時価総額が高いと年収も高い?東証一部とマザーズTop100で調査!

    

上場企業の価値は時価総額というもので数値化されています。

正直なところ上場企業の実質的な価値を測ることは非常に難しいと思いますが、時価総額があることで色々な立場の人間が様々なことを判断するのに役立ってはいますよね。

この色々な立場というのは投資家をはじめそれこそ様々な属性を言うでしょう。今回はいつもと違った目線から時価総額に焦点を当ててみたいと考え、そこで思いついたのが雇用者目線で時価総額を切ってみるというものです。

具体的には「時価総額Top100に名を連ねる企業の年収分布を見てみようじゃないか」という企画ですね。

それを東証一部とマザーズという2つの市場で行い、時価総額と年収は比例するかを考えてみました。

上場企業のお給料事情を知りたいという方、これから上場企業への就職を考えているといった方はぜひご参考下さい。

時価総額が高いと年収も高いのか調査!

まず行ったのは時価総額上位100企業のピックアップです。やり方は簡単で、証券会社が提供しているスクリーニング機能に

  1. 市場指定:東証一部とマザーズそれぞれでピックアップ
  2. 時価総額指定:検索結果が100企業になるように調整

と条件を打ち込みました。その後はヒットした企業の四季報欄を確認し・・・

従業員情報の部分に書かれている平均年収をひとつひとつ調べてその結果を表にまとめるという作業ですね。

まぁ本来であれば有価証券報告書から読み取ることが理想ではありますが、

  1. 今回は調査対象が200社と多い
  2. そもそも平均年収の計算方法は企業によって異なる
  3. いずれにせよ目安としての指標ではある

といった側面から四季報を活用していますのでご了承ください。

ちなみに時価総額というのは

  • 時価総額 株価 × 発行済み株式数

という計算式で算出されるもので、株価というより発行済み株式数がどれだけ多いかによって時価総額の大小が決まってきます。株式は企業が資金調達のために発行するものですが、たくさん発行ずるためにはそれなりの実績が求められるものです。

また、国内の株式市場では東証一部が市場の最高峰で、マザーズ市場に上場している企業は一部昇格を目指していることが多いですね。したがって東証一部の方が企業としての信頼感が高く、発行済み株式数も多い傾向にあります。

ゆえに時価総額も東証一部の方が高い傾向にあり、それは2021年1月現在における各市場の時価総額トップを比較しても一目瞭然でしょう。

  1. 東証一部時価総額トップ:トヨタ自動車(約25兆円)
  2. マザーズ時価総額トップ:メルカリ(約8900億円)

東証一部とマザーズにおける上位100企業の平均年収分布

では調査に関する基本的なことをお伝えし終わったところで気になる結果を見てみましょう。

市場別年収分布一覧表

上記の表では東証一部とマザーズそれぞれに対して平均年収分布を示しました。年収は300万から1500万まで100万円区切りの13段階で表しています。

念のため「それ以下」と「不明」の項目も設けていて、さすがに平均年収300万円以下の上場企業は時価総額上位100銘柄にはありませんでしたが、四季報から調査しているため不明というケースは割とありました。

ちなみに不明な理由のほとんどは「上場間もないことから四季報データが証券会社側で表示できない」というものですね。

上記の表ではデータ数が100なので数字そのものが割合と考えて問題ありません。例えば東証一部の平均年収500万円台は全体の2%という感じです(ただし不明を除外する場合はちょっと変化します)。

これをグラフ化してピークを見やすくすると・・・

時価総額と年収分布の比較

こんな感じになります。東証一部(青線)とマザーズ(オレンジ線)の頂点部分はきれいにずれ込んでおり、東証一部で平均年収が明らかに高いことがわかりました。

ちなみに東証一部では全体の65%が700万円~900万円台に、マザーズでは73%が400万円~600万円台に分布する結果です。2020年9月に東京商工リサーチが行った上場企業1803社を対象に行った調査によると、上場企業の平均年収は630万5000円でしたのでマザーズは少し低い水準なのかもしれません。

