どうも、ひげづら(@higedura24)です。
テクニカル分析の世界には、株価の特性として「トレンドを描く期間より保ち合い期間の方が長い」という考え方があります。
簡単に言えば「上もしくは下方向にずんずん進んでいく期間というのはあまりなくて、それよりは同じ価格帯で推移する期間の方が長いよ」ということです。
だからこそ
- トレンドが発生したら逃さず順張りをすること
- 限られた期間で利益を出す意識を持つこと
が大事だと言われるわけですね。
この記事ではこの説がどの程度信頼できるものなのかを過去10年分の日経平均株価チャートから考察しました。
トレンドの感じ方は人それぞれですが、ぜひご参考下さい。
日経平均株価にトレンドが発生する期間はどれくらいあるのか
今回の検証では
- 日経平均株価の週足チャートを使用
- 大発会から大納会までで区切り、1枚でちょうど1年になるように調整
- 移動平均線は13・26・52の期間に設定
- 過去10年間に遡って1枚ずつ並べて観察
という条件で行いました。
トレンドの定義を決めておかなければなりませんが、一般論として「3本の週足移動平均線がもみ合わずに等間隔かつ明確に推移した時期」としておきましょう。
1年ごとに区切ったまっさらなチャートを10枚並べたので、ぜひ皆さんも考察してみてください。
2019年
最初に2019年の週足チャートから見ていきます。
2019年の日経平均株価は
- 年初3ヶ月ほどは昨年の下降トレンドを継続か
- 3~9月までもみ合い期間を継続
- 10月からは上昇トレンドに移行
というイメージですね。
実質的なトレンド期間は半年程度でしょうか。
2018年
次に2018年の日経平均株価です。
2018年は
- 年初1ヶ月ほどはかろうじて上昇トレンド期間か
- あとはほとんどもみ合い期間
- 11~12月から下降トレンド入り(2019年初頭で終了)
という印象で、明確なトレンド期間はほとんどないように感じます。
特に5月から9月頃まではかなり狭い範囲で推移しているのが印象的ですね。
実質的なトレンド期間としては3ヶ月程度でしょう。
2017年
次に2017年の日経平均株価です。
2017年の日経平均株価は
- 全体的に上昇トレンドを維持しているが、年初~9月頃まで狭い値幅
- 10月頃から一気に上方向に推移
という印象です。
移動平均線の並びはきれいですが、上昇トレンドを維持していてももみ合いになる点は覚えておいた方が良いでしょう。
実質的なトレンド期間は判断に迷いますが、移動平均線の並びがきれいな期間を合算して6ヶ月としておきます。
2016年
次に2016年の日経平均株価です。
2016年の日経平均株価は
- 年初から7月頃まで下降トレンド
- ただし、2月からはトレンド中のもみ合いでもある
- 8月頃から26週移動平均線の上でもみ合い
- 10月から上昇トレンドに移行
というイメージです。
難しいところですが、移動平均線から考えた実質的なトレンド期間は7ヶ月程度でしょうか。
2015年
次に2015年の日経平均株価です。
2015年は
- 年初から8月頃まで上昇トレンド
- 9月からもみ合いだが、上昇トレンドに近い
という印象ですね。
全体的に地合いが良く、人によってはほとんど上昇トレンドだったと考える人もいそうです。
実質的なトレンド期間としては8ヶ月ほどとしておきます。
2014年
次に2014年の日経平均株価です。
2014年は
- 年初から10月までもみ合い期間
- 11月頃から上昇トレンド(2015年8月まで継続)
という印象です。
移動平均線がもみ合い、全体的に方向感に乏しい年でしたが、ここを抜けてからは2015年まで大きく上昇しました。
実質的なトレンド期間は2ヶ月ほどでしょう。
2013年
次に2013年の日経平均株価です。
2013年は
- 年間を通して上昇トレンドを維持
- 6月から11月は高値圏でもみ合い
というイメージです。
この背景にはアベノミクスがありそうですが、実質的なトレンド期間は9ヶ月ほどでしょう。
2012年
次に2012年の日経平均株価です。
2012年は
- 全体の印象はボックス
- 細かく区切ると明確なもみ合いは5月から11月
- 上昇トレンドは12月(2013年中まで継続)
という印象ですね。
明確なトレンドは1ヶ月程度でしょう。
2011年
次に2011年です。
2011年の日経平均株価は
- 全体的に下落基調だが、東日本大震災の足を基準にすればボックス推移
- 震災を抜かせば8月から12月まで下降トレンド
という印象ですね。
実質的なトレンド期間は4ヶ月ほどでしょう。
2010年
最後に2010年の日経平均株価です。
2010年は
- 全体的にはボックスのイメージが強い
- 年初から4月くらいまではかろうじて上昇トレンド
- もみ合い期間は5月から12月まで
という印象ですね。
実質的なトレンド期間は甘く見て3ヶ月ほどでしょうか。
株価を年間で眺めると確かにトレンド期間は短い
ここまで日経平均株価における10年分の週足チャートを見てきましたが、皆さんはどう感じましたか?
私は、「確かに年間を通してトレンド期間はそんなにないのだな」と感じました。
実質的なトレンド期間を平均するとだいたい4~5ヶ月ほどになるので、半年にも満たない期間で順張りしなくてはなりません。
ただ、逆に考えれば日経平均株価の安値や高値を意識することである程度の折り返しが判断できる可能性はあるでしょう。
日経平均株価の特性として「トレンドが出づらくボックスになりやすい」というものがあるなら、週足レベルで観察する意義は大きいですよね。
普段見ている日足だとまた違った印象になるのでしょうが、日経平均株価の特性を意識しつつ大局的な状況を確認する癖は持った方が良いでしょう。
ちなみに、こういったボックス推移のしやすさは
- 個別銘柄ごとの癖
- 所属セクターの特徴
もあると思います。
例えば、鉄鋼関連株はボックス推移をしやすい印象がありますし、セブン&アイホールディングスなど長らくボックス推移だった銘柄もたくさんあるでしょう。
個別株の癖も考慮しつつ、「株価にトレンドが発生する期間はそこまで多くない」ということを考えていきたいですね。
まとめ
いかがでしたか?今回は日経平均株価の過去10年分の週足チャートから、トレンド発生期間が年間でどれくらいあるのかを検証しました。
結論的には、年間を通したトレンド期間は4~5ヶ月程度と短いようです。
今回の検証で、日経平均株価には「ボックス推移しやすい特性」がありそうだとわかったので安値高値の重要性が再確認できました。
株価推移の癖は個別株やセクターにもよると思いますが、週足レベルで流れを確認する意義は大きそうです。
今回の考察は移動平均線の並びを基準に考えたものなので、ぜひ皆さんも独自の目線で10年分の日経平均株価チャートを見返してみてはいかがでしょうか。
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