始値と終値が同じになる意味と利益を得るための考え方

    

始値と終値が同じになるローソク足を見たことがありますか?

これは日々の株価推移の中で時たまあるパターンで、いわゆる十字線ローソク足に分類されるものです。十字線がチャート上に出ると判断が分かれやすくなりますが、パターン化するとそこまで多くはないですね。

この記事では

  1. 始値と終値が同じになる意味合い
  2. そういった場合にどう解釈すべきか
  3. そこから考えられる利益享受方法

について述べました。あくまで私がそう考えているというだけであって正解はないのですが、始値と終値が同じになるといつも迷ってしまうという方はぜひご参考ください。

    

始値と終値が同じになる意味合い

では最初に始値と終値が同じになっているローソク足を見てみましょう。

始値と終値が同じローソク足

上記は株価推移の中で始値と終値が同じ、もしくはほぼ同じになった部分を黄色枠で囲ったものです。これらは冒頭で述べたように十字線と呼ばれるローソク足ですが、このチャートを見て何か気づきませんか?

そうです、こういった始値と終値が同じローソク足が出ると株価が折り返していることが読み取れますよね。こういった特徴はそれこそ江戸時代の米相場から語り継がれていることで、端的な表現としては「転換点」と呼ばれます。

転換点というのは言葉通り株価が方向転換して逆方向に進みますよという意味合いで、言い換えるなら相場状況に「迷い」や「拮抗」が生じているというイメージです。個人的にはこういった始値と終値が同じになったり比較的近い位置になるケースというのは・・・

出来高急増銘柄の例

図の青丸部分のような「材料発生後のギャップアップ」でも出るイメージがあります。上記はキリンホールディングスという東証一部上場企業が決算発表と自社株買い発表という材料を出した際のチャートです。このチャートはかなり勉強になったケーススタディとして保存してあり、今回はその考察を皆さんにもシェアしておきます。

下髭と窓埋めで逆張り

まず前述のように「始値と終値が比較的同じローソク足が出ているので株価が折り返す」という見立てがひとつありますよね。また、このローソク足はかなり出来高が大きくついた状態で始値と終値が同じ状態に近づいたという点が重要でしょう。

出来高が大きくつきつつ始値と終値が同じになればそれだけ

  1. 多くの人がここで売買した可能性
  2. 大衆心理としてここは転換点となりやすい
  3. ここで捕まった人も多くなりやすい

という状況になるので転換点という意味合いが強まるだけでなく上髭や下髭のレジサポ効果も大きくなるというものです。ちなみにレジはレジスタンス(抵抗帯)でサポはサポート支持帯)という意味になります。

したがって最初の買いタイミングは「始値と終値が同じくらい近づいた十字線の下髭先端付近」です。実際にこのケースでも一度買い支えられて反発していることが先ほどのチャートから読み取れますね。

このサポート効果は出来高が大きくつくほど強力になるのでここを忘れてはいけません。また、当日の板状況を見たときに

  1. 十字線の安値高値先端付近にどのくらいレジサポが置かれているか
  2. そこに来た時にどのような挙動になっているか
  3. 下髭であれば割り込む素振りがないと感じられるくらい底堅く拾われている状況か

といったことを確認するのも忘れずに。

日足の下髭を見ているので板状況を確認しないという方も多そうですが、こういった大きな節目ではスイングトレードでもしっかり確認した方が良いと私は考えています。もしザラバに指値が刺さったとしても分足で割り込めばすぐさま含み損なので、日中値動きとしてサポートされているかはやはり大事ですからね。

そして今回のケースではもうひとつ重要な売買タイミングがあります。それは「ギャップアップ後の窓埋めタイミング」です。

先ほどのチャートを見返してもらうとわかりますが、ギャップアップ後の空間を埋めた黄色丸のタイミングからきれいに反発していますよね。実はこの背景に地合いの悪化があったのですが、それを利用して「窓埋め部分に指値する」という作戦で簡単に値幅が取れました。

今考えれば始値と終値が同じに近いという状況からも

  1. 株価が折り返して窓埋めする
  2. そこからある程度は反発するだろう

という流れを想定しやすかったかもしれませんが、正直そういった考えで指値をしたわけではありません。ただ出来高急増のギャップアップ十字線ではテンプレ的に

  1. 下髭先端
  2. 窓埋め

で逆張りしやすいので覚えておくと良いでしょう。

まとめ

今回は始値と終値が同じになる意味合いとそこから考えられる利益方法を述べました。簡単に言えば下髭先端を狙うという考え方で、窓開けしていれば窓埋めタイミングも視野に入ります。ただしここには出来高急増という条件も付いて回るのでここも忘れずに。

半ばテンプレ的なエントリータイミングですが、最初から指値を仕掛けるのではなくまずは株価アラートを仕掛けましょう。そして鳴ったタイミングで板状況を確認して、指値しても問題ないと判断できれば実際に待ち構えるという方が無難ですね。ぜひご参考いただき、類似状況に出くわしたら試してみて下さい。

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