どうも、ひげづら(@higedura24)です。
みなさんは現在の国内経済状況をしっかりと把握していますか?
株式投資をやるのであれば国内の景気動向にも目を配ったほうが良いです。
株式投資の世界でよく話題になる景気指数はいくつかありますので、この記事ではそれらの解説を行いました。
初心者さんは聞きなれないものもあるかと思いますが、この機会にぜひ覚えてみてください。
株式投資と景気動向指数
株式投資は企業の業績に大きく左右されて変化するものです。
したがって、国内経済の景気と非常に密接な関係があります。景気が悪いと国民は消費活動をしませんし、それに伴い企業の利益も減る可能性があるからですね。
つまり株式投資をやるうえで景気動向に関心を寄せておくことは非常に良いことだと言えます。
また、もっと具体的に言うと
日経平均株価と景気の天底も相関がある
ということがわかっています。
一般に株価には先見性というものがあり、景気の天底を事前に察知して少し前に天底をつけます。
こういった株価と景気の連動からも、両者に深い関わりがあるということがわかりますね。
でも、景気の天底はどうやって測るのでしょうか?
株価は数字で表されるものですが景気は目に見えないものです。
今は景気が良い悪いを判断する数字があるのでしょうか?
・・・実はあるんです。その名も
景気動向指数
と言います。
景気動向指数とは
内閣府が毎月発表する景気に関する総合指標
のことで、産業・労働・金融など様々な経済活動において複数の指数動向を基に算出されています。
景気動向指数は内閣府のホームページで見ることができますので、株式投資においては先行指数欄が100を上回っているかどうかを確認しましょう。
こちらの資料は下記の参照リンク(内閣府ホームページ)の速報欄から、速報個別系列PDFをクリックしたときのキャプチャーです。
赤枠部分が先行指数の直近推移、青丸が速報値。
速報値が2か月遅れで出ますので月に1度確認して、景気動向指数の予想を頭に入れておきましょう。
株式投資と経済指標
景気動向指数以外にもぜひ確認しておきたい経済指標があります。それは
- 日銀短観
- GDP
- 鉱工業指数
- 消費者物価指数
- 景気ウォッチャー調査
- 完全失業率
- 有効求人倍率
です。全てを完全に把握する必要はありませんが、語句や意味は知っておくべきです。特に日銀短観とGDP、鉱工業指数、景気ウォッチャー調査は大事。
日銀短観
正式名称を「全国企業短期経済観測調査」と言い、日銀が
- 3月
- 6月
- 9月
- 12月
の四半期に一度発表するものです。日銀短観の目的は
全国の企業動向を的確に把握し、金融政策を適切に運営するため
とされています。全国1万社以上の企業に景況感を問い、
- 売り上げ高
- 雇用者数
- 借入金
- 生産
- 在庫調査
- 設備投資
などを調査しています。調査は大企業・中小企業・製造業に分けて調査され、アンケート回収率が高いことから
景気動向の判断材料として重要視されている
といった特徴があります。
また、日銀短観は主にDIの上昇率で景況感を測っています。
DIとは
- 景気が良いと答えた割合から悪いと答えた割合を引いた数値のこと
- DIが高いということは景気が良いと答えた割合が多いことを示す
- DIのプラス幅が減少傾向およびDIがマイナスのときは景気が悪化傾向
というもの。
ちなみに、最も重要視されるのは「大企業・製造業」のDI。
日本は貿易で成り立っているので、「大企業・製造業」の数値には米中問題など国際問題も密接に関わってくると言われています。
日銀短観は日銀ホームページの「統計」から閲覧可能です。
GDP
GDPはみなさんご存知でしょう。GDPとは国内総生産のことで、
国内で新しく生産された商品やサービスの総額
を示すものです。単純にその国の経済活動が活発であれば色々なサービスや商品が生み出されていくことになり総生産は上がっていきますよね。
つまりGDPは伸び率が高いほど株価にとっても良い影響を与えてくれるということ。
GDPは年次のほかに四半期ごとの速報値が内閣府から発表されます。
GDPでは伸び率推移に着目し、これが低下してくると景気衰退と判断される傾向があります。
個人的には年次でどんどん下がらない限り大丈夫じゃないの?と感じてしまいますが伸び率低下は結構メディアが騒ぎます。
GDPの過半数を占めるのは民間最終消費支出と言われているので、この部分の伸び率にも注目してください。
確認するのは実質季節調整系列の前期比など。この伸び率推移を確認していきます。
参照リンク::統計表(四半期別GDP速報) – 内閣府
鉱工業指数
鉱工業指数とは鉱業と一部の製造業の生産量を指数としてまとめたものです。
こちらは経済産業省が発表する指標。
鉱工業は国内総生産に占める割合が高いことから、景況感を測る指数として重要視されています。
鉱工業指数はおよそ500品目もの鉱工業製品について1か月間の生産量を調査して求めています。
ちなみに鉱工業品とは自動車やパソコンなどを指し、こういった製品の生産動向を追うことは国内の生産状況を幅広く追うことにつながるのです。
株式投資においては鉱工業に関係する業種を売買するときにも役立ちますし、鉱工業指数が月次発表で速報性が高いことから景気全体の生産活動を見る指標としても重宝されています。
