皆さんは株をやっていて
- テクニカル分析派
- ファンダメンタルズ分析派
の討論を聞いたことがありますか?
ファンダメンタルズ分析をメインにやっている方は「テクニカル分析なんて意味がない!」と述べ、その理由には色々なものがあります。ちなみに私はネット証券が広まってから始めている人間なのでテクニカル分析から入りましたし、それ由来の手法も使っている立場です。
ただ、完全なテクニカル分析かと言うとそういうわけでもなく、ファンダメンタルズ分析派の言っていることも確かにね・・・と思う部分があります。そこで今回は
- テクニカル分析なんて意味がないと言われる理由
- テクニカル分析のメリット
- 上手にテクニカル分析と付き合っていく秘訣
についてお話しました。株に正解はないですし、完璧な手法もありません。ただし、自分がどんなことをやっているかを知るためには考えておいた方が良い部分でしょう。
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株のテクニカル分析は意味がないのか
株をやる上でテクニカル分析なんて意味がないよ、と言われる理由には色々なものがあります。それはどうかと思うな・・・という理由から納得できるものまでありますが、この記事ではよく言われるものをいくつかご紹介しましょう。
ランダムウォーク理論
テクニカル分析を意味がないとする最も多い理由に、この「ランダムウォーク理論」があります。
外部参照リンク:Wikipedia|ランダムウォーク理論
ランダムウォーク理論を簡単に言うと、
- 株価は上がるか下がるかの2択で、究極には50%の確率論となる
- 株価の予測は不可能で、値動きそれぞれは独立している
- 独立した株価の動きに過去の値動きは関係ない
といった内容になります。
ランダムウォーク理論は数学上な話では上昇も下降も同じ確率で起こるわけですが、そこに市場心理なども含まれて長期的な値動きは上昇傾向にあるとされていることも特徴です。そのため、主にはインデックス投資などで引き合いに出されることでも知られていますね。
ちなみに、ランダムウォーク理論で出やすい話題は
- テクニカル分析が意味のあるものだとしたら、なぜ未来の株価を基にトレンドラインを引かないのか
- テクニカル分析は結局、過去の値動きの結果論を述べているに過ぎない
ということです。これに関してはかなり痛い部分を突かれていますが、
- 過去に引いたトレンドラインの延長線上で起こる値動きを見ている人も多い
- テクニカル分析は直近の値動きを重視して観察している
ということは言っておきたいですね。ちなみにランダムウォーク理論の中では
- 専門家のポートフォリオも猿が決めたポートフォリオも大差はない
- ダーツで決めても同じ事
と述べていて、さすがにそれは言い過ぎでしょ・・・と思ってしまうのは私だけでしょうか。
証券会社の罠説
テクニカル分析で株を売買しても意味がないという背景に「証券会社の罠」というお話もあります。言って良いのかわかりませんが、これは証券会社関係の人も似たようなニュアンスを述べていたことがあるので、あながち間違いではないのかもしれません。具体的には
- テクニカル分析で値動きをわかりやすく説明することは、未経験者を引き込むための戦略である
- 個人投資家の心理を誘導するためにテクニカル分析が活用されている
というような内容です。確かに、チャートやテクニカル分析のお話抜きで説明しても「自分にもできそうだからやってみようかな」と思う人は少ないかもしれません。
また、
- ローソク足がこうなったらここで買ってね
- 移動平均線がこうなったらこうだよ
とやり方を示してもらえれば、なおさらやってみたくなるかもしれませんね。個人投資家が、実際にそういう手順で株の売買を行えば
- 機関投資家が反対売買をすることでロスカットなどを誘える
- それらを活用して利益を得られる
といったことも考えられます。テクニカル分析を機関投資家がはめ込みのためにでっち上げたかはさておき、個人投資家の心理を利用して利益をあげている側面はあるでしょうね。意味がないとまでは言いませんが、チャートの後ろ側を考える上では大事なことだと思います。
誰でも手間なく見られる
