どうも、ひげづら(@higedura24)です。
個人投資家から人気の高いETFのひとつに「銘柄コード1357日経ダブルインバース」があります。
このETFの特徴は「日経平均株価が値下がりすると、その2倍値上がりする」というものです。
要するに、日経平均株価が値下がりすれば利益が出ますよということですね。
一方で、日経平均株価が値下がりする確率が高い場面に「3月や9月の配当権利落ち日」があります。
ダブルインバースと配当権利落ち日の相性は良く、誰でも簡単に利益が出せる・・・というのはおそらく間違いです。
この記事では3月や9月の配当権利落ち日に必ずしもダブルインバースが値上がりしない理由を考えました。
ETFの存在を知って誰もが一度は胸をときめかせたとは思いますが、世の中そんなに甘くはないですね!
ダブルインバースと配当権利落ち日の関係
まずは具体的な状況からチェックしていきましょう。
こちらをご覧ください。
これは2020年3月権利落ち日における日経平均とダブルインバースのチャートです。
日経平均が寄り付きからギャップダウンして、ダブルインバースがギャップアップしているので一見すると連動しているように思えます。
しかし大引けの具体的な数字を見てみると
- 日経平均株価:前日比-304.46円(-1.57%)
- ダブルインバース:前日比-15円(-1.24%)
と両者とも値下がりしていますね。
同様に2019年9月の配当権利落ち日を見てみましょう。
こちらも
- 日経平均株価:前日比-169.34円(-0.76%)
- ダブルインバース:前日比-2円(-0.18%)
という状況です。
どちらの月も普通に考えればダブルインバースが値上がりしていないとおかしいのですが、そうなってはいませんね。
配当権利落ち日を利用して差益を得ようとしていた人達はがっかりしてしまいますが、一体なぜこういった状況になるのでしょうか。
配当分はファンド内で再投資されている?
この理由はおそらく、配当権利落ち分がファンド内で再投資されているからです。
おそらくと言ったのは後述するように確信が持てないからですが、実はETFの中には「日経225上場投信」といって日経平均株価に連動するものがあります。
こちらはほぼ確実にファンド内再投資という理由で配当権利落ち日に連動性が消失していますので、日経225上場投信のグラフを例に見てみましょう。
この図は3月権利落ち日で、対象指数である日経平均株価と日経225上場投信の乖離率が上昇していることを表しています。
本来なら連動ETFである日経225上場投信も値下がりしなければなりませんが、配当分をファンド内で再投資したので値下がりが補填されているわけです。
これによって乖離率が上昇しますが、再投資した分は日経225上場投信の権利落ち日(7月)にて回収され・・・
今度は9月権利落ち日に乖離率が上昇し、これを年に2回繰り返す流れにあるようです。
こういった背景から
- 3月や9月の権利落ち日という要因では日経225上場投信に値動きはない
- 需給によって連動しているような感覚はあれど、必ずしも一致しない
ということが起きているのでしょう。
ダブルインバースもこういった流れによって権利落ち日の連動性が消失していると思われますが・・・実は疑問点がいくつかあります。
ダブルインバースの乖離率は年中ブレている
日経225上場投信の乖離率を見ると権利落ち日前後だけブレが生じていましたが、ダブルインバースの乖離率はちょっと特殊です。
年中小刻みにブレていて、特に2020年3月付近では地合いの影響からかぐちゃぐちゃになっていますね。
一応、3月と9月の権利落ち付近でブレが大きくなってはいますが、これだけ不規則だと配当権利落ちが関係ないような気もします。
ダブルインバースの配当実績は0円
また、ETFとしての配当実績も疑問点です。
日経225上場投信では配当実績がちゃんとあるのですが、実はダブルインバースの配当実績は0円となっています。
つまり配当金を出していないので「配当の再投資」ではないのかもしれません。
もしくは利益が出ても放出されていないのか・・・?
この辺りは私の勉強不足でわかりません。
まとめ
いかがでしたか?今回はダブルインバースが権利落ち日に値上がりしない理由を推測してみました。
おそらく日経225上場投信と同じようにファンド内で再投資されているはずですが、勉強不足ゆえ自信はありません。
ただ言えることは「配当権利落ち日を利用してダブルインバースで明確に儲けることは難しいだろう」という点です。
ETFはやや仕組みが難しく感じるので、システムを利用する際には注意が必要ですね。
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