騰落レシオ投資法は危ない!?注意すべき2つのポイントと再現性について

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

地合いを測るための指標は色々ありますが、中でも個人投資家に多く見られているのは「騰落レシオ」という指標でしょう。

騰落レシオとは東証一部の値上がり数と値下がり数の推移から過熱感を測るためのもので、一般的には25日騰落レシオが注視されます。

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逆張り大好きな個人投資家はこの騰落レシオを活用した投資法が大好きです。

しかし、この騰落レシオ投資法で本当に勝てるのでしょうか?

騰落レシオ投資法を否定するつもりはありませんが、この記事ではこんなことに注意して下さいねという内容を書きました。

今まさに騰落レシオ投資法をやっている方、これからやろうと考えている方はぜひご参考下さい。

    

騰落レシオ投資法に再現性はあるのか

一般的に言われている騰落レシオ投資法とは

  1. 25日騰落レシオが120や130以上で指数売り
  2. 25日騰落レシオが80や70以下で指数買い

といった逆張りです。

指数売りや指数買いは指数連動型上場ETFを活用することが多く、日経レバETFや日経ダブルインバースを使います。

さてそんな騰落レシオ投資法ですが、株の手法で大切なことは再現性があるかどうかという点ですよね。

同じことを延々と繰り返していくわけですから、同じ状況が起こったときに同じ結果となる可能性が高くなければなりません。

騰落レシオ投資法は確かに日経平均の上げ下げと相関しているようにも見えますが、

  1. 同程度の日経平均株価の上昇率でも、値上がり銘柄数が同じかはわからない
  2. 騰落レシオに過熱感が出ても、いつ切り返すのかはわからない

といった注意点はあるでしょう。

これらは騰落レシオ投資法における利益確定や損切り設定の際に投資家を惑わせることになります。

日経平均株価と値上がり・値下がり銘柄数の相関

例えばこちらをご覧下さい。

この2日間の日経平均株価はそれぞれ113円と118円の値上がりです。

ほぼ同じくらいの上昇率ですが、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の推移は

  1. 9月6日:値下がり銘柄数が多い
  2. 9月9日:値上がり銘柄数が多い

と真逆の動きになっていますよね。

これは日経平均株価の算出方法が引き起こす現象で、値がさ株の値動きに左右されやすい特性からきています。

例えばファーストリテイリングが大きく値上がりすれば日経平均株価も上昇しやすく、その他大勢の銘柄が値下がりしても小幅反落に止まったなんてこともあり得るわけです。

値下がり銘柄数が増えてくれば指数を逆張り買いすることになりますが、値上がり銘柄数が増えて騰落レシオが改善されても値がさ株の影響でそこまで指数は上がらなかったというケースも出てきます。

こういった現象は実際の相場の強弱と指数の相関にブレを生じさせ、騰落レシオ投資法の再現性にも影響するでしょう。

騰落レシオに過熱感が出てからいつ切り返すのか

上記に関連して、騰落レシオの過熱感と日経平均の切り返しに再現性があるかはその時期によります。

例えば、ある時期の騰落レシオ推移を見てみると・・・

このように長い間、騰落レシオに買い過熱感が発生していますよね(赤枠)。

しかし、騰落レシオの過熱感が後退するような日経平均株価の下げはなく(青枠)、

  1. どこで切り返すのか
  2. どこで損切りするのか

が明確にわからない状況です。

このような「騰落レシオに買い過熱感が出ても指数売りで大きな利益を得られるかはわからない」という点には注意が必要ですね。

日経平均株価がこれだけ過熱感を維持しているのは異常事態なので、そういった地合いが強い時期に騰落レシオ投資法を行うリスクをわざわざ取るべきか疑問ではあります。

騰落レシオ投資法は奥が深そう

結局の所、騰落レシオだけを見て売買する投資法は成り立たないでしょう。

確かに騰落レシオ投資法がばっちりハマる時期もありますが、

  1. 夏枯れなどの季節的な要因や地合いの雰囲気
  2. 日経平均株価に影響が大きい銘柄達の需給状況
  3. 利確や損切り設定の作り込み

といった要素を考えておくべきです。

これらは個別株を売買する時も変わらないので、であれば最初から個別株で利益が出せるように頑張った方が良いかもしれません。

また、日経レバやダブルインバースには減価という性質があるのをご存じでしょうか?

簡単な算数のお話ですが、

  1. 日経平均株価が10%値下がりした
  2. その後、日経平均株価が10%値上がり

という流れが起きても、ETFの株価は元に戻りません。

なぜならば、100円の株価が90円になった後に10%戻しても99円にしかならないからです。

日経平均の2倍値動きするETFではこの特性がより強いので、日経平均株価が何度も上下するような値動きに弱いんですね。

こういった特性を「減価」と呼び、指数連動型ETFが長期保有に向かないとされている理由です。

騰落レシオ投資法は指数連動型ETFを売買するので、減価も考慮する必要があるでしょう。

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まとめ

いかがでしたか?今回は騰落レシオ投資法の注意点について書きました。

騰落レシオ投資法でうまく利益を出せている方もいらっしゃるでしょうが、単に騰落レシオだけを見ていると痛い目に遭うかもしれません。

実行する場合はしっかりとルールを作り込み、リスク排除をしておくことがおすすめです。

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