反対派には、テクニカル分析は誰でも手軽に見られるからこそ意味がないという意見もありますね。以前はスマホがそこまで普及していませんでしたし、株はパソコンでやる人がほとんどだったと思います。
しかし、現在では
- スマホアプリも進化
- チャートはいつでもどこでも確認できる
- 多彩なテクニカル指標が活用できる
- スマホ売買をする人も増えた
といった状況です。ゆえに、日常的にテクニカル分析を行う人の割合も増えたのではないでしょうか。逆に言えば、機関投資家にテクニカル分析を悪用されたときの影響も大きくなっているのかもしれません。
実際にTwitterなどを見渡すと不特定多数の人達が類似した手法を使っていることが見受けられます。関係性がないのに同じ手法で売買している状況は違和感があり、ここは考えるべき点です。誰もが手軽にテクニカル分析をしている時代だからこそ、
- 一歩踏み込んでファンダメンタルズ分析も行う
- 他人とは違った切り口で株を売買する
といったことが重要ですね。例えば、当ブログでも移動平均線で買いを入れることなどについて言及していますが、どんな銘柄にでも適用するのではなく
- 直近の規則性
- 過去の傾向
- 同じセクター内の傾向
- 市場環境
などを取り入れてみると良いのではないでしょうか。似たようなことをしている人は大勢いますが、プラスアルファの考え方は大事だと思います。
テクニカル分析のメリット
ここまで、テクニカル分析は意味がないとされている理由について述べてきました。反対に、テクニカル分析のメリットとはどのようなものがあるでしょうか?
私が考えるテクニカル分析のメリットには
- 株価水準を考える際の効率を高められる
- 株価の流れがわかる
- 再現性が高い売買が可能
といったことが挙げられます。
株価水準の視覚化
これはテクニカル分析のメリットでもありますが、チャートがあることの恩恵と言えるかもしれません。例えば、株を買う際にはなるべく安く買いたいと思うはずですよね。
しかし、もしチャートやローソク足といった概念がなければ
- 一体どのくらいの株価が安いのか
- 直近で反発しやすいのはどこか
- 実際にいくらで指値すれば良いのか
ということは自分で記録でもしない限りわかりません。テクニカル分析やチャートという考え方があるからこそ、いつでもどこでも株価水準を瞬時に知ることができると言えます。
もしそれすらも意味がないという方は、買いたいときに成行注文を入れているのでしょうか?それとも当日の板における安値を狙って指値をしたら、あとは放置しているのでしょうか?
いずれにせよそれでは当日の安値はわかっても、直近の安値圏まではわからないと思います。また、例えば震災時やリーマンショック時の株価はどれくらいだったのかを知りたい場合にはどうするのでしょうか。歴史的な株安から切り返した安値は、当面の最安値として機能してもおかしくはありません。
逆に言えば、そこを割り込んで推移するようなら・・・と考える事もできるはずです。この「売買に適していそうな株価水準が視覚的にわかる」という点はチャートの存在意義として重要なものと言えますね。
値動きの視覚化
テクニカル分析は直近だろうが、何年前だろうが株価の全体的な流れを見ることが可能です。ランダムウォーク理論ではメリットとして捉えられていませんが、例えば値動きの上昇基調は投資家心理に大きく関係する部分ですよね。
市場参加者の考えを左右する部分を意味がないとするのは甚だ疑問ではないでしょうか。また、上昇気流に乗った銘柄を買えた時の資産成長スピードは、少し相場経験を積んでいる方であれば全員知っていると思います。
ランダムウォーク理論のように点でしか値動きを見ない人にはわからないかと思いますが、テクニカル分析は流れに乗ることでメリットを発揮する側面はあるでしょう。また、流れといっても上昇と下降に加えてヨコヨコもあるわけです。
個人的にはここがすごく重要で、このヨコヨコ時期に何が起きているのかをテクニカル分析で考える事が大事だと思います。ヨコヨコは少なからず力が溜まる部分で、その具合はチャートやテクニカル分析で測ることが可能です。出来高もそうですが、単純に保ち合い期間だけでも大きな情報になり得ます。
