どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式投資では分散投資がひとつのキーワードとして扱われています。
その理由は資金を複数銘柄に分散してあげることで、どれかひとつが急落しても資金全体にリスクが及ばないようにできるからですね。
しかし、実際に複数銘柄に資金を分散しても「どの銘柄も連動した急落を見せて大きな損失を被った」というケースもあります。
これは非常に悲しいケースですが、そういった経験がある方にお聞きしたいのは銘柄だけでなく業種も分散投資できてますか?ということです。
この記事では
- 業種の分散投資とは何か
- なぜ業種を分散するとメリットが大きいのか
- 業種を分散投資する際の注意点は何か
ということを書きました。
株初心者さんには驚きのお話かもしれませんが、この機会に知識として持っておいていただけたらと思います。
分散投資以外の観点からも、必ず役に立つ内容ですよ。
株の分散投資は業種も重要な理由
株式市場には「業種」とか「セクター」なんて呼ばれている概念があります。
この業種は東証(JPX)が定めたものであり、全部で33業種に分かれていることで有名です。
例えば、国内を代表する企業であるトヨタ自動車であれば銘柄コード「7203」の「輸送用機器」という業種に分類されます。
この業種と銘柄コードには実は関係があり、以下のような目安で割り振られているんですね。
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銘柄コードに関してはあまり覚える必要はありませんが、
- どんな業種が存在しているのか
- 業種ごとの特徴はどんなものか
に関しては知っておく必要がありますね。
この業種別の特徴こそが、株の分散投資に関係してくる部分になります。
景気敏感株と内需株
先ほどお見せした表とは別に、株式市場では
- 景気敏感株
- 内需株
という分類があります。
景気敏感株は「シクリカル株」、内需株は「デフェンシブ株」なんて呼ばれ方もするので覚えておくと良いです。
これらの特徴は
- 景気敏感株:海外情勢や為替など景気に影響されやすい
- 内需株:国内で利益を得ているので国内情勢に影響されやすい
というものです。
簡単に言えば景気に影響されるかどうかの違いで、一般に景気敏感株の方が値動きが大きくて、内需株の方が安定している代わりに値動きは小さいと言われています。
景気敏感株や内需株は「どの業種かによって分類されやすく、銘柄分散する上で重要なファクター」です。
例えば内需株の一角である「電力株」について考えてみて下さい。
電力株は私たちの住む家に電気を供給してくれる会社が所属している業種です。
景気がどんなに悪くても
- 電気を使わずに生活することはできない
- 様々な事業に電気が必要
だと言えませんか?
必ず業績が伸びていくわけではありませんが、そういった状況から内需株だと考えられ、景気による落ち込み具合も少ないというのが特徴でしょう。
したがって、株に分散投資するなら内需株もポートフォリオに入れておいた方が長期的に安定すると言えます。
では景気敏感株である「卸売業(商社株)」はどうでしょうか?
