちゃっと全体像が掴めます。

チャートは楽天証券のマーケットスピード2などPCツールがあればそれを画面キャプチャーするだけ、決算日の情報は株探などの情報サイトで調べれば問題ありません。

それらを使ってどのような関係性があるかを細かく見ていけば、大体の傾向や流れは掴めると思います。

業績変化や決算発表日をチャートに書いてみよう

では実際にチャートに決算日を書き込んでいきますが、今回例題として出すのはパンパシフィックHDです。

パンパシフィックHDは業績好調の中大型株で、決算発表の度に割と良い結果を出しています。

しかし、株価の動きはそれと反対のことがあるので良い例題になるはずです。

好決算でギャップアップしても押し目はある

まずは2019年11月6日に発表された第1Qの内容です。簡単に言えば

  1. 連結経常利益が前年同期比14.1%増に伸びた
  2. これにより11期連続で上期の過去最高益を更新する見通しとなった
  3. 通期の経常利益も従来予想から3.0%上方修正

とかなり内容の良いものでした。そのおかげで株価も・・・

赤枠部分のようにギャップアップしました。しかし、着目したいのはそこからすぐに下げて、そのあとに上昇を再開している点です。

では次の決算期はどうでしょうか。次は2020年2月5日に発表された第2Qです。

  1. 前年同期比28.9%増に伸び、従来予想を上回って着地
  2. 通期の経常利益を従来予想から5.9%上方修正し、11期連続で過去最高益を更新する見通し
  3. 年間配当もわずかに増額

こちらもかなり良い内容で、株価が上に反応してくれそうですね。実際のチャートは・・・

大きくギャップアップしてくれましたが、第1Qと同様にすぐに下げに転じています。ただし、そのあとは再上昇が始まり高値更新ともなっていますね。

この2例から何が言いたいかというと

  1. 好決算でギャップアップしても下げる時は下げる
  2. 将来の見通しが良ければ再上昇する確率は高い
  3. 決算後すぐに飛び乗ったりはせず、様子を見ることもリスクを減らすために大事なこと

という点です。

もちろん、パンパシフィックHDはすでに時価総額がかなり大きくなっているので小型株と同じ考え方はできないかもしれません。

しかし、どんな株であろうと「上がってしまったら一呼吸置いてみる」という姿勢は無用な売買を減らすために大事なことです。

好決算後に上がる様子を見ていると安心して飛び乗ってしまいそうですが、焦らずに押し目を待っても間に合う時は多いですね。

内容が悪くても上げる時はある

最後に2020年5月8日に発表された第3Qの内容です。

  1. 連結経常利益は前年同期比15.6%増に伸びた
  2. 通期の経常利益は従来予想から1.4%下方修正

今回は前回上方修正した内容を下方修正しているので少しネガティブな内容ですね。このおかげで株価は・・・

ギャップダウンしていますが、ほどなくすると再上昇となっています。

先ほどまでの2例とは逆の動きですが、最終的な方向感は同じですね。これは下方修正したとはいえまだ増益率を4%ほど保っているからかもしれません。

結局、決算日直後の株価変化なんてあまりあてにならなくて、大事なのは大局的な方向感だと感じます。

決算後にすぐ飛び乗ってしまう方は色々な銘柄の決算後の動きを洗い出してみると考え方が少し変わるのでは?

株価の流れを決算日で区切って掴む

ではパンパシフィックHDの全体の流れをもっと俯瞰的に見てみましょう。

先ほどまでは局所的でしたが、これを過去の値動きを含めてつなげてみると・・・

こんな感じになりました。図の縦ラインの意味は

  1. 赤:20年第1Q
  2. 青:20年第2Q
  3. ピンク:20年第3Q

の決算日です。

こう見ると株価全体としては上昇トレンド中の高値圏で踊り場(黄色枠)を作っていたんだなということがわかりますよね。

また、第1Q(赤ライン)ではまだボックスの高値に達していませんでしたが、第2Q(青ライン)でそこをブレイクした流れも感じ取れます。

ブレイク後は一度深めに押していますが、すぐに上の価格帯に戻って第3Qを迎えて、それでも上昇傾向は変わらずで・・・と大局的な流れがわかったわけです。

単純にチャートだけ見ても「あ、保ち合い中だ」とかしかわかりませんが、そこに決算情報や材料日が加わるとなぜブレイクしたのかチャートの裏側がわかります。

これって中長期的には結構大事なことで、株価が何をあてにして動いているのか推測するのに役立つんですよね。

パンパシフィックHDの場合はコロナの暴落もなんのそのだったので、市場としてもまだまだ増益が続きそうだと感じているのかもしれません。

そもそもチャートを広い範囲で眺める方も少ないかもしれませんが、それに加えて色々な材料を照らし合わせてみるとチャートの見方が変わると思います。

まとめ

今回はチャート上に決算日を書き込んで株価の動きと照らし合わせるという内容についてお話しました。

少し時間はかかりますが、長めに付き合いたい銘柄に対してだけでもやっておくとチャートの見方が変わるはずです。

広いチャートや決算など材料の情報も簡単に手に入る世の中ですので、ぜひお試しください。

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