個人投資家の多くはテクニカル分析を勉強していて、売買手法のメインとしている人も多いでしょう。
手法のように一定の枠組みを作っていなくても、値動き判断する上でローソク足や移動平均線など基本的なテクニカル指標を活用している人は多いはずです。
それほどまでにテクニカル分析は現代の株式投資において浸透しているものであり、なおかつ投資家からそれなりに信頼を得ている概念だと思います。
ただし、テクニカル分析には大前提となる注意点がありますよね。
それは「絶対に当たるテクニカル分析など存在しない」ということです。
カップウィズハンドルやダブルボトムなど有名な値動きパターンから、中期線反発など初心者にもわかりやすいエントリー例はたくさんあります。
しかし、そのどれもが100%の確率でそうなることを述べているわけではありません。
今回はテクニカル分析のそういった側面から考えたいことを述べてみましたので、テクニカル分析をこれから勉強していこうと考えている方はぜひご参考下さい。
絶対に当たるテクニカル分析は存在しない
テクニカル分析の大前提は百発百中ではないということです。
よくよく考えればこれは当たり前のことで、もし確実に当たるテクニカル分析があれば今頃それを使って売買している人は大金持ちですね。
しかしそんなおいしい話はなくて、結局のところ「過去の経験則から確率が高そうな方へポジションを持つ」ということがテクニカル分析の本質的な内容だと思います。
それは「上向きの移動平均線で株価が反発する」といったありふれたものだけでなく、投資歴30年のベテランが持つ経験則も同様のことが言えるでしょう。
ただし、いくら30年の経験則とはいえ「それは本当に確かなものか」もわからないし、例えデータを取った結果だとしても確率論なので必ずそうなるわけではないですよね。
それでも何の手がかりも根拠もなく売買するよりかは勝率が上がりそうなので多くの投資家がテクニカルを重視していて、実際に同じシグナルを使って売買をしているわけです。
100%の確率で当たらないにせよそれなりに精度が高いシグナルであればトータルで勝つことが出来て、長年にわたって継続していけば負けたりしつつも資産は増えていきます。
そういった精度が高いシグナルを見つけるためには試行回数と勝率を記録して、そのデータを信じて運用していくことが大事なのでしょう。
テクニカル分析をギャンブルにしない
テクニカル分析は完全なものではないという認識はとても大事です。
これを忘れてテクニカル分析を盲信し過ぎると、株の売買が一種のギャンブルになってしまうのかなと思います。
例えば中期線で反発することが多い銘柄があったとしましょう。
この銘柄の癖や今までの傾向から考えれば中期線が絶好のエントリー場所でありそうだと思いますよね。
しかしこれまで述べてきたように本当にそうなるかはわからないわけで、それを考えれば資金の全額を突っ込むような売買など到底できはしないでしょう。
もしそういった伸るか反るかのような売買をするのであればそれはギャンブルになってしまいます。
ではどうするべきか?
- シンプルではあるものの、テクニカル分析の結果としてここから反発していきそうだ
- 過去の傾向を考えれば自分が持つべきポジションは買いである
- ただし必ずそうなるかはわからないので適度に資金を投入しよう
- もし中期線で反発しなかった場合はこの辺りまでなら許容する
- 許容範囲内であればそこで一度だけ買い増しを行うことにしよう
など何かしらの戦略を立てれば良いでしょう。
勘違いしないで欲しいのですが、ここで言いたいのは中期線を抜けたら切るかどうかではなく「中期線で反発しない」というリスクを考えその対応を考えることです。
今回の場合は「中期線下で買い増しを行う」ということが対応であり、「中期線抜けから遅れて反発してくるケース」をたくさん見てきた人は過去の経験則を考えながら買い増すのもありでしょう。
仮に資金の全額を突っ込んでいた場合には買い増しなどできないわけで、中期線で上がるか下がるかの2択しかありません。
あまりガチャガチャやるのは逆効果だと思いますが、中期線うんぬん以外にも「自分のポジションに反して動いてしまった時にいかに勝ちに近づけるか」を考えることは悪いことではないです。
テクニカル分析をギャンブルのきっかけにしないためには、テクニカルを売買のきっかけにそこから戦略を練るということが求められると思います。
テクニカル分析が完全なものでない以上、そこに潜んだリスクを考えてあげなければなりません。
まとめ
今回は100%当たるテクニカル分析などないことを述べ、そこから考える向き合い方をお話しました。
テクニカル分析は売買に再現性を持たせるために非常に役立ちますが、あくまで確率論です。
外れる可能性がある以上はそのリスクを含めた戦略を練る必要があり、それがギャンブルと一線を引くことになるでしょう。