どうも、ひげづら(@higedura24)です。
みなさんはキャッシュフロー計算書というものをご存知ですか?
キャッシュフロー計算書は貸借対照表にも損益計算書にも載っていない企業のお金の動きを教えてくれる大事な表です。
この記事ではキャッシュフロー計算書のポイントをわかりやすく解説しました。
初心者さんでも、ポイントだけはしっかりと押さえていただきたい内容です。
キャッシュフロー計算書とは
企業が決算発表で出す「財務諸表」では
- 貸借対照表
- 損益計算書
- キャッシュフロー計算書
の3つが重要視されます。このうちの貸借対照表は企業の資産と負債を表しているものです。
しかし、貸借対照表に記載されている資産は「未来に受け取る予定の資産」も含まれているわけです。
そのため、企業の資産として表記されていても実際には手元にないお金の可能性もあるんですね。
そこで出てくるのがキャッシュフロー計算書。
キャッシュフロー計算書では企業の
- 営業:本業における流入出
- 投資:将来に向けた流入出
- 財務:借入に関する流入出
の観点から現金の流れを記載しています。
営業キャッシュフロー
営業キャッシュフローは本業に関するお金の流入出が書いてあります。
本業に関することなので、この部分は基本的にプラスの値を示していなくてはなりません。
営業キャッシュフローがプラスであることによって
- 将来に向けた設備投資や新店舗、新規事業の開拓(投資キャッシュフロー)
- 資金調達先への返済(財務キャッシュフロー)
につながっていくからですね。
投資キャッシュフローも財務キャッシュフローも一言で表すと「事業拡大」につながっていくことが多いので、営業キャッシュフローがお金の源泉となることが重要です。
営業キャッシュフローには「売上債権」という項目があり、これは未回収のお金を表します。
貸借対照表で資産が大きくても、営業キャッシュフローの売上債権が多く残っている場合は未回収のお金が多く現金化されていないということです。
また、企業が多く在庫を抱えている場合は棚卸し項目が増加します。
棚卸しが増加するということは商品が売れずに積み上がっていることを表す場合がありますので注意しましょう。
キャッシュフロー計算書では
- 売上債権
- 棚卸し
- 営業キャッシュフローがプラスとなっているか
を確認してください。
投資キャッシュフロー
投資キャッシュフローでは将来に向けてどのくらいお金を使ったかが書かれています。
事業を行っていると、
- 設備が古くなったので修繕、新調したい
- 新しく店舗を出して収益先を増やしたい
- 新規事業を立ち上げて新しい柱にしたい
- 有価証券を売却して現金にしたい
といったことが出てきます。
株式投資では将来に向けてお金を使うことは好感されるので、投資キャッシュフローはマイナスであることが好ましいとされています。
ただし、どんなことに投資を行ったかは非常に重要です。
到底うまくいかないと思われることに参入する場合は株価にとってマイナスとなることもあります。
マイナスであることが多いとは思いますが、直近推移で大きくマイナスになった場合はなにか材料が出ていないか確認しましょう。
財務諸表と一緒に添付されている資料にも目を通して、何に大きくお金を使ったのか調べるのも有効ですね。
ちなみに、投資キャッシュフローがプラスとなる場合は
有価証券など資産の一部を現金化した
という可能性があります。そういった場合は、
- 企業の手元資金が少なくなったのか
- 本業の利益がうまく乗らない時期なのか
- 財務関係の資金繰りがうまくいっていないのか
- 単純に満期になっただけなのか
といったことを考えます。
大きな投資キャッシュフローが直近推移であった場合には
その後の業績が増加傾向にあるか
ということが重要です。
例えば、設備を新しくしたことでサービスが上がり、売上につながったとすれば営業キャッシュフローにつながりますよね。
投資キャッシュフローで重要なことは
- 何に使ったのか
- それによって業績が好転したのか
ということです。
財務キャッシュフロー
財務キャッシュフローは企業の借入・返済の流れを表し、
- 借入金の増加
- 社債・株式の発行
で財務キャッシュフローが増加します。
銀行からお金を融資してもらうことで事業拡大していくことができるので、 必ずしも借入による財務キャッシュフローの増加は悪いことではありません。
しかし、基本的には借りたお金を返していくことが優先されるべきなのでマイナスが好ましいと考えます。
借入の良し悪しは後述するフリーキャッシュフローの考え方も重要になってくるでしょう。
ちなみに自社株買いでも財務キャッシュフローは減少します。
フリーキャッシュフローとは
キャッシュフロー計算書の中で重要な概念があります。それがフリーキャッシュフロー。
フリーキャッシュフローとは
営業キャッシュフローと投資キャッシュフローを足したもの
で表されます。簡単に言えば企業が自由に使えるお金はいくらですか?というもの。
財務キャッシュフローを考えたときに、借入金がどれほどあるかは気になりますよね。
現金がないのにお金だけ借りるのでは不安ですが、フリーキャッシュが多い状態で借りるのであれば有効な融資を受けていると判断できます。
直近3~5年の範囲でフリーキャッシュフローが増えている場合は、営業キャッシュフローが増加傾向にあることが多いです。
すなわち将来に向けた投資や借り入れをしつつ、本業がうまくいっているとわかるわけですね。
キャッシュフロー計算書の理想
企業のお金の流れを考えたときに理想的なのは
- 本業の利益が増える
- 投資可能額が増える
- より大きな融資が可能になる
- 財源を確保しつつ、投資と融資で事業拡大
- 本業利益がさらに増えて、投資額の回収
といった流れですよね。
つまり、
本業で得たお金を活用して投資、融資を受けて企業を成長させていく
というもの。こうなっていくためのキャッシュフロー推移や、組み合わせとしては
- 営業キャッシュフロー:プラスを維持及び増加傾向
- 投資キャッシュフロー:マイナス
- 財務キャッシュフロー:マイナス
が理想とされます。
キャッシュフロー計算書を確認する際はまずキャッシュフローの組み合わせがどうなっているかを考えましょう。
その上で、
- 営業キャッシュフローが大きく増えたのはなぜ?
- 営業キャッシュフローがマイナスになっているのはなぜ?
- 投資キャッシュフローが大きくマイナスになったのはなぜ?
- 財務キャッシュフローが順調にマイナスを重ねているか?
- 財務キャッシュフローが大きくプラスになったのはなぜ?
といったことを考えていくと良いですね。
お金の動きを考えていくと、
- 新規事業が好調で営業キャッシュフローが増えたのか!
- 大型の設備投資をしたみたいだ
- 新しく借入をしたみたいだ
といったことに繋がる可能性があります。
まとめ
いかがでしたか?今回はキャッシュフロー計算書について解説しました。
キャッシュフロー計算書のポイントは
- 営業キャッシュフローは本業のお金の動き
- 投資キャッシュフローは未来への投資の動き
- 財務キャッシュフローは借入や返済などの動き
- フリーキャッシュフロー推移で経営状態をはかる
- キャッシュフローの組み合わせがどうなっているかが重要
ということでした。しっかり覚えておいて下さいね。
収益性を測る指標については株は収益性指標を活用すれば誰でも「稼いでいる企業」に投資できる!でまとめていますのでご参考ください。
それではまた!