どうも、ひげづら(@higedura24)です。
企業が倒産する大きな理由のひとつに「負債が払えない」というものがあります。
その背景には事業がうまくいかず、負債を払うための利益が確保できない・・・といったことがあるでしょう。
自分が投資する企業の「金融費用の支払い能力」がどれくらいあるかは財務的な安全性を確認するためにも知っておいた方が良いです。
そこでこの記事では、そんな目的にぴったりのインタレストカバレッジレシオという指標をご紹介します。
財務的な安全性を測るための指標のひとつなのでぜひご参考ください。
インタレストカバレッジレシオは企業の信用力を表す
まずインタレストカバレッジレシオの計算式を見てみましょう。長いのでIRと略しています。
IR(倍)=営業利益÷支払利息
計算式を見てもわかるように、インタレストカバレッジレシオの意味合いは
営業利益が支払利息の何倍にあたるか
というものです。分子が純利益ではなく「営業利益」となっているのは、負債の返済は本業利益の範疇で行うべきだとされるからですね。
純利益は最終的に残ってくる利益なので、純利益の計算よりも前に利息の支払いを引いておくのが普通です。
インタレストカバレッジレシオは高ければ高いほど金融費用の支払い能力が高いと考えられ、銀行側からすると信用度が高い企業とされます。
例えば、インタレストカバレッジレシオが限りなく1倍に近い場合は本業で得た利益をほぼ利息の支払いに充てているということなので自転車操業ということですよね。
そんな企業にお金を貸し付けても完済されない可能性があるので、銀行もなるべくインタレストカバレッジレシオが高い企業を選びたいというわけです。
また、インタレストカバレッジレシオは
- 会社側:有利子負債を追加できるかの判断材料
- 投資家:倒産の恐れ、適切な負債額になっているかの判断材料
- 社債の債権者:資金回収できるかの判断材料
といったように色々な立場から判断材料として活用されています。
判断目安としては
- 理想:10倍以上
- ボーダー:少なくとも2倍
- 危険:2倍未満
と認識しましょう。
実質のインタレストカバレッジレシオはもう少し複雑な計算式になる
先ほどご紹介した計算式では分母も分子もかなりシンプルでわかりやすいものでした。
しかし、より実状に近い計算式にするには
- 自社の受け取り利息や配当金
- 手形の割引料
などを考慮する必要があります。1番目は分子、2番目は分母に関わるものなので、これらを考慮してあげると・・・
これが実質的なインタレストカバレッジレシオとなります。
インタレストカバレッジレシオは企業規模も考慮するべき
支払利息は負債額が増えるほど大きくなります。そのため有利子負債が多いほどインタレストカバレッジレシオは低くなる特徴がありますよね。
単純にインタレストカバレッジレシオだけを考えてしまうと「この企業は利息の支払い能力が低いからダメだ!」となってしまいます。
しかし、いわゆる成長株というのは今まさに事業規模を大きくしているフェーズにあるのも事実です。
事業拡大にはある程度の有利子負債は必要だと考えられますので、一概に「インタレストカバレッジレシオが10倍の企業Aより2倍の企業Bが劣っている」とはなりません。
場合によっては「利息の支払い能力は企業Bの方が現状では低いが、成長性を加味すると企業Bに投資する可能性もあるな」といった考え方になることだってあります。
インタレストカバレッジレシオは営業利益と利息支払いから信用度を測る指標ということに間違いはありませんが、それだけで企業価値を判断できるわけではないということ。
ファンダメンタルズは
- 時価総額
- 成長性
- 業種
- テーマ性
などなど色々なものを含めて総合的な判断をすることが望ましいでしょう。
インタレストカバレッジレシオは証券会社のアプリで簡単に確認できる
インタレストカバレッジレシオの計算式が複雑で困る!と考える方もいらっしゃるかと思いますが、わざわざ自分で計算しなくても証券会社のアプリで簡単に確認できます。
私がファンダ指標を確認するのにおすすめしている楽天証券では・・・
こんな感じで指標ページにインタレストカバレッジレシオが掲載されています。
その他の財務関係の指標も一覧で載っていますので、非常におすすめ。まだ口座を持っていない方はぜひご活用ください。
まとめ
いかがでしたか?
今回は利息の支払い能力と指標となるインタレストカバレッジレシオを紹介しました。財務的な安全性を測る指標のひとつなのでぜひ覚えておいて下さいね。
その他の財務安全性指標については財務安全性指標まとめ!株をやるなら倒産リスクを測るべし!でまとめています。
こちらもあわせてご参考下さい。それではまた!