ファンダメンタルズ分析は意味がない?大前提の条件を勘違いするな!

    

ファンダメンタルズ分析は意味がない!」という意見がありますが、果たしてこれは本当でしょうか。

私の感覚ではファンダメンタルズ分析に意味がないというのはかなり極論ではないかなと感じます。後述するように超ド短期の売買であればそういったケースも確かにありますが、基本的にファンダメンタルズ分析はとても大事な要素でしょう。

この記事では

  1. ファンダメンタルズ分析は意味がないと言われる理由
  2. ファンダメンタルズ分析の前提条件
  3. ファンダ抜きなどなぜ困るのか
  4. 有効活用できる具体例

といった内容を書いてみました。テクニカル分析とファンダメンタルズ分析どちらを重視するべきか悩んでいるという方はぜひご参考ください。

ファンダメンタルズ分析は意味がないのか

まずなぜファンダメンタルズ分析は意味がないと言われてしまうのかを述べていきます。よく言われるのは好業績銘柄の決算が出たという状況ですね。株価は一般的に業績が良ければ上がっていくと考えられているので、内容の良い決算を出せば株価も上がっていくだろうと考える人が多いです。

しかし、実際に株式市場で売買をしようとすると

  1. 好決算だったのに翌日売られて株価が下がってしまう
  2. 悪決算だったのに翌日買われて株価が上がってしまう

といったことがあります。好決算だと安心して保有を続行したのにあんまりだとショックを受け、最終的には「ファンダメンタルズ分析なんて意味がないんだ」と考える人が出てきてしまうわけです。

しかし大前提として述べておきたいのはファンダメンタルズ分析(ここでは業績)と株価が折り合う時期は中長期的なスパンでしょう。また、あらゆる材料に対して株価が先走って動くということも多いです。言い換えれば

  1. 材料を元に思惑が発生している
  2. 材料が発生する前から思惑が始まっている

となります。どういうことか具体例を述べてみましょう。例えば・・・

ブイキューブは好決算でも株価下落

こちらのブイキューブという銘柄はウェブ会議システムを提供する会社で、このコロナ禍では特に注目が集まった会社でした。実際に企業からの需要は高まっていて、そのおかげで4月の決算発表ではなんと上方修正となっています。

上方修正となれば普通は株価が上がりますが、実際には8%を超える下落となりました。上方修正という材料なんか見ても意味がないという見解になりがちですが、肝心なのは決算前の値動きでしょう。

よく見ると決算発表の1~2か月ほど前からじわじわと株価が上がっていますよね。これはブイキューブという会社が好業績を出してくるという予想をしている投資家が多いためです。

つまり決算発表に向けた思惑が働いていて、本当に好決算が出たタイミングで売られたという流れになります。業績面はとても重要なファンダメンタルズ分析の要素ですが、その思惑は思ったより早く影響し始めます。

ブイキューブの事業内容や業績面の思惑というファンダメンタルズ分析の情報を知らなければ「株価がなぜ上がっているのか」がわからないですよね?

仮にチャートを見ていれば強い値動きかどうかはわかると考えるかもしれませんが、決算発表日というXデーがいつなのかはテクニカル分析ではわかりません(というか決算発表日が大事ということすらも知らない)。

株価が上がっているからといって買っても、思惑の根源を知らずに決算を跨いでしまい下落に巻き込まれる・・・という可能性は高いでしょう。ファンダメンタルズ分析を少しかじった人なら決算発表の前から株価が動き始めるのは当たり前のことです。

他にも株主優待の内容が充実していて人気がある銘柄であれば、同じように権利確定前の株価推移は活発になります。そして権利確定すれば当然売られるのでそこで株価は下がるのが普通です。この権利確定日や株主優待の内容も立派な企業情報なのでファンダメンタルズ分析の範疇になりますが、テクニカル分析だけで売買している人はこれまた同様に知る由もないでしょうね。

このように、実際にその材料が表面化していなくても市場参加者が

  1. そういう予想を持つ
  2. 思惑を発生させる
  3. 先回りする

という行動を取っていれば株価はそちら方向にじわりじわりと動いているケースも多いわけです。だからファンダメンタルズ分析は意味がないというのは極論だと思います。

短期売買ではどうか

前述のようなケースでは明確な日取りの少し前から思惑が生まれ株価が動くので、その当日に好材料が出ても安易に乗ってはいけません。もしそのファンダメンタルズ分析情報に乗りたいなら少し前の思惑時期に乗る必要があります。