どの価格水準で起こっているのかに加え、どんな流れで値動きが起きているのかを視覚化できることは大きなメリットですね。
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再現性の高い売買
テクニカル分析の十八番とも言えるメリットは再現性です。前述のようにテクニカル分析は機関投資家が個人投資家をはめ込むのに利用している側面があるかもしれません。
しかし、逆に「こういう値動きってよくあるよね」というパターンも中にはあるわけです。
その値動きを作っているのが機関投資家なのであれば、「機関投資家ってよくこういうことするよね」と言い換えられます。個人的には、このよくあるパターンを見抜くにあたって重要だと感じているのは
- ローソク足(4本値)
- 移動平均線
- 出来高
だと思っているのが現状です。将来的に考えが変わるかもしれませんが、上記3つはテクニカル分析の基礎として君臨しているので今後も効果的な可能性は高いでしょう。
多くの方が使っているものほど逆手に取ったときの効果が高く、再現性の高い手法として機能しやすいですね。
上手にチャートと付き合うためには
テクニカル分析におけるメリットや意味がないという意見について述べてきましたが、結論的には一体どちらが正しいのでしょうか。個人的にはテクニカル分析の全てを意味がないとは言いませんが、そういった部分もあると思います。というのも
- テクニカル分析は意味がないと言い、違う売買方法で利益をあげている人
- 企業のことは一切調べず、チャート上の情報だけで勝っている人
のどちらも存在しているからです。
お互いにいがみ合っているわけではないでしょうが、別々にヒアリングしたらお互いに「必要ない」と言われてしまうのではないでしょうか。どちらが悪いというわけではなく、無くてもやっていけているのだからそう言われるのは当たり前です。
ただ、1つ思うのは初心者さんの多くがテクニカル分析で利益をあげられていないのはなぜだろうかということですね。これを加味すると、
- テクニカル分析において突き詰めても意味がない部分に重きを置いている人が多い可能性
- その他大勢とは違った角度、もしくは逆の解釈が必要な可能性
はあるかもしれません。また、世の中にはテクニカル分析とファンダメンタルズ分析を合体させた「テクノファンダ」という考え方があるのはご存じでしょうか?
ファンダメンタルズ分析の欠点の1つに、「目をつけるタイミングが遅くなりがち」という点があります。その結果、株価はすでに大きく上がり始めていて利益率が落ちることにつながりますよね。
テクノファンダでは
- 株価が上がり始めている銘柄をチャートから探す
- その銘柄のファンダメンタルズ分析を行う
- 先回りして買うことで欠点を補う
という流れで行うので、いわば良いとこ取りの売買手法と言えるでしょう。最近ではこういったテクノファンダに類似した考え方が広がっているように感じ、
- 企業状況や業績を知ること
- 材料や持っているテーマ性を考える事
がテクニカル分析派にも広がっていると思います。
投機はその限りではありませんが、高すぎず安すぎずの株価位置にある良好な企業を買っていく投資の王道が行える良い考え方ですよね。そのときにチャートやテクニカル分析は絶対に必要なので、意味がないと避けるよりは少しばかり投資法に取り入れた方が良いのかもしれません。少なくともそこにおいてMACDやRCIを極める必要はないでしょうが、ローソク足と出来高くらいは自分なりの解釈が欲しいですね。
まとめ
いかがでしたか?今回はテクニカル分析で株を買っても意味がないのかというテーマでお話しました。ランダムウォーク理論や証券会社の罠など色々な意見はありますが、大事なことは
- その他大勢と同じ視点から少しずらす
- プラスアルファの考え方を持ってくる
といった意識を持ちながら、ファンダメンタルズ分析も取り入れていくということではないでしょうか。株をやる上でどちらも大なり小なり必要ですので、柔軟な考え方を持って臨みたいですね。
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がありますのでご参考ください。それではまた!