発行済み株式数の調べ方と出来高との関係性について

    

発行済み株式数は需給を考える上でとても重要な要素です。これは浮動株などとも関係性が強く、特に小型株が急騰すると意識されることも多いでしょう。

しかし大手証券会社の中にはスマホアプリで簡単に発行済み株式数を調べることができないものもあり、銘柄スクリーニングする流れですぐ確認できないこともあります。

そこでこの記事ではスマホアプリやサイトにおける発行済み株式数の調べ方をまとめました。スマホアプリで調べる方法が最も手っ取り早いですが、見ることができないという場合には他の調べ方をお試しください。

    

発行済み株式数の調べ方

最初に簡単ではありますが発行済み株式数の概要について述べておきます。発行済み株式数とは企業が発行している株式の総数のことです。株式会社では発行済み株式数の多くを

  1. 経営陣
  2. 資本業務提携先
  3. 資産管理会社や信託銀行
  4. 証券会社

などが保有するので、実際に世に出回る株式数は総数よりも小さくなります。この実質的に出回っている株式のことを浮動株と呼んでいて、どちらもその銘柄の出来高を見ながら売買する上で大切なものでしょう。

そのため発行済み株式数や浮動株数を調べる方法が必要になってきますので、ここからはその具体的な方法をご紹介していきます。

SBI証券のスマホアプリ

最もお手軽なのはSBI証券が提供しているスマホアプリで調べる方法ですね。例えば私が現在ホールドしている銘柄の発行済み株式数や浮動株を見てみましょう。

発行済み株式数の調べ方

上記の画面を出す手順は

  1. SBI証券のスマホアプリを開く
  2. 個別銘柄ページに入る
  3. 銘柄詳細タブを開く
  4. 企業情報を押す

というものです。上場株式が発行済み株式数、浮動株式が浮動株を示しているだけでなくそれぞれがどの程度の時価総額なのかも表示されています。

株の総合情報サイト

SBI証券で口座開設をしておらずスマホアプリが使えないという場合は株の総合情報サイトで発行済み株式数を調べる方法もあります。例えば

  1. 株探
  2. ヤフーファイナンス
  3. バフェットコード

などはそれぞれの企業ページの基本情報で発行済み株式数を調べることが可能です。しかし、浮動株数は出ていなかったはずなので浮動株比率から計算しなければなりません。

面倒だという方はSBI証券で口座開設をしてスマホアプリを使えるようにしておけば、この先の株人生で発行済み株式数や浮動株数で悩む必要はなくなります。

SBI証券は手数料面でも現物株と各信用取引で100万円ずつの無料枠(合計300万円)を用意するなど頑張っていますし、初心者さんがとりあえず持っておいて損はない証券会社のひとつですね。

私も最初に解説した証券会社がSBI証券さんでした。当時はもっと手数料が安い証券会社もあったので乗り換えてしまいましたが、最近になって使う機会も増えてきました。

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発行済み株式数と出来高を比較するケース

発行済み株式数の調べ方がわかったところで具体的な活用方法について述べていきます。よく言われるのは小型株の急騰場面で発行済み株式数を確認するということです。

私はあまり小型株をガンガン売買しない方ですので忘れることもありますが、一般的には急騰時の出来高が発行済み株式数を超えないかをチェックします。例えばこちらのチャートをご覧ください。

発行済み株式数を超える出来高

3189ANAPにおける2021年6月の例では底値から急騰する際に出来高も増加していて、発行済み株式数480万株に対して800万株という大きさになっていますね。信用取引が1回転以上していて、極論的にはホルダーさんが1日でガラリと入れ替わった状況です。

小型株が急騰した場合は出来高が急増することも非常に多く、特に不人気状態から注目を浴びるとこういった状況になりやすいでしょう。その際に発行済み株式数と比較して同等かそれ以上の出来高水準になった場合は要チェックだと考えられています。

発行済み株式数をはるかに超える売買がなされたということはそれ以上に買い上げることが難しいので急落シグナルとも考えやすいからです。他にも例を見てみましょう。

発行済み株式数が出来高を超える

こちらの6993大黒屋HDにおける2021年3月からの例では発行済み株式数が1億株ほどですが、赤枠部分でそれと同等かそれ以上の出来高をつけています。そこから下落期間へ突入していますが、よく見ると

  1. 発行済み株式数を超える出来高がついた翌日も高値は更新
  2. 底値には戻らず再度高値にリバウンドする局面あり
  3. 横ばい推移で調整したあとに高値にリバウンド

という挙動も確認できますね。引きで見ると急落となりますが細かな挙動では興味深い流れも隠れている印象です。

横ばい期間は底値に戻っていないのでホールドされていたのでしょうか?そこで集めてからまた提灯記事で売り抜け?このあたりはよくわかりませんがこういったケースもあるということは知っておいた方が良いのかもしれません。では、もうひとつ例を見てみましょう。

発行済み株式数を超える出来高でも上昇

こちらの5952アマテイにおける2020年9月の例では発行済み株式数が1200万株ほどですが、赤枠部分でそれを超える出来高をつけました。しかしその翌日もそのまた翌日も同じくらいの出来高ですね。株価もどんどん上に進んでいてよくわからない状況になっています。

発行済み株式数を超える出来高でもこうなることがあるので、やはり一概に急落するとは言えないかもしれません。

また、この発行済み株式数を超える出来高の考え方は急落時にも同じように使えます。IPOにも適用できるかはわかりませんが、例えばこれもそうです。

発行済み株式数を超える出来高で下落

6521オキサイドの2021年4月の例では発行済み株式数470万に対して500万株を超える出来高で急落したあと、さらに続落しました。正しいかはわかりませんが、最初の急落で売り物が減ったことで切り返したという解釈でしょうか。

ただし、切り返して高値更新した過程でも発行済み株式数に近い430万株という出来高をつけていますので、やはり必ず急落するシグナルではない可能性があります。

なぜ発行済み株式数を超える出来高がつくのか

ところでどうして発行済み株式数を超える出来高がつくのでしょうか。一般的にこの理由はデイトレのような

  1. 日中に何度も売り買いをする
  2. 無限に信用取引を回転する人が多い

とそういったことは起きると言われています。

発行済み株式数を超える出来高がついても転換点にならないのはこの頻度が関係しているのかもしれませんが・・・まぁ定かではないので場面で考えるしかないでしょう。

まとめ

今回は発行済み株式う数の調べ方と活用方法をご紹介しました。出来高サイズや需給面を考える上で大切な内容ですが、意外にも調べるのは簡単です。今回は小型株を例に活用方法を述べましたが、その他にも調べるタイミングはたくさんあるでしょう。

発行済み株式数を超える出来高がついた場合は転換点となりやすく注意が必要と言われていますが、過去の例をいくつか振り返ると必ずしもそうなるわけではないこともわかります。したがって早めに逃げたとしても監視は続け、取れそうなところは少ロットで狙ってみるのもありでしょう。

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