上場企業の配当性向平均はどのくらい?活用法と併せて紹介!

    

どうも、ひげづら(@higedura24)です。

株で長期投資する上で欠かせない要素、それが配当です。

特に配当が高い株は「高配当株」と呼ばれ、個人投資家に長期保有されやすい特徴があります。

また、企業が配当をどのくらい出すかの目安として「配当性向」という考え方があるのをご存知でしょうか?

この記事では

  1. 国内上場企業における「配当性向」の目安
  2. 配当性向の活用方法

について解説しました。

配当性向は長期投資をやっていない方にとっても重要なお話です。ぜひ知識として覚えてみてはいかがでしょう。

    

国内上場企業の配当性向平均は約30%

配当性向とは「企業が出した利益のうち、どのくらいを配当に回すのか」という考え方です。

例えば100億円の利益を出したとして、配当性向が30%であれば30億円を配当金に回して株主に還元するわけですね。

配当性向は企業によって様々で、株主還元に積極的な企業ほど高く設定する傾向があります。

また、企業が正式に「配当性向を何%以上に設定しました!」と声明を出すことも珍しくありません。

2018年末にはソフトバンクが配当性向85%を掲げて新規上場して話題になりましたよね。これはNTTドコモの50%やKDDIの約40%より大幅に高い配当性向です。

なぜそんなことをわざわざするのかというと、

  1. 配当性向が高い企業は株主還元に積極的だと好感される
  2. 配当性向を高く設定できる=業績の安定がイメージされやすい
  3. 配当目的で資金流入が見込める(株価上昇)
  4. 配当目的の資金は抜けづらく、業績があまりに落ち込まなければ株価が定着しやすい

といったことが背景として挙げられます。

もちろん、配当性向を高く設定したからといって必ず業績が上向いていくわけでも、企業側の思惑がないわけでもありません。株主離れを防ぐための策ということもあります。

しかし、一般的には配当が高かったり増配材料は交換されやすく、株価上昇の要因となりやすいです。

そのため、配当性向は長期投資に限った話ではなく、短期的な目線でも重要な要素なんですね。

じゃぁ、本題の配当性向はいったいどれくらいが目安なの?って気になりますよね。結論から言うと国内上場企業の平均配当性向は約30%です

ソースとしては以下の生命保険協会が公表している統計データ(PDF)があります。

<外部参照ページ>

生命保険協会|株式価値向上に向けた取り組みについて

この調査結果によれば

市場全体が落ち込んだ時期では一時的に上昇しているものの

  1. 日本の配当性向:30%前後
  2. 米国の配当性向:40%前後

という結果のようです。

ちなみにこれはTOPIXの統計ですが、市場全体でもさほど変わりないという話もちらほらニュースで聞いています。

同じ統計データの中に総還元性向なるものもあります。総還元性向とは「配当と自社株買いを併せた株主還元率」のことです。

こちらは、

  1. 日本の総還元性向:51%
  2. 米国の総還元性向:118%

とかなり差をつけられていることがわかります。

配当性向が10%しか違わないのにこれだけ総還元性向に差があるということは・・・

  1. 日本の自社株買い実施割合:17%
  2. 米国の自社株買い実施割合:71%

と「自社株買いによる株主還元策」をやる国内企業が少ないということもわかりますね。

昨今では国内株式市場の弱さや、投資家からの注目度が低いことが問題視されています。

そういった背景には欧米諸国と比較して株主還元の姿勢がよろしくない点が関係しているかもしれませんね。

配当性向が30%超えで、自社株買いも積極的に行う国内企業は株主還元をしっかりと行っている優良企業だと言えそうです。

平均配当性向の考え方を活用しよう

では配当性向の平均が30%という情報をどのように活用すればよいのでしょうか?

ひとつの提案としては「連続増配の目安とする」ということが考えられそうですね。

例えば、こんな企業があったとします。

  1. 業績が連続的に上昇している
  2. 若干の頭打ちではあるが、今後も業績は伸びていく展望
  3. 業績の成長性重視から株主還元にシフトする動き
  4. 初配の期待および実際に初配発表があった

おそらく、初配ニュースで株価は動意づくものと思われます。そして、業績がこのまま伸びていけば増配も続いていくと予想できます。

ここで重要なのは、初配発表前よりずーっと前からその株を持ってなくても、

  1. 「あれ?四季報からこの株はそろそろ初配がきそうだな」
  2. 「増配で上昇してるから値幅取れそう」
  3. 「短期で値幅取って、さらなる増配狙いで株価が落ち着いた所を拾っておこう」

といった具合に色々な考え方で応用できるのがミソです。

初配および増配で値幅が取れたり、注目が去った段階で拾っておけば連続増配銘柄として保有することもできます。

そして、増配ストップの目安として「平均値である配当性向30%の時点で連続増配が止まるかも」と考えることも可能です。

増配ニュースが来そうなものは監視すれば良いし、保有の連続増配目安として活用可能というわけですね。

配当性向の調べ方

配当性向を調べるには

  1. 決算短信を見る
  2. 1株益と1株配当で計算する
  3. 配当性向ランキングを活用する

の3つの方法があります。

決算短信であれば1ページ目に配当状況とともに記載されていますし、いちいち決算短信を覗くのが面倒だという場合は企業の1株益と1株配から計算すれば良いでしょう。

ちなみに計算式は

  • 配当性向(%)=1株配当÷1株益×100

で、1株益も1株配も証券会社アプリを開いて個別銘柄ページの「四季報」タブを見てあげればすぐにわかりますよ。

こちらの方が、ざっくりでも配当推移を見ていけるので良いかもしれませんね。

もはや自分で探して調べることすら面倒だという場合は最初から配当性向ランキングを見て数字から選ぶのも一つの手です。

配当性向ランキングは以下のみんなの株式などを活用すれば良いでしょう。

<外部参照リンク>

みんなの株式|配当性向ランキング

配当性向が全てではないことに注意

ここまで配当性向について書いてきましたが、あくまで株主還元策のひとつであってそれが全てではないことに注意してください。

配当性向がそれなりでも積極的に自社株買いしているかもしれませんし、まだまだ業績が発展途上で事業成長にお金を回しているかもしれません。

配当性向が悪いからダメだと決めつけず、

  1. 総還元性向を確認
  2. 業績の成長性を確認

といったことまで行うのが好ましいですね。

まとめ

いかがでしたか?今回は国内における平均配当性向と、その活用方法についてお伝えしました。

記事中に出てきた総還元性向についての解説は「総還元性向の平均や活用方法とは?日米の比較も行いました!」で行っていますのでチェックしてみてください。

配当性向などの知識は企業の状況を考えるためにも知っておいて損はないです。

今回ご紹介したような配当性向30%という目安を持っていれば企業側の増配余力などもなんとなくわかりますし、それを超えている企業があれば配当を頑張っているとも考えられますよね。

上場企業内の目安を知ることで投資判断もしやすくなるので覚えておくことをおすすめします。

ただし、配当だけに着目するのではなく必ず事業内容にも気を配り、総合的な投資判断をしていきましょう。