電力株やガス株の特徴!総合エネルギー事業への転換に注目しよう!

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

株式市場で最も内需株と呼ぶのにふさわしいセクターは「電力・ガス株」と言われています。

今回はそんなデフェンシブ株の代表格である電力・ガス株の特徴をご紹介しました。

その昔は安定配当株として不動の地位があった業種でもありますが、

  1. 電力小売りの自由化
  2. 原発問題

など様々な要因で業界編成が起きていることも特徴ですね。

電力・ガス株は一体どのような特徴があって、どういったことに着目すべきなのかをまとめましたのでご参考下さい。

    

電力株の特徴とは

まずは電力株の特徴についてです。

電力株は私たちの生活に欠かせない電気を各家庭や企業に提供するのが主な事業内容ですね。

電力株の有名所といえば

  1. 東京電力HD
  2. 関西電力
  3. 中部電力
  4. 中国電力
  5. 北陸電力
  6. 東北電力
  7. 四国電力
  8. 九州電力
  9. 北海道電力
  10. 沖縄電力

の10銘柄が挙げられ、各銘柄名についた地域に電力を供給しています。

電力を供給するためには発電しなければならず、

  1. 原子力発電所
  2. 火力発電所
  3. 水力発電所

などの設備を保有して、それらを維持管理していく必要もあるでしょう。

これらの発電所割合は電力株ごとに異なるので、それが個性でもあり投資家の銘柄選定にも影響していると言えます。

設備自体はどれも大がかりなもので、その影響から自己資本比率は業種全体として低いことが特徴です。

ただし、昔から言われている電力株の大きな特徴として

  1. 生活や事業に電力は必須である
  2. 電力に変わる新しい何かが生まれない限りは事業がなくなることはない
  3. 自己資本比率が小さくても倒産リスクは限定的

というものもあります。

また、比較的安定した配当利回りも特徴のひとつであり、事業安泰と配当を背景に長期保有する方もいらっしゃることでしょう。

こういった背景から電力株は安定的な内需株の代表としてポートフォリオの一部を担ってきた業種です。

配当利回りの特徴

電力株の配当利回りは比較的高く、この記事を執筆している2019年12月時点では

  1. 関西電力:3.85%
  2. 中部電力:2.84%
  3. 中国電力:3.39%
  4. 四国電力:2.68%
  5. 東北電力:3.54%

と悪くない数字を示しています。

そんな配当株としても人気がある電力株ですが、実は業界首位である東京電力HDは無配という特徴をご存じでしょうか?

その理由は2011年の東日本大地震と津波の影響で原発事故が起きたからです。

東京電力HDは原発事故で政府の一時公約管理下におかれ、賠償や廃炉費用が続いている状態として知られています。

ちなみに東北電力などその他の電力株も2011年や2012年に無配を発表しましたが、2014年や2015年には順次復配となった経緯がありますね。

そんな中、中国電力と沖縄電力はしっかりと配当を出してくれた数少ない電力株であり、配当目的で長期保有という意味では大きな意味合いがあるでしょう。

季節性について

電力株は固有の地域へ電力を供給しているためか、業績比重に特徴があります。

例えば北海道電力であれば冬に業績ピークがくると予想しやすいですよね。

その他にも第1クオーターに進捗率がマイナスになるものもあれば、第2クオーターに大きな比重があるものなど様々です。

一般的には

  1. 夏:クーラーで需要増加
  2. 冬:暖房で需要増加

と考えられるので、その少し前辺りから物色されてもおかしくはありません。

冬に関してはガス株も出番があるので、どちらかといえば夏の方が注目されやすいかもしれませんね。

ちなみに、季節性が関係するということは冷夏や暖冬などの天候要因も影響するということですね。

それが全てではありませんが、気象庁が出してくれる情報にも注視しつつ電力株の値動きを観察したいところです。

発電方式の比率

先ほど、電力供給のために原子力発電所や火力発電所などを保有していて、それらの割合は電力株によって特徴があると言いました。

例えば、

  1. 関西電力:原発依存度が高い
  2. 中国電力:石炭火力が約5割
  3. 北陸電力:石炭火力と水力の比率が高い
  4. 沖縄電力:石炭と石油火力が主体だが、LNG火力も拡大中