市場別時価総額上位10企業を比較

市場別に分布を眺めると明らかに東証一部の方が平均年収が高い結果となりました。ではここで、それぞれの市場を代表する企業として時価総額上位10企業の比較を行います。

それぞれの市場における時価総額上位10企業とその平均年収・平均年齢は以下の結果になりました。

市場別年収トップ10企業

どちらの市場も先ほど述べた分布ピークより年収が高い傾向にありますが、やはりここでもマザーズが下回る結果ですね。とはいえマザーズのトップ企業ともなれば平均年収600万超えは当たり前のようで、上場企業としての意地を見た気がします。

興味深いなと感じたのは、平均年齢を比較した際にマザーズの方が若い傾向にあったということですね。新興市場ということもありマザーズは時価総額が小さく上場歴も浅いでしょう。ということはこれから上場歴が伸びていくにつれて平均年収や平均年齢が上がっていくのかもしれません。

また、どちらの市場でもきれいに上から平均年収が高い結果とはなりませんでした。このことから時価総額は平均年収に影響するものの、完全に時価総額に比例して上がっていくわけではないことがわかります。まぁ企業によって人件費の割き方が異なるので当たり前と言えば当たり前ですね。

各市場で平均年収が高い・安い企業はどこ?

全体的な傾向が掴めたので、次は個別企業の状況に少しだけ目を向けてみましょう。東証一部とマザーズそれぞれの市場で平均年収が高かった、もしくは安かった企業としては以下のような企業がありました。

<東証一部の平均年収が高い企業の例>

  1. キーエンス:1839万円
  2. 三菱商事:1631万円
  3. 伊藤忠:1565万円

<東証一部の平均年収が低い企業の例>

  1. ネクソン:573万円
  2. セコム:595万円
  3. 第一生命:604万円
  4. 日本電産:615万円

<マザーズの平均年収が高い企業の例>

  1. アンジェス:1275万円
  2. そーせいグループ:1189万円
  3. モダリス:1056万円
  4. サンバイオ:1051万円
  5. Kudan:974万円
  6. ロードスターキャピタル:921万円

<マザーズの平均年収が低い企業の例>

  1. クリーマ:402万円
  2. ティーケーピー:415万円
  3. BuySell Technologies:422万円
  4. 日本アセットマーケティング:425万円
  5. スマレジ:460万円

上記の結果から、市場別の最大と最小は以下のようになりました。

年収分布の最大と最小

まず東証一部の最大はキーエンスの1839万円です。確か以前は平均年収2000万円超えでかなり話題になっていましたが、少し下がってもこの水準はすごいですね。かたや東証一部の最小は2020年10月に日経平均構成銘柄に選ばれたネクソンの573万円でした。世間の水準としては高いもののキーエンスと比較してしまうと3分の1ですね。

一方、マザーズは意外にもバイオベンチャーの平均年収が高い傾向にあることがわかりました。分布ピークやマザーズ時価総額上位企業をはるかに上回る平均年収だったのには驚きで、平均年収を吊り上げて人材確保したいのかと感じるほどです。

マザーズの最小はクリーマの402万円で、これは世間一般の平均年収とあまり変わらない水準ですね。

時価総額は年収に影響するが・・・

ここまで時価総額が年収に影響するのかを知るために東証一部とマザーズそれぞれの時価総額上位100企業を調査し、その結果について見てきました。

結果としては時価総額が大きい東証一部で平均年収が高い点がわかりましたが、個別企業ベースでは必ずしも時価総額が高いほどきれいに平均年収が上がるという結果ではありませんでした。また、調査前の段階ではおそらく

  1. 業績や利益率が良い企業
  2. 業界として年収が高い

といったケースでお給料も高いのだろうと考えていましたが、例えばバイオベンチャーのような赤字企業でも年収が高いケースもあったので一概には言えなさそうですね。

したがって、平均年収が高い企業に勤めたければ

  1. 上場後も業績が順調に伸びて時価総額が大きくなっている
  2. 利益率が良く業界としても年収が高い傾向にある

といったことを念頭に置きつつも各企業の事情を調べていくということが必要ではないでしょうか。

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