指数の種類は
- 生産指数:国内で生産された製品量
- 出荷指数:国内で出荷された製品量
- 在庫指数:国内製品の在庫量
- 在庫率指数:在庫数量を出荷数量で割って作成した在庫率をさらに指数化
- 稼働率指数:生産指数と生産能力指数から算出
- 生産能力指数:工場の生産能力を表す
- 製造工業生産予測指数:生産見込み調査結果を指数化
の7つ。これも伸び率を見ていきます。
消費者物価指数
消費者物価指数とは
消費者が物を買うときの小売価格の変動を示す指数
のことです。こちらは総務省が月次で発表。
家計の消費構造を一定化し、これに要する費用が物価の変動によりどう変化するのかを指数化しています。
物の値段の推移を表すので、これが上昇していくと国民の生活水準に関係してくるのは想像がつきますよね。
ちなみに
- 品目価格は統計局の小売統計価格によって求められたものを使用
- 品目は継続購入される代表項目(食品類、家賃、洋服、通信費など)
- 物価は景気↑で上昇率↑(景気↓で上昇率↓)
小売業の業績にも関係しますし、日銀が金融政策を行う際の判断材料にもなります。
ゼロ金利政策においても政策変更の判断材料とされているので近年ではより重要視される傾向があります。
景気ウォッチャー調査
景気ウォッチャー動向とは内閣府が発表している景況感調査のひとつ。
景気敏感職種に対して内閣府が2000年から毎月実施しているもの
で、タクシー運転手やコンビニ店長、娯楽産業などを対象としています。
アンケートは
- 3か月前の景気と比べて現在はどうか
- 数か月後の先行きはどうか
といったことを5段階評価してもらい指数化しています。
北海道から沖縄まで11地域に分けて行い、約2000人を調査・集計。
鉱工業生産指数より数か月以上先行していると言われ、非常に重要な指標となっています。
こちらもDIを使用し、50を景気の良し悪しのボーダーラインとします。
50以上から50以下に推移してきた場合は景気後退傾向と考えましょう。
調査結果にはどの商品が売れ始めているなどの情報も載りますので、株式投資のリアルな情報源となり得ます。
調査結果は全体版を見ればそれで良いです。
完全失業率
完全失業率とは、総務局が発表している労働力人口のうち完全失業者が占める割合のことです。
完全失業率は完全失業者数を労働力人口で割ることで求めることが可能。
農林業の就労者が春先から増えるなど失業率には季節性があり、そういった影響を除いた季節調整値が使用されることが多いです。
完全失業者とは仕事がしたいのに仕事がない人のことを言うので、そういった人達の割合が増えるということは景気が良くないと考えられます。
株式投資では
- 完全失業率が高い
- 収入がない
- 消費が減る
- 企業業績に影響する
といった流れで考えられるので、完全失業率は低いほうが良いです。ただし、日本においては完全失業率が重視されないこともまた事実です。
理由は
- 国内企業にとってリストラは最終手段である
- なんらかの企業に所属しているものの仕事をもらえない状態の人は含まれない
といったことがあります。
不況になると下請け会社などに仕事が回ってこなくなり収入が激減しますが、そういった境遇の人達は完全失業率には含まれてきません。
開店休業などを過ぎて本当に不況が深刻化してこないと指標に不況感が出ないことから、完全失業率は先行指標としては捉えられないことを覚えておきましょう。
有効求人倍率(一般職業紹介状況)
有効求人倍率とは厚生労働省が発表している、求職者1人あたりに対して何件の求人があるかを示したものです。
有効求人倍率は有効求人数を有効求職者数で割って算出。
もし仕事を探している人の数に対して求人が少ない状態、つまり有効求人倍率が1を下回っているとき不況だと判断できます。
株式投資の世界では有効求人倍率が高いと、企業の生産性が上がっていて働き手が足りていない状態だと考えられ好感します。
完全失業率と違い比較的景気動向に近いとされるのも特徴です。
米国の経済指標にも注意
ここまで国内の経済指標で重要なものを紹介してきました。しかし日本は貿易で成り立っている国なので米国の経済状況にも非常に影響を受けます。
理由としては
- 日本とアメリカは非常に密接な関係がある間柄
- アメリカの経済政策に影響を受ける業種も多い(自動車株など最たるもの)
- アメリカの経済状況は為替に大きく影響し、国内企業の業績も変化する
- 国内企業の予想経常利益などはドル円想定価格で計算されている
といったことが挙げられ、これは国内だけでなく世界中の国がアメリカの経済を気にしています。
また、連邦公開市場委員会(FOMC)の会合内容や米国長期金利動向なども無視できません。
世界経済はつながっており、株式投資をやるなら世界情勢も知っておかないといけないんだと認識しましょう。
まとめ
いかがでしたか?今回は株式投資をやる上で重要な経済指標の解説を行いました。
企業の業績(ミクロ経済)だけでなく国内全体、ひいては世界経済(マクロ経済)にも気を配っておくと資金流入先の把握に役立ちます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。それではまた!