その一方で中にはサプライズ的な材料もあり、こちらは突然出てくるものなので急に相場が始まるのが面白いところです。例を挙げるとキリがないのですが、例えば

  1. ゲームの新作タイトル発表
  2. 特許取得や業務提携ネタ
  3. 台風など天候情報

などは材料発表がサプライズになっていることも多いので、当日もしくは翌営業日など短期的な株価に影響を与えやすいと思います。

ただしインパクトが薄いほどその効力が消えるのも早いですし、新作ゲームなどであればリリース時期や事前登録者数の推移などによって中期的に材料が株価に効いてくることもあるでしょう。よほど思惑が大きければ材料がトリガーとなって、そのままそれ以降の株価に対して中期的にトレンドを作ることもあるわけです。

こういったケースもファンダメンタルズ分析の範疇だと感じますが、やはりテクニカル分析だけでやっているとどうして株価が動いたのかわかりません。

しかし、サプライズ材料では短期売買で終わらせるという前提で「陽線を形成している銘柄の当日値動きだけに便乗する」というやり方もあるでしょうね。この戦略ではとにかく株価が活発に動いていればそれで良いので、材料が強いだの弱いだのは気にしなくて良いとは思います。

どんなにクソ材料でもストップ高にさえなってくれれば文句はなく、つまりド短期売買に限ればファンダメンタルズ分析など意味がないと言えるでしょう。

市況もファンダメンタルズ分析のうち

ここまでの話は個別株にフォーカスしていましたが、市場全体の状況もファンダメンタルズ分析の範疇ではないかと思います。例えば米中問題が再燃しているという情報は地合いを悪くさせるでしょうし、その材料を市況観の念頭に置くことで早めに逃げられるかもしれません。

また、テーパリング懸念が高まっていることで地合いが悪化したのであれば、同じようにテーパリング懸念で地合い悪化した時期の株価推移を見れば対策も練りやすいです。

テクニカル分析は株価が下がっている事実だけなら把握できますがその理由まではチャートに書いてありません。ファンダメンタルズ分析には「どんな材料が株価を動かしているのかがわかれば過去の傾向を調べることができる」という強みがあるので、やはり意味がないわけではないでしょう。

また、現状でどこに資金が来ているのかはセクター別指数や銘柄が持っているテーマ性を見るのが手っ取り早いです。賑わっている銘柄の業績面やバリュエーションの共通点を考えればバリューとグロース株どちらが優勢かもわかりますし、そういった情報から戦略を立て直すことだって可能になります。

銘柄のテーマ性・所属セクター・業績面・バリュエーションなどはファンダメンタルズ分析の範疇なので、そういった観点でも意味がないとは言えないでしょうね。

テクニカル分析は意味がないのか

ただ、勘違いしてほしくないのは「じゃぁテクニカル分析なんて意味がないのか」というとそういうわけではないということです。テクニカル分析をしなければ買いタイミングの細かな目安はわかりません。中長期的に必ず株価が伸びて高値更新すると確信していてもテクニカル分析で

  1. より良い価格で約定させられるよう目安を見つけること
  2. 出来高分析で需給を考えること
  3. 指値をしっかり設定すること

の意義は大きいと思います。例えば企業情報から選定したあと、急落局面で買い出動をしたいと考えた場合に・・・

暴落時に配当株を買うこと

赤丸で示したような「過去傾向から株価がリバウンドしやすい水準」を見つけることは指値運用に役立ちます。

重要なのはファンダメンタルズ分析は意味がないとかテクニカル分析こそ意味がないとかではなく、どちらもメリットを享受できるよう意識していくことではないでしょうか。

信用取引倍率というファンダメンタルズ分析情報を組み合わせると上値の重さなども感じられるかもしれませんし、そもそも資金が来ている分野に絞ってテクニカル分析をする方が効率は良いに決まっていますからね。

思うに、どちらかに決めて進んでいきたいというのはおそらくキャパシティや手間の問題かもしれません。テクニカル分析もファンダメンタルズ分析もしなくてはならないとなるとそれだけ売買判断を下すことも大変になるわけで、それを年がら年中行うとなると・・・見る場所が増えて結構面倒な作業になります。

最終的にはどちらかに意味がないという判断をして舵を大きく切りたがるので、いつの間にかファンダメンタルズ分析は意味がないといった不毛な論争が生まれてしまうのかもしれません。

まとめ

今回はファンダメンタルズ分析は意味がないという内容を考察してみました。結論的にはファンダメンタルズ分析は意味がないというのは極論で、知らず知らず恩恵を受けていることは多いと考えています。

大前提として思惑は少し前から動き出すので株価もそれに伴って動くのが普通です。一過性の材料に乗ってド短期売買をするのであればファンダメンタルズ分析は意味がないというのもわかりますが、そうでなければ基本的には何かしらの材料が株価を動かしています。

市況情報やセクター状況もファンダメンタルズ情報のひとつですし、そういったものをうまく活用しながらテクニカル分析をした方が効率的でしょう。ファンダメンタルズ分析は意味がないなどと言わずに、可能であればどちらも大事にしながら株の売買をしてみてはいかがでしょうか。

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