日経平均PERとは?チャートからわかる特徴や注意点を具体的に解説!

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

みなさんはPERという単語を知っていますか?

PERとは株価収益率のことで、1株あたりの純利益に対してどの程度買われているかを教えてくれるものです。

一般的に割安や割高を知るために用いられている指標で非常に有名なものですよね。

実はこのPERは個別銘柄だけでなく日経平均にも適用できる考え方。

今回は私が日経平均PERをどう捉えているかをお話します。

    

日経平均PERの考え方

まずPERについて簡単にご説明します。

PERとは「株価収益率」と呼ばれており

PER(倍)= 株価 ÷ 1株当たり純利益(EPS)

で表されます。このときの1株当たりの純利益をEPSと言い、予想で出されている値を用いているのが非常に重要なポイントです。

PERの計算式に予想、つまり未来の値が組み込まれているためにPERそのものも将来的な価値を見出すための指標となっているんですね。

これはどういうことかと言うと

  1. 見込みEPSで計算した場合にPERは割安だった
  2. いざ決算を迎えてみたら見込みEPSよりはるかに低いEPSだった
  3. 通期業績が下方修正され、新しい見込みEPSで計算したらPERは適正範囲だった

という流れが起こり得るということです。そしてその逆もまた然りですよね。

一般的に個別銘柄のPERは13~15倍程度が適正だと言われていますが、業績悪化が市場コンセンサスとして念頭にある場合には10倍だろうと7倍だろうと割安でない可能性があります。

将来的にEPSが下がってPERの値が底上げされてしまうとわかっているのに、低PERを理由に株を買う人は少ないですからね。

反対に将来の成長性が明らかであればいくらPERが高くても買いたい!という人は多いんです。

日経平均も同様に「日経平均構成銘柄の時価総額合計を見込み純利益合計で割る」ことで日経平均PERなるものが算出できます

日経平均PERも個別銘柄同様に13倍~15倍程度が適正だと考えられているのは非常に有名。

よく日経平均が大きく下落すると

日経平均PERから考えても今は割安な時期だから買い!

という情報が回ってきます。

しかし前述のようにPERはあくまで将来的な予想をしているだけ。

極端な話、国内の経済状況が内部的に悪化していて構成銘柄に下方修正が相次げばあっという間に適正PERに収束です。

個人投資家に根強く残っている「PERで割安度を測る風習」は実は危険なものだと私は考えています。

日経平均PERと日経平均

では日経平均と日経平均PERの適正範囲にどんな関係性になっているのか実際のチャートで比較してみましょう。

こちらをご覧ください。

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出典:https://nikkei225jp.com/data/per.php

これは過去10年ほどの

  1. 日経平均(赤線)
  2. 日経平均PER適正範囲(緑帯)

を比較したチャートです。 適正PER範囲の考え方でいくと適正PER範囲に日経平均の値動きが収まっていれば良いわけですよね。

どうですか?日経平均の値動きと適正PER範囲は合致していますか?

はっきり言って合致していたりいなかったりとそこまで大きな相関性はないように見えます。

適正PER範囲の上限と下限はそれぞれレジスタンスやサポートとして機能するとも言われているんですが、こんな程度ならボリンジャーバンドを見たほうが全然マシです。

これだけ長い期間の推移を見てもわかるように適正PER範囲と日経平均は単純に当てはめても全く機能しないということがおわかり頂けたでしょうか?

日経平均PERが単純には機能しない理由

ではなぜ日経平均PERが単純には機能しないのでしょうか?考えられる理由をいくつか紹介します。

PERの性質

まず前述したようなPERの性質は大きく関わっていますよね。

構成銘柄の業績がピークアウトしている状態などでPERを算出しても、将来的にEPSが大きく変化するので見かけの低PERで終わってしまう可能性があります。

こういった場合は株価が将来的な業績(EPS)を織り込んで推移していたと考えられます。

これを株価の先見性と言い、ファンダ重視の方がよく引っかかってしまう落とし穴として有名ですね。

自分が割安だと思っている銘柄も、株価の先見性によって業績が織り込まれている状況なのかよく考えることが大切というわけです。

経済規模と金融規模の逆転

この記事に書いてあるように、現在の日本の経済規模と金融規模が逆転していることも適正PER範囲と乖離する要因として考えられます。

media.rakuten-sec.net

経済規模の範囲内で金融が動いていた時代では日経平均が景気連動していたので適正PERの考え方も通用していましたが、

現在は経済規模の範囲を超えて金融が動いている

という背景からうまく景気連動しなくなっている。逆に金融が実体経済を動かすという状態になっているようです。

日経平均PERの算出方法

そもそも日経平均PERの算出方法にも日経平均との乖離要因がありそうです。

というのも日経平均PERは時価総額が重視された算出方法が取られています。そのため、

  1. 時価総額が大きく低PER傾向のメガバンク銘柄が大きく影響
  2. 日経平均構成率が高く、高PER銘柄であっても影響が小さくなる

といった背景があり正確なPERを算出できていないとされています。

こういった理由から先ほどのサイト様でも、以下のように補正をかけた日経平均と適正PER範囲でも比較しているようです。

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しっかりと補正をかけることで適正PER範囲との相関が高まっていることがわかります。

日経平均PERを考える上で重要なこと

日経平均PERは単純に数字だけ取ってきても様々な要因により通用しないと私は考えています。

そのため、紹介サイト様のように補正をかけて実効PERを算出したり様々な要因を勘案して総合的に考えることが重要でしょう。

日経平均PERを割安だと捉える場合は、日経平均がそこから適正範囲まで反発していくという考え方が根本にあるはずです。

日経平均PER以外にも日経平均の値動きを考えるヒントは色々あるので他の指標も参考にすることが基本ですよね。

もしくは、日経平均PERを反発の材料として捉えるのではなく下落の予兆として考えることも悪くないでしょう。

すなわち株価の先見性を逆手に、時価総額が大きい銘柄の業績低迷を折り込み始めたのか考察するんです。

日経平均はみなし計算されているので値がさ株の影響が大きいですが、日経平均PERは時価総額ベースで計算されています。

日経平均PERへの影響が大きい銘柄や、日経平均への影響が大きい銘柄の先行きが不透明でないか確認するきっかけになりますよね。

まとめ

いかがでしたか?今回は日経平均PERについて解説しました。

日経平均PERの数字だけを見て割安だと考えることは危険ですので、ぜひ総合的に日経平均の状況を判断されることをおすすめします。

地合いに関する他の指標についても相場観を養え!日経平均の方向性を初心者でも読めるようになる方法!でまとめています。こちらも参考にしてくださいね。

それではまた!