商社株は国内はもちろん、積極的に海外企業とも連携して様々な事業を始めたり、投資するのがお仕事です。
うまくいった事業や商品によって国民の生活や経済が豊かになったり、事業売却で利益も得られます。
景気が良ければ一緒に事業を始めてくれる海外企業も多いでしょうし、仕事もたくさんあって株価も伸びそうですよね。
しかし、ひとたび景気が悪くなれば業績に直結して落ち込む側面もあります。
それゆえに景気が良い時はポートフォリオの調子が良いですが、景気が悪ければ足を引っ張りやすいわけです。
だからこそ内需株と抱き合わせで保有して、
- 景気が良い時はシクリカル株を多めに
- 景気が悪い時はデフェンシブ株を多めに
と分散投資する投資家が多いと言えます。
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輸入関連株と輸出関連株
景気敏感株や内需株と同じような考え方に、
- 輸入関連株:円高で業績向上
- 輸出関連株:円安で業績向上
という括りもあります。
日本は輸入によって成り立っている国なので、主要企業の多くは為替変動に影響を受けやすいです。
上記の輸入や輸出関連株は
- 円高:海外での仕入れが安く行える
- 円安:製品を高く販売できる
という背景から株価も変動するわけですね。
ちなみに輸入関連株と輸出関連株の例としては
- 輸入関連株:水産・紙パルプ・電力ガス・空運・陸運・食品など
- 輸出関連株:自動車・電機・機械・精密など
が挙げられます。
景気敏感株や内需株と併せて意識しつつ、分散投資のポートフォリオを組むと良いですね。
内需株と海外売上高比率
内需株は基本的に国内で利益を得ている存在だと言えます。
しかし、これは教科書的な内容であるケースもあって、実際には個別銘柄の「海外売上高比率」を見てもらいたいです。
ちなみに海外売上高比率とは「海外にどれくらい売り上げを持っているかの割合」を教えてくれる指標で、証券アプリの四季報欄で簡単に確認可能ですよ。
例えば、内需株で有名な食品株の代表格である「カルビー」を見てみましょう。
カルビーは国内でばかりお菓子を販売していると思われがちですが、実は海外売上高比率16%です。
これはもうすぐで売上全体の2割に達してしまいそうですね。
食品株では海外売上高比率を上げる動きが目立っていて、近い将来に内需株とは言えなくなるかもしれません。
内需株だと思っていても、実は結構な海外売上高比率を持っていたケースは実際にあるので、しっかりと海外売上高比率を確認してくださいね。
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株の分散投資は業種だけではない
ここからは少し番外編の分散投資についてお伝えします。
季節性を考慮した分散投資
株式投資の世界には少なからず「季節性」が関係しているのはご存知でしょうか?
例えば
- 春前に反応しやすい株:花粉症や新生活準備などに関連
- 夏前に反応しやすい株:ビールやアイス、エアコンなどに関連
- 秋前に反応しやすい株:ノーベル賞やハロウィーンなどに関連
- 冬前に反応しやすい株:インフルエンザや暖房機器などに関連
といった具合ですね。
秋関連はかなり胡散臭いものもありますが、その他の季節株はそれなりに信頼できる側面を持っています。
そのため、長期目線で分散投資する場合にはこういった季節性も考慮してあげると良いでしょう。
もしくは季節に合わせてポートフォリオを組み替えていく考え方ですね。
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業種別ETFを活用した分散投資
先ほど「業種によって色々な特徴があるので景気敏感株や内需株、輸入出関連株などを組み合わせて分散投資する」ということをお伝えしました。
しかし、この時に悩みがちなのは
- それぞれの業種に色々な銘柄がある
- 業種ごとどの銘柄を保有しておけば良いのかわからない
- 多くの銘柄を買おうとすると元手がそれだけ必要になってくる
ということではないでしょうか。
そこでおすすめなのは「業種別ETF」です。
実は国内株式市場にはETFという上場型投資信託があります。
例えば銘柄コード1629のNF商社卸売という銘柄であれば「商社株に準じた値動きをする」という特徴があるんですね。
したがって、商社株全体に投資していることと同義になり、個人投資家でも簡単に業種全体に投資できるわけです。
こういった業種別ETFを上手に組み合わせてあげることで手軽な分散投資が可能で、少額からでも行えるメリットがあります。
ただし、あまり知られている存在ではないので需給面に不安はあるでしょう。
したがって
- 短期的な値動きで考えるものではない
- 長期的に対応業種の指数に連動する
- その日に売買が成立しないこともある
- あまり多くを保有するとリスクが高まる
といったデメリットもあります。
まとめ
いかがでしたか?今回は株の分散投資には業種の要素も関係しているということをお伝えしました。
内需株や景気敏感株などに着目しながら分散投資することで屋台骨が強くなり、安定したポートフォリオとなりやすいです。
業種に加えて季節性や海外売上高比率を意識しながら、楽しんで分散投資してみてはいかがでしょうか。
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