どうも、ひげづら(@higedura24)です。
株式投資では「地合い」という概念があり、機関投資家も個人投資家もかなり気にしている部分でしょう。
人によっては「場味(ばあじ)」とか単に「味」なんて呼び方をすることもあるようです。
株に関するレポートを読んでいても
- 5月は例年地合いが悪い
- 年末に向けて地合いが良くなる
といった表現はよく目にしますよね。
株式投資を行っている投資家にとって地合いは常に気にする所であり、それぞれの相場観に左右するものです。
しかし、この地合いという概念はこれといった定義がないことも特徴のひとつでしょう。
この記事では
- 株における地合いとは何なのか
- 地合いが良いときはどうするか
- 地合いが悪いときはどうするか
- 見極めるために大事なことは何か
といったことについて書きました。
あくまで私の考えですが、ぜひご参考いただければと思います。
株における地合いとは
一般に地合いとは市場全体(指数)や個別銘柄における単純な値動き状況を指していることが多いです。
すなわち、株価が下落気味であれば地合いが悪いとなり、逆に株価が上昇傾向であれば地合いが良いと考えます。
株価は数字ですから、数字が上がっているか下がっているかが地合いの定義なのかもしれません。
しかし、これってかなり曖昧な考え方ですよね。
株価がどれくらい上がると地合いが良いのかは個人の考え方によりますし、明確な定義はないと思います。
ここで質問ですが、皆さんは「地合い」をテーマに連想ゲームをしたらどんなことを思い浮かべますか?
色々な答えが出てきそうですが、株における地合いとは「需給状態」を言うと私は思います。
株価が上がるためには「その株を買いたい!」という意欲が続かなければなりません。
投資家が弱気になっていて、「株価が下がりそうだから売っておこう」という人が多ければ地合いは悪くなると思います。
個別株も同様です。例えば成長株はかなり割高でも需要が生まれやすい反面、ある株価を境目に「さすがにもう利益確定だ!」と一気に地合いが悪くなります。
株における地合いとは投資家の
- たくさん買いたい
- 今は買いたくない
- この株は高くても欲しい
- こんな株いらないよ
といった需給状態に左右されるもので、
- 各国同士の関係性
- 毎年恒例のイベント事
- 為替
などに影響されやすいわけです。
株価は市場環境の結果であって、地合いそのものではないのかもしれませんね。
結局は個人が手控えても機関投資家や外国人投資家に大きく買われれば意味がないといったこともあるかと思いますが、客観的に判断する上で世界情勢などの環境要因は大事です。
地合いの判断方法
株価は地合いそのものではないにせよ、関連する指標から地合いの善し悪しを測ることも大事なことと言えます。
- 外国人投資家の売買動向
- 騰落レシオ
- 恐怖指数
- 信用評価損益率
- 新安値高値銘柄数
- 日経平均PER
などはその代表的なものです。
その他にも
- 投資家のセンチメントに関係しそうな要因
- 全体の売買代金や市場参加者数
- 直近の売買傾向
なども大事ですね。
例えば、日経平均株価がここから新高値を更新できるかを判断する場合に新高値銘柄数の推移は参考になります。
日経平均とは結局のところ大型株の集まりで、
- 構成銘柄の株価位置が新高値を狙えそうな水準か
- 業績や材料面はどうか
- 時価総額が大きめなセクターの雰囲気はどうか
といったことを考えながら、直近で新高値銘柄数の急増傾向があるかを見ていくわけです。
新高値銘柄が目立たないようならそこまで買い気が強くない可能性はあり、流れ的には新安値銘柄数の方が優位になっていく状況なのかもしれません。
こうした関連指標というフィルターを通して地合いを考える事は有効だと考えていて、継続的に見ていくと良いと思います。
その他の指標に関しての特徴や考え方は、関連記事でまとめていますのでご参考下さい。
<関連記事>
地合いが良い時と悪い時はどう行動するか
株式投資において地合いの善し悪しが大事だと述べましたが、それによってどのように投資行動を変えるべきなのでしょうか。
正解なんて存在しないかと思いますが、私が個人的に意識していることを少しだけご紹介します。
良い時は短期目線を増やす
地合いが良いときほど
- 短期目線の売買:積極的に新規買い
- 長期目線の売買:安く仕込んでおいたものを積極的に手仕舞い
といったことを意識します。
例えば日経平均株価がイケイケな状況であれば、大型株で調子が良さそうなものにどんどん手を出して良いのではないかという考えです。
急騰した株はさっさと利食いをして、安定的にちょぼちょぼ上がっている株はひとまず保有を継続しておきます。
投資家の買い気が強いということは資金循環も良い場合が多いので、短期的に買えるものが割と湧いてくる印象です。