といった具合にそれぞれ特色があります。

日本国内では原子力発電が低コストで発電効率が良いと考えられていた背景がありましたが、震災の影響でかなり見方が変わってきていますよね。

原子力発電所を停止している電力株もあり、今後どのような発電がメインとなっていくのかは注目しておきたいところでしょう。

再生エネルギー関連の材料が増えてきている背景もありますから、中小企業を含めた提携や商社株などとの関連にも気を配った方が良いのかなと感じています。

円高と燃料価格

電力株は内需株ではありますが火力発電所を稼働させるための燃料を輸入している関係上、

  1. 円高:株価にとって上昇要因
  2. 円安:株価にとって下落要因
  3. 燃料安:株価にとって上昇要因
  4. 燃料高:株価にとって下落要因

と言われています。

ちなみに円高がポジティブに取られているのは輸入している身だからですね。

とはいえこれらは短期的な利益拡大要因ですし、発電方式の比重にも影響される部分だと思います。

また、コストが下がればタイムラグはあれど料金に反映されるので、株価への影響も限定的な話かもしれません。

自己資本比率と金利

電力株は有利子負債額が大きいため、金利動向にも業績が左右されると言われています。

金利が低いほど株価にとってはプラスとなりますが、こちらも

  1. 利益拡大は料金引き下げ
  2. 金利が高くなれば料金が上がる

という背景もあり、あまり関係がないのかもしれません。

電力株の業績が一定の水準を保てるのもこういった料金の仕組みが関係していて、長期的には影響が少ない可能性はあります。

電力株の買い時

電力株の買い時は

  1. 配当利回りが高い水準にある時
  2. 資金を市場内に置きながら温存したい時

です。

配当利回りがそこそこ期待できる内需株という位置づけからも、上記のタイミングは物色されやすいですね。

株価が下がってくると配当利回りも相対的に上昇してくるので、そういったタイミングは特に狙い目です。

配当権利確定日に向けて株価が動くことも考えやすいセクターですので、権利落ち前に利食いするのも良いでしょう。

資金をキャッシュで持つことを好まない場合、電力株のような内需株の中でもさらに安定志向のセクターに資金を置くと良いとも言われています。

ただし2019年は関西電力にも大きなスキャンダルが出ましたし、そういった銘柄ごとの事情にもよるとは思いますが。

ガス株の特徴とは

次にガス株の特徴についてです。

ガス株と言えば

  1. 東京瓦斯
  2. 大阪瓦斯
  3. 東邦瓦斯

などが有名で、同じセクターでまとめられているだけあって配当利回りや業績の安定性など電力株と類似した特徴が多いと言われています。

ガス株が供給しているのは

  1. 都市ガス
  2. LP(プロパン)ガス

で、それぞれ特徴や価格などが違うことは有名ですね。

ガス株の総合エネルギー事業化

電力株もそうですが、ガス株は小売り自由化によってガス以外の事業に関しても幅広く展開するように業界編成が行われています。

例えば東京瓦斯は電力関連事業を始めているだけでなく、再生エネルギー関連にも着手していますよね。

かなり前からオール電化住宅の流れがあり、そこから電力小売りの自由化などが追加され、さらに企業の環境問題への意識を高める動きが入り・・・とガス株は総合エネルギー事業へと進化することになったわけです。

また、海外事業へも積極的になりつつあるので今後の海外企業との絡みが楽しみでもあります。

液化天然ガス(LNG)とは

ガス株や電力株の事業において液化天然ガス(LNG)は重要な位置づけがあります。

LNGとは

  1. 天然ガスを冷却することで液化したもの
  2. 世界中に豊富に存在し、安定供給可能なエネルギー源とされる
  3. 過去にはエネルギー供給の1%ほどを担っていたが、昨今では石炭に匹敵する24%の供給源
  4. 輸入量の7割は火力発電に、残りは都市ガスに使用されている

といった特徴がある資源です。

電力株は震災の影響を大きく受けたことを前述しましたが、原子力発電の割合を縮小する流れによって火力発電の重要性が増しています。

すなわちこれはLNGの需要増加を意味していて、今後のエネルギー株の株価動向に関係してくるものだと言えるでしょう。

燃料は電気料金にも関係する部分なので、光熱費の動向を掴むうえでも重要です。

ちなみにLNGの価格は原油価格に連動することで知られていますが、若干それよりも緩やかな値動きになります(全く相関しない時期もありますが)。

昨今では海上LNG供給やその規制緩和なども話題ですので、海運株や商社株などとも関連材料が出てくる流れと言えそうですね。

電力・ガス株の今後の見通し

LNGへの需要が高まっていると言いましたが、火力発電は地球温暖化問題とも関連してくる部分なので再生エネルギーへのシフトも考えられています。

例えば

  1. バイオマス
  2. 洋上風力発電
  3. 地熱発電

などは有力視されている代表的なもので、関連事業への需要が高まってもおかしくはありません。

日本国内は火山地帯が多いということからも地熱発電が狙い目とされていて、

  1. 大型地熱発電の開発・出資
  2. ボーリング機器や地質調査

に関連する銘柄が物色されやすいと思います。

どんな再生エネルギーにせよ、エネルギー株が今までの原子力や火力発電から脱皮して総合的な事業へと編成されていくことが望ましいのではないでしょうか。

また、電力・ガス株は

  1. 不動産
  2. 建設
  3. 燃料電池

などエネルギー事業以外への投資も行っています。

現状では電力やガス事業が大規模なためそこまで比重は高くありませんが、今後どのような進展を見せるのか楽しみですね。

まとめ

いかがでしたか?今回は電力・ガス株の特徴についてご紹介しました。

エネルギー株は安定な内需株や配当株といった特徴から一定の人気がある業種です。

為替・金利・燃料価格などに株価が影響を受けやすいですが、料金の上下もあって長期的には影響が少ないとも言えます。

原子力発電から火力発電への需要が高まっている背景もあり、LNG関連の材料も散見されていることも特徴です。

ただし業界としては地熱発電など再生エネルギーへの転換が望まれていて、今までとは違った形を含めつつ総合エネルギー事業へ転換している途中だと言えるでしょう。

関連銘柄にも注視しつつ、長期的に保有していきたいセクターですね。

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