どうも、ひげづら(@higedura24)です。
みなさんはVIX指数や日経VIという言葉を知っていますか?
また、それらがどのように算出されているかご存知ですか?
VIX指数や日経VIは市場センチメントを知るための重要な指数です。知らない方はこの機会にぜひ日々の監視指標に加えてみてはいかがでしょうか?
この記事ではVIX指数や日経VIの
- 特徴
- 注意点
- 日経平均との関係
- 本質
について解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
VIX指数、日経VIとは
VIX指数とは
S&P500オプション取引のボラティリティから算出される指数
です。同様に日経VIとは
日経平均オプション取引のボラティリティから算出される指数
です。ボラティリティとは価格変動幅のことですね。
VIX指数や日経VIの目安は
- 上昇時:10~13前後
- 通常時:14~25前後
- 下落時:30~40前後
です。
ちなみにオプション取引を超かいつまんでざっくりと説明すると、
ある時点でのS&P500(もしくは日経平均)が期日満了日の時点で上がっているか下がっているかを予想する
という取引を言います。厳密に言うと期日にその価格で売買する権利を売買しているのですがややこしくなるのでこう考えてください。
期日満了日というのはSQ週の金曜を言い、主に第2金曜が該当します。
よくSQ週は下がりやすいから気をつけろ!とか言われますが、SQ日はオプション取引の期日のことを言っているんですね。
話を戻して、オプション取引ではS&P500なり日経平均が期日の時点で
- 上がっていると考えられれば基準値より上の価格に注文
- 下がっていると考えられれば基準価格より下の価格に注文
となります。
要するに投資家達が将来を予測して、その予測の価格変動幅によってVIX指数や日経VIが算出されているということです。
ちなみにこの将来の予想変動幅をインプライドボラティリティと言います。
VIX指数や日経VIはインプライドボラティリティという将来予測を反映していることから
恐怖指数
なんて呼ばれ方も。一般的に恐怖指数と言ったらVIX指数を指しますが、広義では日経VIも恐怖指数と考えています。
恐怖指数が市場センチメントを示していると考えられるのは、単に投資家達が強気なのか弱気なのかということではなく
市場の予想がその時の基準価格からどれくらい変動幅があるのか
という意味です。
ですのでS&P500や日経平均が上昇(下落)したからと言って恐怖指数がどんどん下がる(上がる)と一概には言えないというのがポイント。
私はオプション取引をやっていないので間違った表現があるかもしれませんが、VIX指数や日経VIはこんな解釈で考えています。
VIX指数や日経VIの特徴
VIX指数や日経VIの特徴で主なものは以下の3つです。
- 日経平均との逆相関
- 減価
- ボラティリティの特性
日経平均との逆相関
まずこちらをご覧ください。
出典:https://nikkei225jp.com/data/vix.php
これは日経平均(ローソク)と日経VI(黄色線)の比較チャートです。
このチャートの特徴は
- 基本的には日経と日経VIは逆の動き
- 日経上昇中に日経VIが上昇することもある
- 日経下落中に日経VIが下落することもある
- 完全に逆の動きをするわけではない
ということでしょう。この背景にはやはりオプション取引の性質が影響していると私は考えています。
オプションは機関がヘッジとして活用するという側面があります。
上昇(下降)が続いてそろそろ天井(底)かな?
先行きがわからなくなってきたかな?
と考えられれば強い値動きに関わらずヘッジとして反対の取引をオプションでします。そのため価格変動幅が大きくなり恐怖指数が上昇するんです。
こういった背景から
- 上昇局面でも下降局面でもある程度進むと恐怖指数が上昇する
- 完全な逆相関ではなくなる
という現象が引き起こされるわけですね。上の図で言うと・・・
こんな感じに日経平均が上昇局面であっても突然、赤枠内で日経VIが上昇していますよね。
同様に。青枠内で日経平均が保ち合い局面であっても日経VIは横ばいではなく下降しています。
オプション取引は先行して予測されるものではなくS&P500や日経平均の値動きを見た投資家達が一気に注文を入れてくるので往々にして急激な動きを見せます。
完全な逆相関でもなければ先行指標でもないので、恐怖指数自体を逆張りに使うことはできません。
こういった日経平均との関係性はよく覚えておきましょう。
減価
VIX指数も日経VIも実はETFやETNとしてそれ自体を売買できます。そのため連動したものを長期保有してヘッジに活用しようと考える方もいます。
しかしETFやETNの中身は
- 短期先物という期日があるものを取引している
- 期日がきたら売却して新しい期日のものを買う
- 期日が近くなると価格は安くなるのが一般的(期日が近いものほど確実性が高いため)
- 期日を伸ばしていくごとに少しずつ減価が進んでいく
という特徴があります。こういった背景から恐怖指数の先物やETF(ETN)は長期的なヘッジには向きません。
参考までに日経VIに連動したETNのチャートを載せておきます。
ボラティリティの特性
先ほどの比較チャートで、「保ち合いが続くと日経VIが下落・・・」と言いました。あれはどうしてだと思いますか?
ボラティリティとは価格変動幅を言います。すなわち、ずーっと同じような価格帯で推移しつづけるとボラティリティ(変動幅)が低下したことになるんです。
そのため例えば上昇局面が長く続いたときに恐怖指数をヘッジ活用しても高値圏でヨコヨコするだけでボラは低下します。
これはボリンジャーバンドでもそうですよね。いわゆる以下のようなスクイーズという状態です。
大きく価格が変動しても、そのまま保ち合いに入ることでボラティリティが一定になりスクイーズしています。
恐怖指数でもボラティリティの特性は同様で、ヘッジに活用しても保ち合いに入ればほんの短期間しか機能しないこともありますので注意してください。
VIX指数や日経VIの活用と本質
ここまでVIX指数や日経VIについて基本的なことを述べてきました。では一体これらが示す本質的な内容とはどんなものでしょうか?
それは
市場センチメント
です。要するに日経平均が上がったり下がったりすることで
そろそろ大きく価格が動きそうだぞ!
この価格帯まできたらヘッジを入れたいな!
今は大きく動かなそうだな!
という市場心理が現れているということですね。
オプション取引は日経平均の値動きから色々な投資家の心理、予測、期待、希望、恐怖・・といった様々な気持ちが出ています。
その中でも負の感情である「恐怖」が別名として取り上げられているのはなんとも皮肉ですね。
個人的にはVIX指数や日経VIで注目する局面というのは
10~13の市場センチメントが楽観している時
だと考えています。正直、恐怖指数というのは暴落を予兆するとかいった考えは必要ないでしょう。
先行指標ではないのでそういった考え方ではなく、市場の楽観具合を感じ取って反対の投資行動を取ることが重要だと思います。
相場が上昇局面を迎えているときはリスクオンのムードが広がり、長めにホールドされたり多く買われたりする時期になります。
その時期を感じ取って自分だけはせっせと利食いを進めておくのが重要なことです。
そうすることで
- 暴落する頃にはキャッシュポジションが出来ている
- 退場からは程遠く、暴落後の上昇を取ることができる
というメリットがありますからね。恐怖指数で暴落を予兆しようなんて大衆と同じことは考えずに楽観ムードでしっかりと資産を形成することが得策ですよ。
まとめ
いかがでしたか?今回はVIX指数、日経VIについて解説しました。
オプション取引が絡んでくるのでややこしいですが本質や大事な考え方は忘れずに日々監視してみてください。
地合いに関する他の指標についても相場観を養え!日経平均の方向性を初心者でも読めるようになる方法!でまとめています。こちらも参考にしてくださいね。
それではまた!