安定的に上がっていたものもどこかでコンと急騰することが多いので、そうなれば手仕舞いしていくことが多いですね。
また、地合いが悪いときに長期目線で買っていた株も地合い好転で含み益となれば手仕舞いします。
地合いがすぐに好転すれば、長期保有目線で買ったものを大した保有期間でないタイミングで手仕舞うこともあるでしょう。
これは
- 短期保有を長期保有に変えることは塩漬けになりかねないので良くない
- 長期を短期で手仕舞いすることは問題ない
と考えているからこその投資行動です。
地合いが良いときに積極的に手仕舞いするメリットは、なんといっても利食いが増えることでしょう。
誰でも儲かるような相場では早く利食いし過ぎた・・・ということも多いですが、その辺は長期目線の利食い時期をずらすことで多少なり調整をしています。
手放しで株価が上がっていくようなバブル相場のときは旨みが少ないかもしれませんが、投資家が楽観的な時ほど手仕舞いを増やす方がリスクは少ないのではないでしょうか。
悪い時は長期目線を増やす
逆に地合いが悪いときは長期保有できそうな株に買いを入れていきます。
もちろん落ちている途中のナイフは掴めませんから、下げ止まっていそうな株のみを狙うわけです。
地合いが悪い場合には下げ止まっていたように見えてもう一段深掘りすることもあり、その場合は潔くロスカットをして次の下げ止まりを狙います。
含み益が増えなくとも、そこまで含み損がなければ1ヶ月とか数ヶ月後の地合い好転で利益が乗ってくるメリットはあるでしょう。
ただしどの程度の資金を投入するかに加え、そのタイミングも難しいことがデメリットですね。
短期売買はなるべく控えますが、地合いが悪くても調子が良かった株は覚えておいた方が後で役立ちます。
地合いの善し悪しにおける一番の問題点とは
地合いが良い時と悪い時の基本的な考え方は上記の通りですが、実際にこれがうまくいくかどうかは難しい部分もありますよね。
というのも地合いの切り替わりは気づかないうちにやってくるからです。
例えば今は地合いが悪いときだから買い控えようと思っても、実はすでに好転していたというケースもあり得ます。
また、気持ちでは好転していそうだなと感じていても、まだ半信半疑ではあるわけですよ。
ここで勇気を出して売買方針を転換できるかが問題点であり、難しいところだと感じます。
中期的に続いてくれるような地合いであれば良いのですが、そうでない場合に泣きを見ることも往々にしてあり得るのがつらいところです。
最終的な見極めは経験が物を言う
地合いの判断方法は関連指標などを活用しますが、最終的な見極め方は経験による所が大きいです。
例えば、25日騰落レシオは大体これくらいになると下げ始める目安がありますよね。
しかし、日経平均がガンガン上げていくような地合いでは騰落レシオなど意味をなさないわけです。
<関連記事>
騰落レシオには確かに反転しやすいラインはありますが、実際の相場ではそれよりも外国勢が積極的に買いにきているかの方が大切だったりしますよね。
また、日経平均の調子は良いのにTOPIXがあまり連動しないような大型株のみ恩恵を受ける見かけ倒しの地合いもあるでしょう。
こういった単に地合い関係の指標だけではわからない善し悪しがあって、それは経験によって培われる面はあると思います。
- あの時の地合いに似ているな
- 確か前にもこんな地合いがあったような
- 以前にこんな失敗を犯したことがある
という感覚がそれぞれあって、結論的にはそれに応じた投資行動を取れば良いのではないでしょうか。
経験を積むために大事なことは
- 継続的に市場を見渡して雰囲気を掴む
- 何か興味深い出来事があったらメモしておく
といったことだと思います。
特にメモは大事ですね・・・私だけかもしれませんが同じ失敗を繰り返してしまうことは多いんですよ。
逆に言えばそれだけ同じような出来事が株式市場では繰り返されるということで、2回目以降はチャンスになり得るわけです。
メモしておくことは面倒ではありますが、だからこそ意味があるのでしょう。
ちなみに、先に述べた地合いの転換についても同様のことが言えるでしょうね。
まとめ
いかがでしたか?今回は株における地合いについてお話しました。
地合いは需給状況を意味していて、それによって短期売買と長期売買のどちらを強めるかが関係してくるでしょう。
ただし良い時と悪い時の方針はあるものの、それを上手に転換させていけるかが最も難しいところです。
判断材料として外部要因や関連指標を考えることは有効ですが、結局のところ経験が物を言う部分もあると思います。
地合いを見極めるには継続的に追っていくことと、出来事をメモすることが大事です。
経験を頼りに適切な投資行動を取れたら良いですね。
関連記事には
がありますのでご参考ください。それではまた!